ビジネスにおけるスキームとは?さまざまなスキームの意味、使い方、言い換えも紹介

「スキーム」とは「枠組みをもった計画」のこと

「スキーム」には、「計画」「企画」「陰謀」などさまざまな意味がありますが、ビジネスシーンにおいては、主に「枠組みをもった計画」を指して使われています。また、「〇〇スキーム」と熟語で使われることも多いため、社会人としては知っておきたいカタカナ用語の一つです。

本記事では、「スキーム」の正しい意味や使い方のほか、一緒に覚えておきたい類語、言い換え表現、英語表現などもわかりやすく紹介します。

「スキーム」の英語は「scheme」

「スキーム」を英語で表記すると「scheme」となり、次のようにさまざまな意味をもつ単語として使われています。

・構想、計画
・配置、配色、組み合わせ
・政策
・計画を立てる
・構想を練る

熟語として使う場合は「color scheme=色彩の配合」「building scheme=建設計画」「scheme of nature=自然の仕組み」「business scheme=事業計画」などがあります。

しかし、「scheme」には、「悪巧み」や「陰謀」といった、悪い印象をもつ意味で使われることも多いため、英語圏で使う場合には注意が必要です。悪い意味での熟語も一応チェックしておきましょう。

・arson scheme(放火計画)
・money scheme(ねずみ講など、金銭を入手するための企み)

ビジネスでの「スキーム」の意味とは

語源となっている英語においては、「計画」「案」「枠組み」などの意味がありますが、ビジネスにおいては「構想実現のための枠組み・計画」の意味で使われることが多いです。また、事業計画やビジネスモデルのことを「ビジネススキーム」と呼ぶ場合もあります

「スキーム」は悪い意味で使われることもある

英語の意味の項目でも触れましたが、日本でも「悪巧み」や「陰謀」を指して使うことがあります。映画やドラマの犯罪に関係する場面で登場する「スキーム」は、「悪巧み」や「陰謀」を指していることが多いです。もし犯罪系のドラマなどを見る機会があれば、ぜひ注意して聞いてみてください。

ビジネスシーンで使われるさまざまな「スキーム」

ビジネスシーンでは、広い意味では「枠組みをもった計画」を指した、「〇〇スキーム」という言葉がたくさん存在します。ここでは、比較的よく見聞きするスキームについて解説しておきます。

販売スキーム

商品メーカー、販売会社、消費者といった関係先を軸とし、商品の製作から消費者の手に渡るまでの一連の流れを「販売スキーム」といいます。「アフターサービス」「クレーム対応」「顧客満足度」などの項目ごとに課題を検証し、それぞれがどのような関係性や影響力をもっているのかなどを探り出すことができます。

事業スキーム

企業が、事業を行うにあたり、目標達成するまでの一連の流れを「事業スキーム」といいます。担当者の決定、計画内容のチェック、実際の作業、チェック、トラブル処理など、さまざまな流れがあり、「事業計画」や「ビジネスモデル」という言い方をする場合もあります。

運用スキーム

「運用スキーム」は、主に金融用語として使われている言葉で、一定期間内に資産がどのように増えるのか、現時点の経済状況などを踏まえて予測したものを図解でわかりやすくしたものを指します。場合によっては、今後起こりうるリスクを盛り込むこともあります。

返済スキーム

金融機関から融資を受けて事業を行っている企業は少なくありません。融資を受けるということは、返済をしなくてならないですよね。しかし、事業を行うほどの大金の返済には綿密な返済計画が必要です。このような、借入金の返済についての計画を「返済スキーム」といいます。

企業再生スキーム

文字からも想像ができるように、経営不振に陥っている企業を再生するための計画の枠組みを「企業再生スキーム」といいます。経営悪化の原因を探るだけでなく、人員や資産の保有は適正化なども見直し、企業全体をチェックし、再建していきます。

投資スキーム

「投資スキーム」は、主に金融用語として使われており、株式、債権など、どのような配分で投資するのが適切なのかを決める枠組みのことをいいます。

課金スキーム

アプリ内課金や、ゲームでの課金など、サービスの利用者から利用料金やアイテムなどの購入代金を徴収する仕組みを「課金スキーム」といいます。

URIスキーム

IT業界においてのスキームとは、主に「URIスキーム」のことをいい、ネット上の住所ともいえる、URLやURIの先頭部分を指します。私たちがインターネットをする上で、今では当たり前に目にしている「http:」や「https:」などが「URIスキーム」にあたります。

視覚的にわかりやすくした「スキーム図」とは?

「人や組織」「物や情報など」「お金」という3つの要素で、「人や組織」がどのような相関関係になっているのか、「物や情報など」がどのように流れているのか、「お金」がどのように動いているのかを、図形や矢印で表現した図のことを「スキーム図」といいます。

「スキーム図」で検索すると、無料テンプレートも含めていろいろ表示されるので、イメージがしにくい人はぜひ探してみてください。

「スキーム」の使い方・例文

「スキーム」の意味がわかると、使い方はそれほど難しくないでしょう。そこで、わかりやすい例文をいくつか紹介するので、場面を想像しながらぜひ読んでみてください

例文

スキームが出来たら一度全員を集めてミーティングをしよう。
・優れた販売スキームをもっている会社には勝てないね。
・またトラブルか。事業スキームの見直しが必要かもしれないな。

「スキーム」の類語・言い換え

「スキーム」を日本語で言い換えたい場合は次の言葉が使えます。

「スキーム」の言い換え表現

・計画
・仕組み
・枠組み
・概要
・構図 など

そのほか、カタカナ用語の類語には「プラン」「フレームワーク」「レジュメ」があります

「スキーム」と「プラン」の違い

「プラン」とは、「計画」「企てた案」という意味のカタカナ用語で、「スキーム」のように目標までの流れにはなっておらず、「計画のみ」である点で違いがあります。また、「プラン」は個人的な計画の意味でも使えますが、「スキーム」は組織的に組まれる計画となっているのが一般的です。

「スキーム」と「フレームワーク」の違い

「フレームワーク」とは、意思決定や問題解決などをするにあたり、複数の案件で共通して使える枠組みのことをいいます。枠組みのみで「計画」そのものが含まれていない点で「スキーム」とは異なります

「スキーム」と「レジュメ」の違い

「レジュメ」とは、「要約」や「概略」を意味する言葉です。内容をわかりやすくまとめられている点では類語ですが、「枠組みをもった計画」にはなっていない点で違いがあります

「スキーム」を実際に作成してみよう

「スキーム」を作成するのは、主に長期的な計画が立てられる場合です。あなたが勤めている企業でも、大きな事業計画がある場合はあなた自信が作ることになるかもしれません。そのときのためにも、小さな計画があるときに実際に作る練習をして本番に備えておきましょう