ベンチャーとはどんな言葉?
ベンチャーの意味は、「冒険」「冒険的な試み」「投機的な新規事業」です。
類語は「新興企業」。
英語で表すときは、「venture」を使います。
ベンチャーとはどんな意味?
ベンチャーは次の意味をもつカタカナ語です。
②冒険的な試み
③投機的な新規事業
ビジネスでは、③の「投機的な新規事業」の意味で使われることが多いです。
「投機」は、一般的には次の意味で使用されます。
②偶然の利益・幸運をねらう行為。やま
③市価の変動によって生じる差額を利益として得るために行なう商取引。相場
「投機的」とは、「投機」のように機会をとらえて利益を得ようとするけれど、ことの成否が不確実で冒険的であるさまを意味する言葉です。
ビジネスでは、このような特徴をもつ、冒険的で収益が未確定の新規事業全般をベンチャーと呼びます。
ベンチャー企業とは簡単にいうと?
ベンチャー企業とは、独自の新技術や新事業、新製品で急成長していく投機的な企業のことです。
新規に立ち上げられた創業年数の少ない企業をそう呼ぶ場合が多く、既存の大企業が新技術や新製品を開発して新しいビジネスを始めたとしても、ベンチャー企業とは呼ばれません。
企業の規模としては中小企業のところが多いですが、大成功して大企業に成長し「メガベンチャー」と呼ばれるようになったベンチャー企業も存在します。
ベンチャー企業の成長ステージとは
ベンチャー企業の話では、ビジネスの準備段階から上場するまでの、企業としての成長段階を次の4段階に分けて考えます。
ビジネスプランを練ったり、研究や試作品の作成をしたりして、サービスをはじめる準備をする。
製品開発や販売を始め、市場に受け入れられる状態を目指す。
売上が急拡大し、赤字になってはいても安定的な収益を得ることができるようになり、企業としての信用もついてくる。
はっきりと上場を目指しだす時期。
ステージが上がるにつれてビジネスの規模、従業員数が大きくなります。段階ごとに資金調達が必要になりますが、その金額も上のステージにいくほど大きくなっていきます。
社内ベンチャーとは
社内ベンチャーとは、既存の企業が社内に冒険的で収益が未確定の新規事業を行うための新規事業部門を立ち上げることです。
会社に属する組織ではありますが、大きな権限が与えられて独立企業のように活動できるのが特徴。次のような目的のためにこの方法がとられるケースが多いです。
・新しい事業に挑戦しようという意欲のある人材を会社に引き止め、社内で活躍させること
・会社の保守的なグループの圧力から新規事業を守り、潰されないようにすること
ベンチャーキャピタルとは
ベンチャーキャピタルとは、見込みのあるベンチャー企業に資金を提供し、ベンチャー企業が大きく成長できたときに出資に見合うリターンを得る投資会社。
起業したばかりで充分な信用がなく、資金調達が難しいベンチャー企業にとっては無くてはならない存在です。
ベンチャーキャピタルの仕組み
ベンチャーキャピタルには、複数の投資家が出資しています。
ベンチャーキャピタルは、その出資金で未上場の新興企業のなかから高い成長率を見込めるベンチャー企業を選んで投資し、株式を取得します。そのベンチャー企業が将来上場し、株式の価値が大きく上がったときに株式を売却し、大きな利益を得ることがこの投資の目的です。
しかし、ビジネスに失敗して廃業したり、上場するまでには到達しないベンチャー企業も多いため、ハイリスク・ハイリターンの投資になります。
ベンチャー企業との関わり方
どのベンチャー企業でも出資してもらえるわけではなく、ベンチャーキャピタルの審査は厳しいです。ベンチャー企業は、資金を「借りる」わけではないので、事業に失敗した場合は返済の義務はありません。
ベンチャーキャピタルは出資と同時に、ベンチャー企業に対して経営コンサルティングを行うのが一般的です。また、株主として経営陣と緊密に関わっていき、監視やコントロール、指導が行われることもあります。
ベンチャーとスタートアップの違い
ベンチャーと似たような言葉にスタートアップがあります。しかし、両者は区別して使われているので、ベンチャーとスタートアップの違いをおさえておきましょう。
ベンチャーの特徴
ベンチャーは、既に存在しているビジネスモデルをベースに、新しい冒険的な新規事業を編み出しています。新しいビジネスですが、完全にゼロの状態からのスタートというわけではありません。
また、初期の段階からそれなりの利益を確保し、企業として成長を始められるように運営されます。長期的な視点で、長く成長していくことを目指しています。
スタートアップの特徴
スタートアップは、これまでにはなかったまったく新しい冒険的な新規事業を考え出し、完全にゼロの状態から手探りで新しいビジネスモデルを作っていきます。
スタートアップは世の中に強烈な衝撃を与えるため、一度波に乗り出すとベンチャーとは比べ物にならないスピードで成長していくのが特徴。成功した場合、短期間で大きな利益を上げられます。
しかし、まっさらな状態から始まる新しいビジネスなので知名度も需要もなく、まったく収益が望めない状態からのスタートになります。そのため、ベンチャーよりも資金調達が厳しく、失敗するリスクも大きいです。
長期的なビジネス戦略は考えず、成功したらすぐに売却して次のビジネスに取り掛かる起業家も少なくありません。
ベンチャー企業に転職するときのメリット
ベンチャー企業は人手不足のところが多いため、ひとりの社員が任される仕事の幅が広く、いろいろな仕事を経験できます。
また、ノウハウが確立していない今までにない新しいビジネスを提供しているので、常に自分で工夫しながら新しいことに挑戦する環境に身を置けます。
年功序列ではなく、成果重視の企業が多いため、早い段階から自分が出した成果に見合った昇進や昇給を期待できます。組織としての仕組みがまだ固まっていないので、枠にはまり切らずある程度自由に働かせてもらえる可能性が高いです。
ベンチャー企業に転職するときのデメリット
ベンチャー企業は人手不足のため、新人を教育する余裕がなく、教育の仕組みや研修制度が整っていない会社が多くあります。
また、収益が十分に上がっていないところが多いので、収入が今の会社よりも減る可能性が高く、倒産するリスクも大きいです。
経営陣との距離が近く、独自の社風になっている企業が多いため、社風が合わないと居づらさを強く感じてしまうことも。
ベンチャーは英語だと?
ベンチャーは英語だと、「venture」と表記します。
・~を危険にさらす、危険を冒して~をする、、思い切って~する、思い切って~と言う
ベンチャー企業を英訳するときに、この「venture」を使って「venture company」と表されることがありますが、「venture company」は和製英語です。
英語で「venture」を会社に対して使用するときは、「venture capital(新興企業に投資をする会社)」のように、「新しいサービスやビジネスを展開する企業」に「投資する側」を指していることがほとんど。そのため、英語圏の人に「venture company」というと、ニュアンスが伝わりにくくなります。
ベンチャー企業を英語で表すときは、次のような表現を用いるのがおすすめです。
venture-backed company:ベンチャーキャピタルから支援を受けている企業
ベンチャーの使い方を例文で学ぼう
ベンチャーの意味や特徴がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・新しいことに挑戦したいので、ベンチャー企業の求人に応募することを決めた。
・新卒でベンチャー企業に入社したら、新人のうちからいろいろな仕事を任せてもらえた。
・ベンチャー志向の就活生に向けた情報を発信する。
・ベンチャー出身の人材を欲しがる大企業が増えている。
ベンチャーの類語・言い換え表現
ベンチャーは、ビジネスではベンチャー企業の意味で使われることが多いです。ベンチャー企業の類語は「新興企業」。次のように使います。
新しく設立された企業。設立から間もなく、規模や経営基盤などが小さい企業。とくに、ベンチャー企業をさす。
【例文】
新興企業の支援に力を入れる。
【おまけ】ベンチャーサポート税理士法人とは
2003年に創立したベンチャーサポートグループの税理士法人。「起業家支援」を得意とする税理士事務所です。
大阪に最初のオフィスを構えてから実績を積み重ね、現在では全国の20ヶ所に拠点を構えるまでに成長しています。25,000社以上の、さまざまな業種・業態の会社の立ち上げに関わってきたことで培った、デリケートな開業期を乗り切るためのノウハウが強みです。
「融資」「節税」「税務調査」「経営分析」を得意としています。また、同じグループに司法書士法人、社会保険労務士法人、法律事務所、行政書士法人などがあるため、「社会保険」や「助成金」「許認可申請」「法律トラブル」にも強いです。
ベンチャーの意味や特徴をおさえておこう
ベンチャーやベンチャー企業は、ビジネスでよく耳にする言葉です。似た言葉にスタートアップがありますが、意味に違いがあるので注意しましょう。
また、ベンチャー企業に就職や転職を考えるならば、ベンチャー企業のメリットとデメリットをしっかりとおさえておかないと、後々後悔することになるかもしれません。
ベンチャーの意味や特徴をしっかりと頭に入れておきましょう。