テクスチャーとはどんな意味?テクスチャー素材って?建築や化粧品など業界別の使い方も紹介

テクスチャーとはどんな言葉?

テクスチャーの基本の意味は「質感」です。

しかし、業界によっては少し異なるニュアンスで使われることもあるので注意してください。また、テクスチャーとは別の表記が使用される場合もあります。

テクスチャーを英語にしたときのスペルは「texture」です。意味が似ているカタカナ語には「マチエール」があります。

テクスチャーについて、さらにくわしくみていきましょう。

テクスチャーの意味は分野によって微妙に変わる

テクスチャーは、一般的に次のような意味の言葉として使われます。

テクスチャー
・ものの感触
・質感
・手触り

これらは金属や木、紙などあらゆる物体に対して使える意味です。

しかし、業界によってはここから意味が広がり、テクスチャーが少し異なるニュアンスで使用されている場合があります。

業界特有のテクスチャーの意味もおさえておきましょう。

IT業界でのテクスチャー

IT業界でのテクスチャーは、物体や物質、素材などの質感を表現するために、そのものの表面を模して作られた模様や図柄のこと。

質感を表現したり雰囲気を出したりするため、文書の背景や画像の一部などに貼り付けて使用します。

テクスチャーは、3Dグラフィックスでそのものの質感を表すためにも使われます。一般的にテクスチャーを多く使用するほど、よりリアルな表現にすることができます。

表記はテクスチャとする場合が多いので覚えておきましょう。

テクスチャー素材とは?フリーって?

物体の表面を模したテクスチャーは、テクスチャー素材とも呼ばれます。絵柄ではなく、写真をテクスチャー素材に利用するケースもあります。

また、無料で使えるテクスチャー素材もあり、そのような素材をフリーといいます。

建築業界でのテクスチャー

建築業界でのテクスチャーは、材料がもっている手触りや感触などの素材感のこと。壁や床など、空間の各所をどの材料を使って仕上げるかを表すために使われる場合が多いです。

テクスチャーを工夫することで、空間に変化をもたせ装飾できます。

化粧品業界でのテクスチャー

化粧品業界でのテクスチャーは、化粧品の中身自体がもっている質感のこと。触り心地や着け心地をテクスチャーといいます。

化粧品に触ったときに肌が感じる、「みずみずしい」「しっとり」「ねっとり」「さらさら」などの感触がテクスチャーです。

そのようなテクスチャーの化粧品を使った使用者がどう感じたかは「使用感」といいます。テクスチャーと使用感は似ていますが、両者を区別することもあるので注意しましょう。

テクスチャー:ねっとりした感触のクリーム
使用感:クリームを塗った後、使用者がべたべたすると感じた

ファッション業界でのテクスチャー

ファッション業界でのテクスチャーは、生地の織り方や表面の状態のこと。

視覚や触覚で感じる、「なめらか」「凹凸」「ざらざら」「ぬめり感」「硬い」「柔らかい」「ドレープ性」「厚い」「薄い」などの風合いがテクスチャーです。

生地の質感ではなく、生地そのものを指してテクスチャーという場合もあります。

テクスチュアと表記することも。

テクスチャード加工とは

テクスチャード加工とは、熱を加えるとやわらかくなって簡単に変形し、冷えるとその形で固まる化学繊維の性質を利用した加工法。

ナイロンやポリエステルなどに使われているフィラメント糸を温めてから、強いよりをかけ、冷ました後によりを戻すことで糸に細かい縮れを作る加工です。

テクスチャード加工をするとふっくらとかさが多い糸になり、その糸を織ると伸縮性のある生地を作れます。

食品業界でのテクスチャー

食品業界でのテクスチャーは、食べ物を食べるときに口腔内で感じる食品の性質、粗さ、滑らかさのこと。口当たり、舌触り、歯ごたえ、粒状感、喉ごしなどがテクスチャーです。

テクスチャーは、「もっちり食感」や「新鮮でシャキシャキ」などのように商品PRにも使われます。

音楽業界でのテクスチャー

音楽業界でのテクスチャーは、ある旋律を聞いたときに感じる印象のこと。音の重なりや旋律の組み合わせから感じる、音のイメージがテクスチャーです。

音楽業界では、テクスチュアと表記するケースが多いので覚えておきましょう。

テクスチャーの英語は「texture」

テクスチャーを英訳するときは「texture」という単語を使います。

texture
・織り方、織地、生地
・構造、組織
・質感、手触り、触感
・食感、かみ具合、歯ごたえ
・ザラザラした質感
・(複雑なものの)特性、本質
・(音楽の)テクスチャー
・(コンピュータの)テクスチャー

「texture」の語源は、「織物」を意味するラテン語「textus」や「織る」という意味のラテン語「texere」といわれています。

つまり、「texture」の本来の意味は織物や織り方。そこからニュアンスが広がって、感触や質感の意味でも使われるようになりました。

テクスチャーの使い方を例文で学ぼう!

テクスチャーはいろいろな分野で使われています。それぞれの分野での細かなニュアンスには違いがありますが、テクスチャーの意味はざっくり分けると「質感」「テクスチャー素材」「生地」の3つに大別することができます。

それぞれの意味でのテクスチャーの使い方を、例文でイメージしてみましょう。

「質感」の例文
・今度の新作はテクスチャーの精細度にこだわり、超リアルな映像を楽しめるゲームになっています。
テクスチャーの異なる建築パースを数パターン用意して、クライアントの好みを探ろう。
・商品のテクスチャーが伝わる、動画付きのクチコミサイトを運営しています。
・肌を優しく包み込む、ふわふわのテクスチャーで人気のバスタオルです。
・さまざまな生地を組み合わせて、多彩なテクスチャーを楽しめるドレスをデザインしました。
・レストランならではのテクスチャーを、自宅で簡単に再現できる冷凍食品です。
・もっと重厚でかっこいいテクスチャーの楽曲のほうが、CMのイメージに合うんじゃないか?
「テクスチャー素材」の例文
・この商品のパッケージには、ハンドメイドっぽいイメージのテクスチャーを使いたいんだ。
・複数のテクスチャーを使い、リアルな風景を再現しました。
・玄関に御影石のテクスチャーを使用した建築パースが好みのようだ。
「生地」の例文
・さまざまなテクスチャーを組み合わせて、多彩な表情をもつドレスに仕上げています。
・上品な桜柄のテクスチャーで、入学式や卒業式にぴったりのお着物です。

テクスチャーの類語は「マチエール」

テクスチャーの類語は「マチエール」です。

もともとは「材料」「材質」「素材」という意味の言葉ですが、絵画や彫刻など美術の世界では対象物の表面の質感を意味して使われています。

テクスチャーと同じようなニュアンスですが、絵の具を使った絵画やデザインの話だと「マチエール」を用いるケースが多いです。

テクスチャーはシチュエーションによって意味が変わる言葉

テクスチャーは「ものの感触」や「質感」の意味で使うことが多い言葉です。しかし、業界によっては異なる意味で用いられる場合もあります。

テクスチャーが会話に登場したら、今どんな話をしているのかを考えて意味を推測してみましょう。

話の流れから「質感」ではなさそうと判断したら、後は「テクスチャー素材」か「生地」の2択です。ITや建築関係の話なら「テクスチャー素材」、ファッション系なら「生地」のように意味を絞っていくと正解にたどり着きやすくなりますよ。

テクスチャーの意味に迷ったら試してみてください。