「存じます」とはどんな言葉?
「存じます」の意味は、「思う、考える」「知っている」です。
「思う、考える」の意味で「存じます」を使うときの類語は、「思います」「拝察いたします」。「知っている」の意味のときの類語は、「承知しております」「心得ております」です。
英語で表すときは、「hope」「would like to」「think」「would appreciate it if you」を使います。
「存じます」とはどんな意味?読み方は?
「存じます」の読み方は「ぞんじます」。次の意味をもつ言葉です。
・知っている
「存じます」は、「思う、考える」「知っている」の謙譲語「存じる」に、丁寧語の「ます」を加えた敬語表現です。
話し言葉、書き言葉どちらにも向く言葉なので、メールや手紙などにも使用できます。
「存じます」はビジネスで使える敬語
「存じます」は正しい敬語表現なので、ビジネスでも使えます。
ただし、上司や取引先の人など、目上の相手に向くへりくだった表現なので、自分と対等な立場や目下の相手には向きません。
「存じます」と「存じ上げます」
「知っている」の意味の「存じます」は、人間以外のものやことに関する情報を知っているといいたいときに使います。
人に関する事柄を知っているというときは、「存じ上げます」を使用してください。「存じ上げます」は、「存じます」にへりくだるニュアンスを強める「上げる」をプラスし、さらに丁寧さをアップした言葉です。
「存じます」の使い方を例文で学ぼう
「存じます」のよく用いられる言い回しの、意味と使い方をおさえておきましょう。
「頂きたく存じます」と「いただきたく存じます」
「頂きたく存じます」と「いただきたく存じます」は、相手に何かを丁寧に要望、要求するときに使う表現です。
「頂く」と「いただく」は、意味が異なります。そのため、「頂きたく存じます」と「いただきたく存じます」も意味が違っており、使い分けが必要です。
「頂きたく存じます」
「頂きたく存じます」の「頂く」の意味は、「食べる」「飲む」「(何かものを)もらう」。
「頂く」を使った「頂きたく存じます」は、「(何かを)欲しいと思っています」という意味になります。
・今週中にお返事を頂きたく存じます。
「時間」や「返事」をもらいたいといっているので、「頂きたく存じます」と漢字表記します。
「いただきたく存じます」
「頂く」をひらがなで「いただく」と表記したときの意味は、「~してもらう」「~させてもらう」です。
「いただく」を使った「いただきたく存じます」は、「~してもらいたいと考えています」「~させてもらいたいと思っています」という意味になります。
・停車中はエンジンをお切りいただくなど、近隣住民の皆様のご迷惑とならないよう、ご配慮いただきたく存じます。
これらの例文は、ものをもらいたいといっているわけではないので、ひらがなで「いただきたく存じます」と表記します。
「いただければと存じます」
「いただければと存じます」は、「~してもらえたらと思います」という意味の表現です。
仮定の意味をもつ「れば」を使用することで、要求度を低くし、するかしないかは相手に任せるという控えめなニュアンスを出しています。
・また何かございましたら、お気軽にお声がけいただければと存じます。
「かと存じます」
「かと存じます」は、推測のニュアンスを付け加える「かと」を使った表現で、「~だろうと思います」という意味です。
・ご不便をおかけすることもあるかと存じますが、ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。
「存じております」
「存じております」は、「存じます」を「知っている」の意味で使っている表現で、「知っています」という意味です。
人に関する事柄を「知っている」というときに使う「存じ上げます」の場合は、次のような文になります。
「存じます」の類語・言い換え表現
「存じます」は、「思う、考える」と「知っている」の大きく分けて2つの意味がありますね。意味が異なるため、言い換えるときは意味に合う類語を選んで使う必要があります。それぞれの意味での類語を頭に入れておきましょう。
【例文】
お会いできてうれしく思います。
【意味】
「相手の事情や心中を推察する」を丁寧にいう表現
【例文】
皆様方におかれましては、ますますご清栄のことと拝察いたします。
【意味】
・わかっています
・知っています
【例文】
その件につきましては承知しております。
【意味】
十分理解・把握しています
【例文】
すべて心得ておりますので、安心してお任せください。
「存じます」は英語だと?
「存じます」を英訳するときは、次のような表現を使うとニュアンスを表せます。
would like to:~したいと思う
think:~と思う
would appreciate it if you:~していただけるとありがたい
伝えたい意味合いに近いものを選んで使用してください。
「存じます」と類語をうまく組み合わせて使おう
「存じます」は、「思う、考える」「知っている」をへりくだったニュアンスで表現できる敬語です。
目上の相手にぴったりな言葉ですが、一連の会話や文章のなかで使いすぎるとくどい印象になります。また、へりくだりすぎて嫌味に聞こえてしまう場合もあります。
紹介した類語とうまく組み合わせて、違和感のない表現ができるようになりましょう。