「より一層」の意味とは?「より一層楽しみ」は正しい表現?例文、類語、英語も紹介

「より一層」とは「これまで以上に」ということ

「より一層」とは、「これまで以上に」や「さらに」を意味する言葉で、主にフォーマルな場で使われる言葉です。「より一層のご活躍を…」「より一層精進…」など、あとに続ける言葉をより強く表現する際に使いますが、目上の人には使えない言葉もあるので注意が必要です。

本記事では、意味や例文のほか、類語や英語表現についても紹介します。正しく使いこなせるようしっかり覚えていってください。

「より一層」の読み方・意味

「より一層」は「よりいっそう」と読みます。「より」と「一層」の2つをあわせた言葉で、それぞれに「今よりももっと」「さらに」など、「前よりも程度が増している」という意味をもっています。それら2つをあわせることで、「今よりもっと」のニュアンスをさらに強める効果があります

「より一層」の使い方・例文

ビジネスシーンでよく遭遇する「より一層」を使った表現には、次のようなものがあげられます。

より一層の注意を払って
より一層精進してまいります
より一層のご活躍を
より一層気を引き締めて

これらのほかにもいろいろと使い方があるので、例文を使って紹介していきます。

例文1
より一層の注意を払って作業を進めてください。
なにか作業ミスや事故が起こった際によく使われる言葉で、「これまで以上に注意してください」という意味になります。

例文2
・3年間の研究成果が実り、このたび商品化が実現しました。この功績に満足せず、より一層精進して参ります。
この例文は、「研究結果を評価されたが、これに満足せず、今まで以上に一生懸命努力していきます」という意味になります。

「精進していきます」としても使い方としては正しいですが、敬語(尊敬語)の「参ります」にするほうがより丁寧な表現になります。

例文3
より一層のご活躍を心からお祈り申し上げます。
転勤していく人、退職して新しい仕事に就く人などに対し、「今後も、これまで以上に活躍されることを心から祈っています」という意味をもって使う言葉です。

例文4
来年から新社屋へ移転となりますが、より一層気を引き締めて業務に取り組んでいってください。
どちらかをいえばポジティブなニュアンスの言葉で、新しいことを始める、新年度を迎える際などの挨拶でよく使われます。

「より一層」を使う際に注意すべき点

より一層のご活躍を期待しています」は、「今後さらに活躍することを期待する」、「より一層の活躍を楽しみにしています」は、「今後さらに活躍することを楽しみにしています」を意味します。

「より一層」の使い方としては正しいです。しかし、「活躍」に「ご」をつけることで敬語(尊敬語)になっているものの、「期待している」「楽しみにしている」は、目上の人が目下の人に使う言葉です。

ビジネスシーンにおいて、上司に使うのは失礼にあたるので注意しましょう。

「より一層」の類語・言い換え表現

「より一層」と似た意味をもつ言葉は比較的多く存在します。フォーマルな場に適している硬い表現、会話に使いやすいカジュアルな表現にわけていくつか紹介します。状況に応じて使い分けましょう。

硬い表現の類語
・更なる
・一段と
・益々
カジュアルな表現の類語
・もっと
・さらに
・今以上

「より一層」の英語表現

「より一層」を英語で表現する場合、「further(=さらに)」「even further(=さらにもっと)」「even more(=さらにもっと)」などを使います。

・We will make futher efforts to satisfy our customers.
(私たちは、お客様に満足いただけるよう、より一層努力をして参ります。)
・I intend to increase business still more.
(私はより一層ビジネスを大きくしていくつもりだ。)
・I pray for even further success.
(より一層のご活躍をお祈り申し上げます。)

「より一層」の意味を理解し正しく使おう!

「より一層」は、会話の中で「もっと」や「さらに」の代わりに使うのは硬い表現ですが、ビジネスシーンにおいて、なんらかの挨拶や、公式文書などのフォーマルな場面ではよく使う言葉です。ただし、あとに続く言葉によっては目上の人に使うと失礼にあたる場合もあるので、意味と使い方を正しく理解しておきましょう。