オブザーバーどんな意味?役割やメリット、オブザーブとの違いも解説

オブザーバーとはどんな言葉?

オブザーバーの意味は、「観察者」「観測者」「監視者」「傍聴者」です。

類語は、「陪席者」「意見参考人」。対義語は「レギュラー」です。

英語で表すときは、「observer」を使ってください。

オブザーバーとはどんな意味?

オブザーバーは、ビジネスでは次の意味で使われます。

オブザーバー
・観察者
・観測者
・監視者
・傍聴者

もう少しくわしく説明すると、オブザーバーは会議などに議決権や投票権を持たない第三者の立場の人間として参加し、会議の進行を観察・監視する人のことです。

オブザーバーは、発言権も与えられないことがほとんど。発言権が与えられる場合も、発言できるのは会議の進行役などから意見を求められたときだけで、参考意見を述べるのみです。

オブザーバーは英語だと?

オブザーバーを英訳するときは、「observer」を使います。

observer
・観察者
・観測者
・監視者
・立会人
・傍聴人
・第三者
・遵守者
・評者
・議決権を有しない会議参加者
・順守者

海外の「observer」は、第三者としての意見を求められるケースがやや多い点が、ほとんど発言することのない日本のオブザーバーとは違いますが、「observer」とカタカナ語のオブザーバーの基本的な意味は同じです。

オブザーバーとオブザーブの違い

オブザーブは、英語の動詞「observe」からカタカナ語になった言葉です。オブザーバーは名詞なのでそこが違います。

observe
・~を観察する、監視する、よく見る、観測する
・~を観察によって認める、目撃する、気づく、見る
・~と述べる
・規則や法律を守る、順守する
・祝祭日を祝う

オブザーブする人のことをオブザーバーといいます。

オブザーバーの使い方を例文で学ぼう

オブザーバーの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
オブザーバーからアドバイスをもらう。
・医療従事者を対象にした研修会にオブザーバーとして参加した。
・他部署の会議にオブザーバーで参加することになった。
・会社の会議でオブザーバー制度を採用することを決めた。

例文に出てきたオブザーバー参加とは、オブザーバーとして会議に参加すること。オブザーバー制度は、会議にオブザーバーを参加させる制度です。

オブザーバーの役割

オブザーバーは、客観的な立場を崩すことなく静かに会議を観察するのが役割です。

誰かの意見に偏ることなく、自分の感情や主観を排した公平な意識を持ち、会議で出されるすべての意見をしっかり聞き、会議がスムーズに進んでいるかを見届けます。

もし、意見を求められたときは発言しますが、この場合も誰かの意見に偏った発言をしたり主観的な意見をいったりすることは控えなければなりません。自分が専門家で発言に責任を取れるとき以外は、会議の方向性や決定を左右するような発言はしないように気をつけてください。

オブザーバーを設けるメリット

基本的にはただ黙ってみているだけですが、オブザーバーを設けることで次のようなメリットが得られます。

参加者に緊張感を与えられる

オブザーバーが参加者の発言を監視していることで、参加者にいい意味での緊張感を与えられます。無責任な意見や常識外れの意見、コンプライアンス的に問題のある意見が出ないように、参加者が気をつけて発言するようになります。

参加者が会議に集中して臨むことで、中身の少ないやっただけの会議が行われることも避けられます。

会議の公平性を保てる

オブザーバーに見られていることで、会議参加者のなかに発言力の強い人がいたとしても、自分の意見を一方的にまくしたてたり強引に自分の望む方向に議論をすすめたりすることがしにくくなります。その結果、すべての参加者が平等に発言しやすい雰囲気を作れます。

すべての参加者が発言することで、多角的な意見を集めることができるようになり、会議の中身も充実します。

プロジェクトの進行状況を把握できる

このメリットは、いろいろな部署が関わる大掛かりなプロジェクトのリーダーが、オブザーバーを担当することで得られます。

リーダーがオブザーバーとして個々のチームの会議に参加することで、リーダーがそれぞれのチームでの進行状況や問題点などを把握し、プロジェクト全体の進捗状況を管理しやすくなります。チーム側も、現状の問題点や大変さをリーダーに理解してもらって、何らかの対策を講じてもらいやすくなるメリットを得られます。

会議を研修や情報共有の場にできる

新入社員や中途社員がオブザーバーとして会議に参加することで、会社で行われているプロジェクトに関する知識を吸収したり、先輩社員のハイレベルな議論に触れて実践的なスキルを身につけることができます。先輩社員は、新人に見られていることで、自分ができる先輩であるところを見せられるように気合を入れて会議に参加するようになります。

他部署の社員をオブザーバーとして会議に参加させると、部署間の情報共有がしやすくなり、他部署のいいところをお互いに取り込むきっかけにもできます。

会議中の姿勢が人事評価につながる

このメリットを狙う場合、オブザーバーは人事の担当者が務めるケースが多いです。

社員一人ひとりが会議でどのような発言をしているかや、会議にどのように貢献しているのかなどを把握できるようになるので、その情報を人事評価の材料にできます

社員もオブザーバーからいい評価をもらえるように、積極的に会議に参加するようになります。

専門家のアドバイスが得られる

新規事業を立ち上げるときなどは、それに関するくわしい知識を持っている社員が社内にいない場合がよくあります。

そんなときに、外部からその分野の専門家をオブザーバーとして招くと、専門的なアドバイスをもらうことができます。また、会議の議論が正しい方向に向かっているか、現実的な計画になっているかもプロの目で確認してもらえます。

オブザーバーの類語・言い換え表現

オブザーバーの類語は、「陪席者」「意見参考人」です。オブザーバーの日本語の意味の、「観察者」「観測者」「監視者」「傍聴者」とあわせて、言い換え語として使うことができます。

陪席者
【意味】
・身分の高い人と同席する人
・陪席裁判官

【例文】
議事録や陪席者が残したメモなどから会議の内容を把握する。

意見参考人
【意味】
意見を述べる参考人

【例文】
意見参考人として専門家を招く。

オブザーバーの対義語

オブザーバーの対義語は、「レギュラー」です。

「レギュラー」には複数の意味がありますが、オブザーバーの対義語として使うときの意味は「レギュラーメンバー」で、議決権を持つ通常の会議参加者を「レギュラー」と呼びます。

例文
会議にレギュラー参加する。

オブザーバーパターンとは

オブザーバーパターンは、プログラミングで使われる言葉。

観察する側のオブジェクト(オブザーバー:Observer)と、観察される側のオブジェクト(サブジェクト:Subject)の2つがあり、サブジェクトに何か変化があったときにオブザーバーに通知がいく仕組みのことです。

オブザーバーとは呼ばれていますが、観察よりも通知に重きが置かれています。オブザーバーは待っていれば通知がくるので、ずっとサブジェクトを観察し続ける必要はありません。

【おまけ】娯楽分野でのオブザーバー

スポーツやゲームなど、娯楽の分野でもオブザーバーという言葉が使われています。

ゴルフのオブザーバーとは
審判員が競技の判定を下すのが難しいときに審判員を補佐したり、プレーヤーが反則していたときに審判員に報告したりする人
マイクラのオブザーバーとは
サンドボックスビデオゲーム「マインクラフト」に登場する特殊なブロック。目の前にあるブロックを観察し、状態が変化したらそれを検知してレッドストーン信号を発する。全自動作物回収機などの装置を作るときに使える
Observer: System Reduxとは
警察の特殊部隊「オブザーバー」に所属するベテラン老刑事が主人公のホラーゲーム。PlayStation 5または、PlayStation 4に対応している
アズレンのオブザーバーとは
シューティングゲーム「アズールレーン」に登場するキャラクター。人類の敵「セイレーン」を率いる特殊個体の一体で、「観測」を担当する

オブザーバーの役割を正しく理解しよう

オブザーバーの意味は、「観察者」や「傍聴者」。オブザーバーとして会議に参加するときの役割は、第三者の立場で静かに会議の進行を見守ることです。

オブザーバーが意見を述べることは滅多になく、基本的にはただ見ているだけですが、オブザーバーがいることで会社や会議の参加者にいい影響があります。オブザーバーの役割を正しく理解し、ビジネスに役立てていきましょう。