「喜怒哀楽」とはどんな言葉?
「喜怒哀楽」の意味は、「喜び、怒り、哀しみ(悲しみ)、楽しみの4つの情」「さまざまな人間の感情」です。
類語は、「感情」「気分」「機嫌」。
英語で表すときは、「emotions」「feelings」を使います。
「喜怒哀楽」とはどんな意味?読み方は?
「喜怒哀楽」の読み方は「きどあいらく」。次の意味をもつ四字熟語です。
・さまざまな人間の感情
「喜怒哀楽」は、文字通り「喜び」「怒り」「哀しみ(悲しみ)」「楽しみ」の4つの感情を表すこともあります。しかし、そのほかの「恐怖」や「驚き」「憎しみ」「愛情」「不安」「期待」「諦め」なども含めた、人間のありとあらゆる感情を全部まとめてひとことで表す言葉として使われる場合のほうが多いです。
「喜怒哀楽」の「喜び」と「楽しみ」の違い
「喜怒哀楽」の「喜び」と「楽しみ」は、どちらもポジティブな感情を表す言葉です。違いがわかりにくいといわれることも多いので、ここでしっかりと確認しておきましょう。
「喜び」と「楽しみ」の違い①
「喜び」の意味は、「よろこぶこと。うれしく思うこと」。「楽しみ」の意味は、「たのしいと感じること。趣味や娯楽。たのしいこととして期待すること」です。
「喜び」は「嬉しい気持ち」や「満足した気持ち」になったときに使う言葉で、「楽しみ」は「愉快な気持ち」のときに用いる言葉です。
例えば、一生懸命努力して初めての契約が取れたとき、「喜び」を感じる人が多いのではないでしょうか。大変なことばかりで楽しいことがまったくなかったとしても、その努力が実れば人間は「喜び」を感じることができます。
「喜び」と「楽しみ」の違い②
「喜び」は瞬時に沸き上がりあまり長く持続しない感情で、「楽しみ」はじわじわと長く持続する感情ともいえます。
先ほどの契約の例なら、契約が取れた「喜び」は暫くすると落ち着き、その後契約が取れたことでボーナスをはずんでもらえそうだなど、「楽しみ」にする気持ちがわいてきます。
「喜怒哀楽」の由来
「喜怒哀楽」は、中国戦国時代の思想書『中庸』の最初の部分に書かれている、「喜怒哀樂之未發。謂之中。(喜怒哀楽を未だ発せざる、これを中という)」に由来する言葉といわれています。
この言葉は、「喜怒哀楽などの感情が起こる前の平静な状態は、精神がどちらにも偏っておらず過不足もない状態なので、『中』と呼んでいる」という意味。
『中庸』では、精神をこの『中』の状態や、「喜怒哀楽」が起きた場合も節度ある範囲に保ち安定した状態にしておくことが大切であると説いています。
「喜怒哀楽」を使うときは注意が必要
『「喜怒哀楽」の由来』の見出しの説明でも軽く触れましたが、「喜怒哀楽」がありすぎることはあまりいいことではないと考えられています。「喜怒哀楽」がありすぎる人は、自分で自分の感情のコントロールができず、周囲から浮きやすいためです。
また、現代では「喜怒哀楽」がなさすぎることも、人らしい感情がみえない冷徹な人という印象を周囲に与えかねないため、こちらもいいことではないと考えられています。
よくない意味合いで使われることも多い言葉なので、周囲の人や取引先の相手などに対して「喜怒哀楽」を使うのは、相手が気を悪くしないかよく考えてからにしましょう。
「喜怒哀楽」の使い方を例文で学ぼう
「喜怒哀楽」の意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。
・これまで多くの喜怒哀楽をたくさんのスタッフやお客様たちとともに感じてきたが、いよいよ明日閉店の日を迎える。
・彼はいつも飄々としていて、あまり喜怒哀楽が表に出ない。
・喜怒哀楽の表情をイラストで表現する練習をする。
・喜怒哀楽がないキャラクターを演じる。
・ジャニーズwestの「喜怒哀楽」は、歌詞からもメロディーからも元気がもらえることで人気の楽曲だ。
「喜怒哀楽」の類語・言い換え表現
「喜怒哀楽」の類語は、「感情」「気分」「機嫌」です。それぞれの意味や使い方をおさえておきましょう。たくさんの意味をもつ言葉は、「喜怒哀楽」の類語として使用するときの意味合いを紹介しています。
物事に感じて起こる心のはたらき。喜怒哀楽などの気持
【例文】
感情を揺さぶられる映画を紹介する。
心持。気持。ここち。ある期間持続する、比較的弱い感情の状態を表す。(例)不快、憂鬱、快活など
【例文】
上司が新人を指導しているが、教え方は彼の気分に左右されるため、見ていてかわいそうになってくる。
表情や態度に表れる気分の良し悪し。快・不快などの感情
【例文】
父親の機嫌をうかがい、おねだりするタイミングを探る。
「喜怒哀楽」は英語だと?
「喜怒哀楽」を英語で表すときは、「emotions」「feelings」を使います。
feelings:感覚、 触感、 知覚
「喜怒哀楽」は上手に使おう
「喜怒哀楽」は、「さまざまな人間の感情」を意味する言葉。
「喜怒哀楽」は、ありすぎるのもなさ過ぎるのもいいことではなく、人に対して使うときは批判的なニュアンスになるケースも多いです。
「喜怒哀楽」は、気を悪くする人がいないかよく考えてから使用するようにしましょう。