ノマドワーカーとはどんな意味?向いている職種やメリット、デメリットも解説

ノマドワーカーとはどんな言葉?

ノマドワーカーの意味は、「働くための拠点(オフィス)を持たず、遊牧民のように仕事場を転々と変えながらいろいろな場所で働く人」です。

類語は、「リモートワーカー」「テレワーカー」。

英語で表すときは、「Digital nomad」を使います。

ノマドワーカーとはどんな意味?

ノマドワーカーは、次の意味をもつカタカナ語です。

ノマドワーカー
働くための拠点(オフィス)を持たず、遊牧民のように仕事場を転々と変えながらいろいろな場所で働く人

ノマドワーカーは、ノートパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタルデバイスを使い、インターネットがつながるいろいろな場所をその日の仕事場として自由に選び、働く人のこと。場所だけでなく、働く時間も個人が自由に選べる場合が多いです。このような働き方を「ノマドワーク」といいます。

働く場所に制約がない働き方をしている人ならば、フリーランスの人も、会社員をしている人もノマドワーカーになります。

会社員の場合は、年に数回程度はオフィスで仕事をすることもあります。オフィスに自分のデスクを持っている場合もありますが、オフィスやデスクが自分の拠点でないならばノマドワーカーといえます。

注意
フリーランスのノマドワーカーだけをノマドワーカーとする、狭い意味で言葉が使われることもあります。

ノマドワーカーは英語だと?

ノマドワーカーをそのまま英語に直すと「Nomad worker」ですが、英語圏の人には通じない可能性があります。

ノマドワーカーを英訳するときは、「Digital nomad(ノマドワーカー、デジタル遊牧民)」と表現するのがおすすめです。

「nomad」は英語で「遊牧民」 の意味。

ノマドワーカーに向く職種

ノートパソコンやスマホ、タブレットを使ってできる仕事をしている人ならば、どのような職種でもノマドワーカーになれます。例えば、次のような職種がノマドワーカーに向いています。

ノマドワーカーに向く職種
・WEBライター
・Webデザイナー
・Webマーケター
・ブロガー
・YouTubeチャンネルの運営者
・アフィリエイター
・オンラインサロンや塾などの運営者
・ネットショップ運営者
・SNSマーケター
・コンサルタント
・セミナー司会者
・イベント講師
・翻訳家
・システムエンジニア
・プログラマー
・業務管理者
・ディレクター
・カスタマーサポート など

カメラや車など、必要な機材を用意できる場合は、カメラマンや記者など、あちこち飛び回って仕事をする職種もノマドワークができるため、これらもノマドワーカーに向く職種といわれています。

ノマドワーカーになるのが難しいこともある

前の見出しで紹介したような、パソコンやインターネットを使った仕事であったとしても、次のような場合はノマドワーカーになるのが難しいです。

ノマドワークが向かない例
・個人にあまり裁量が与えられておらず、上司への確認が頻繁に必要な場合
・チーム作業やほかの人と連携しながらの作業が多い場合
・特定の機器や場所がないと作業できない場合

ノマドワーカーが仕事をする場所

ノマドワーカーは、インターネットが使える場所ならばどこでも仕事場にできます。例えば、次のような場所で仕事をするノマドワーカーが多いです。

ノマドワーカーが仕事をする場所
・喫茶店
・ファミレス
・ホテル
・漫画喫茶
・図書館
・公園
・海外の移住先
・コワーキングスペース
・新幹線、飛行機
・旅行先

自宅をノマドワーカーの仕事場のひとつとして考えるかどうかは、人によって異なります。自宅をノマドワーカーの仕事場に含める人もいれば、自宅で仕事をする場合はノマドワーカーではないと考える人もいます。

ノマドワーカーの持ち物

ノマドワーカーは、次のようなものを仕事道具にします。

ノマドワーカーの仕事道具
・ノートパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタルデバイス
・マウス
・充電器や予備のバッテリー
・ポケットWi-Fi
・スケジュール管理のための手帳

オンラインでのコミュニケーションを取りやすくするビジネスチャットや、Webミーティングツールを用意しておくこともおすすめです。

ノマドワーカーのメリット

ノマドワーカーは、インターネットがつながればどこでも好きな場所で働けるので、自分のモチベーションの上がる場所や集中できる場所を自由に選んで仕事場にできます。

通勤にかかる時間と交通費を節約でき、会社の近くに住む必要もありません。自分が好きな地域や、家賃が安いところに住めます。

社内の人間関係のわずらわしさから解放されて、ストレスなく働けます。仕事中に同僚に話しかけられて、集中が途切れてしまうこともありません。

仕事の打ち合わせなど人に会う予定がない日は、身だしなみのマナーをそれほど気にしなくてもよく、好きなファッションを楽しみながら働くこともできます。

自分の都合に合わせて働く時間を決められるため、子育て中の女性にも働きやすいです。

ノマドワーカーのデメリット

ノマドワークするための場所を探す手間がかかり、その場所を利用するために施設の利用料や飲食代といったコストがかかるときは、自腹で払わなければなりません。決まった時間に出勤しなくなることで、生活リズムが崩れやすくなり、オンオフの区別もあやふやになりやすいです。

オフィスの外で仕事をすると、データの紛失や覗き見などのセキュリティリスクが上がります。セキュリティ面の対策は、自分でしなければなりません。

仕事の話し合いでは、直接対面してのコミュニケーションが減るため、いいたいことが相手に伝わりにくくなります。

喫茶店やファミレスで長時間仕事をしていると、お店に迷惑がかかることも。混雑する時間はさける、電話は店の外で行うなど、周囲に配慮しながら仕事をする心配りが必要です。

未経験・スキルなしの状態からノマドワーカーになるには

未経験・スキルなしの状態からいきなりノマドワーカーになるのは難しいので、次のスキルを身につけるところから始めてみましょう。ノマドワーカーのなり方も紹介します。

ノマドワーカーに必要なスキル①:ITスキル

インターネットやパソコン、ビジネスチャットなど、ITツールを使って仕事をするので、ITに関する基礎的な知識はノマドワークをしていく上でどうしても必要になってきます。Web関連の本を読んで勉強し、さまざまなWebサービスをひとりで使いこなせるように利用経験を積みましょう。

Webデザイナーやエンジニアなど、専門性の高い職種に挑戦したい場合は、必要な知識や技術を学校や通信講座などで学んでください。

ノマドワーカーに必要なスキル②:自己管理スキル

会社の人の目がない場所で、自分で決めた時間に仕事をすることになるので、自己管理スキルは絶対に必要です。ついYou Tubeを観てしまった、ネットサーフィンをしてしまったなど、なまけ心を抑えられないと仕事になりません。

「規則正しい生活リズムを守り、自分の体調を管理するスキル」と「仕事のスケジュールを自分で立てて、タスクを管理するスキル」を身につけましょう。

ノマドワーカーに必要なスキル③:積極性とコミュニケーション能力

オンラインでのコミュニケーションが多くなるため、わかりやすく伝わる文章力や画面越しのやり取りで相手の感情を読み取る力などが必要です。

ノマドワーカーは基本ひとりで仕事をしますが、上司や同僚、クライアントと連絡を取らずに仕事ができるわけではありません。仕事をスムーズに進めるには、コミュニケーションツールを活用し、自分から積極的に連絡することを心がけましょう。

また、フリーランスのノマドワーカーになる場合は、自身でクライアントに売り込まなければならないので、積極性とともに営業力も必要です。

ノマドワーカーに必要なスキル④:自分で自分を高める力

ノマドワーカーとして長く仕事を続けていくためには、自分で自分のビジネスマンとしての力を高め、会社やクライアントから必要とされる人材で居続ける必要があります。

わからないことや必要な知識は自分で調べ自主的に学ぶ習慣をつけましょう。さまざまなジャンルにアンテナを張り、最新のビジネストレンドの情報を収集し、今後どうなるか自分で分析、予想する練習をしてください。

PDCAを回し、仕事の質を常に向上させていくことも重要です。PDCAを回すとは、Plan(計画を立てる)→Do(実行する)→Check(評価する)→Action(改善案を検討する)、そしてまたPlanに戻るサイクルを繰り返すことをいいます。

ノマドワーカーのなり方

ノマドワーカーに必要なスキルを身につけたら、副業としてノマドワークを始めて実績を積むのがおすすめです。副業から始めるのは、ノマドワークだけで生活できるだけの収入を最初から得ることは難しいのと、選んだ職種が自分に合っているかどうかは実際にやってみないとわからないため。

副業で最低限生活できるだけの収入を得られるようになったら、今勤めている会社でノマドワークができないか交渉してみましょう。

それが無理な場合は、フリーランスのノマドワーカーになるか、ノマドワーカーになれる会社を探して転職するかの2つの道があります。

優秀な人材を確保するためなどの目的でリモートワークを推奨している会社や、コスト削減のためにオフィスを設けていない企業もあるので、自分の選んだ仕事ができる会社がないか探してみてください。

怪しいノマドワーカーの勧誘には注意

SNSやLINEなどでは、「月収100万円」「儲かる」「稼げる」のような耳障りのいい言葉を並べて、詐欺まがいの勧誘をしてくる自称ノマドワーカーがたくさんいます。しかし、楽して稼げるうまい話は現実にはないので、注意してください。

フリーランスの専業ノマドワーカーとして働く人の平均年収は350万円程度、会社員の立場でノマドワーカーになるときは、勤めている会社の年収と同程度です。ノマドワーカーをしているからといって、簡単に大金を稼げるわけではありません。

ノマドワーカーの使い方を例文で学ぼう

ノマドワーカーの意味や特徴がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
ノマドワーカーの仕事探しに役立つサイトを紹介する。
ノマドワーカーとして働きながらアメリカ中を旅してまわっている。
・インターネットの発展により、ノマドワーカーの人口は増えていくだろうと考えられている。
ノマドワーカーは、はたから見ると何してるのかわからないため、胡散臭いと思われてしまうこともよくある。

ノマドワーカーの類語・言い換え表現

ノマドワーカーの類語は、「リモートワーカー」と「テレワーカー」です。それぞれの意味や使い方をおさえておきましょう。

リモートワーカー
【意味】
自宅も含めたオフィス以外の場所で仕事をするリモートワークを行う人
【例文】
リモートワーカーの仕事道具を紹介する。

「リモートワーカー」は、会社に勤めている人も、フリーランスとして働いている場合もどちらにも使えます。ノマドワーカーの言い換えにも使用できますが、区別するときはリモートワーカーのほうが、オフィスへの出勤頻度が少し多いイメージで用いられます。

テレワーカー
【意味】
会社に拠点を置きながら自宅、シェアオフィスなどオフィスから離れた場所で仕事をするテレワークを行う人
【例文】
テレワーカー向けのデスクチェアのコーナーを作る。

「テレワーカー」は、働く場所や時間は決められていることが多く、ノマドワーカーほどの自由度はありません。また、出勤する頻度も多いです。

ノマドワーカーの意味や特徴をおさえておこう

インターネットの発展や働き方の多様化によって、ノマドワーカーの人口は今後増えていくだろうと考えられています。

ビジネスでもノマドワーカーという言葉を耳にする機会が増えるかもしれません。意味がわからなくて困ったという事態を避けられるように、ノマドワーカーの意味や特徴をおさえておきましょう。