ボトルネックとは「問題になっていること」
ボトルネックとは、「問題となっている物事」を意味する言葉。何か問題が一つでもあると、その影響は全体へ波及していくものです。
ボトルネックはビジネスシーンでも頻出のカタカナ語なので、社会人として覚えておきたいところです。
今回は、ボトルネックの意味や英語、使い方についてわかりやすく解説します。
ボトルネックの意味は?
ボトルネックの意味を日本語と英語に分けてみていきます。ネーミングからして和製英語のようにも思えますが、実は英語でも同様の意味で使われているのです。
日本語のボトルネック
ボトル(瓶)のネック(首)は、通り道が狭くなっています。通り口が狭い形状によって、ボトルから注がれる液体の量は減少します。
瓶から液体を注ぐ際の状態に例えて、ボトルネックは「問題になっていること」という意味合いで使われています。
単に個人やモノの能力が乏しいというよりは、何らかの問題が全体の成果や機能、能力などに影響を及ぼしている場合に使用します。
英語のボトルネック
日本語のボトルネックは英語の「bottlleneck」という単語に由来しています。この単語は直訳するとbottle(瓶)のneck(首)であり、意味としては「進行の妨げとなる物事や人」「物事の障害や問題」となります。日本語と同じ意味で使われています。
・この会社のボトルネックは人手不足だといえる。
ボトルネックという言葉を略したのが「ネック」です。何か問題や障害があるときに「◯◯がネックになる」と言い換えられます!
分野別!ボトルネックの関連用語
ボトルネックという言葉は、さまざまな分野で登場します。日本語のボトルネックと同じように瓶から液体が流れ出る様子をイメージした意味、単に瓶の口の形状を例えた意味があります。
【生物・遺伝】ボトルネック効果
生物学における用語に「ボトルネック効果」があります。隔離された生物の個体数が、病気や環境変化など何らかの理由で激減したとき、生き残った生物には多様性が失われています。
例えば、A・B・Cという3つのタイプがあり、個体数が激減したとします。個体数はいずれ増えていきますが、先の過程でAとBがいなくなっていたとしたら、増えた個体はCばかりになってしまいます。
このように生き残った集団では均一性が高くなり、個性がなくなってしまいます。これをボトルネック効果といいます。瓶の首でふるいにかけられるようなイメージがしっくりくるでしょう。
【パソコン・IT】ボトルネックチェッカー
パソコンを自作する人の間で使われる言葉です。パソコンを自作する場合、CPUとGPU(グラフィックボード)のバランスを考慮する必要があります。
例として、CPUが高性能だったとしても、GPUがあまりに性能が低いと、快適に使用することができません。そのようにうまく性能が発揮できていないことを「ボトルネック」、それを調べるツールを「ボトルネックチェッカー」といいます。
せっかく大きな瓶を使ったとしても、注ぎ口が狭いと注ぐ能力は低下してしまうことが、このパソコンの仕組みにも当てはめられています。
【音楽・楽器】ボトルネック奏法
ギターの奏法の一つに「ボトルネック奏法」があります。いわゆるスライド奏法のことを指します。
かつてギターのスライドーバーを酒瓶の首となる部分を切り取って作ったために、ボトルネック奏法というネーミングが用いられるようになったとされています。
【小説】米澤穂信著「ボトルネック」
2006年に出版されたミステリー小説です。青春ミステリーという位置づけになっているようです。
他界した恋人の追悼のため、東尋坊を訪れたら、断崖から墜落。気がつくと見慣れた街にいたが、見知らぬ「姉」が主人公を迎える。そんなあらすじの小説です。
この小説でボトルネックが結局何を意味するのかは、読んでから考察してみましょう。
【ファッション・服】ボトルネック
服のボトルネックとは、首部分が瓶の口のような形状になっているものを指します。首の部分が瓶の口のように少し立ち上がり、折り返さない形状になっています。
より上部分まで立ち上がった「ハイネック」よりは短く、首が少し見えるため、スッキリとした印象があります。
ボトルネックは注ぐ様子、形状に例えて使われる
ボトルネックという言葉は、基本的に瓶から液体が注がれるときに「出が悪くなる」というイメージで使われます。
しかし、ファッションの世界では単に瓶の口の形に似ているというだけの理由でボトルネックというネーミングが採用されています。
どちらの意味も知っておくと、日常生活でも仕事でも困ることがないでしょう。