「乞うご期待」とはどんな言葉?
「乞うご期待」の意味は、「期待していてね」です。
類語は、「ご期待ください」「次回もお楽しみに」。
英語で表すときは、「Stick around」「Don’t miss it」などの表現を使います。
「乞うご期待」とはどんな意味?読み方は?
「乞うご期待」の読み方は、「こうごきたい」。次の意味をもつ言葉です。
「乞うご期待」の「乞う」は、「ものを与えてくださいと他人に求める。また、何かをしてくださいと願う」という意味があります。
つまり「乞うご期待」は、何かを期待してくださいと願う言葉。「期待していてほしい」「期待をしていてください」のようなニュアンスで呼びかけるときに使います。
「期待していてね」よりも畏まった堅めの表現のため、書き言葉で使われることが多いです。「請うご期待」と表記されるケースもあります。
「乞うご期待」の由来
「乞うご期待」は、昭和30年代に映画館で使われていた言葉が由来といわれています。
当時の映画館では、映画本編の合間に次回上映される予定の映画の予告映像が流されており、その最後に「〇月△日上映開始!乞うご期待!」の宣伝文句が大きく表示されていました。
この予告文の効果が大きかったことから、各地の映画館でも「乞うご期待」が使われるようになり、一般に浸透していったといわれています。
「乞うご期待」は敬語としては使いにくい
「乞うご期待」は、通常の言い方ならば「ご期待を乞う」となるところを、動詞を先にもってくる倒置法を使って意味を強調した表現です。日本語の一般的な語順である「ご期待を乞う」で考えると、言い切りの形になっているため目上の相手には向きません。
また、一般的な日本語の文法から外れた語順で使われていることも、「乞うご期待」が敬語に向かないと考えられている理由です。
「乞うご期待ください」は間違い
丁寧な言い方をしようと「乞うご期待」に「ください」をつなげて、「乞うご期待ください」という言い方をしている人もいます。
しかし、「乞うご期待ください」は間違った表現です。
「乞うご期待」は何かを期待してくださいと願う言葉で、単独で使っても「期待をしていてください」のニュアンスを表せるため、「乞うご期待ください」とすると「ください」の意味が2つ重なってしまいます。
「乞うご期待」の使い方を例文で学ぼう
一般的な日本語の語順とは異なる「乞うご期待」は、見る人に強いインパクトを与える表現です。どのような使い方をされているか、例文でイメージしてみましょう。
次回予告や宣伝で使う
「乞うご期待」は、イベントの宣伝や連載されているマンガ、連続ドラマの次回予告などでよく使われています。
・連載200回を記念してイラストコンテスト開催予定!詳細は次週、乞うご期待!
サプライズの追及をかわすときに使う
「乞うご期待」は、秘密にしている何かいいことがバレかけて追求されそうになったときなどに、内容をはぐらかして返事をする言葉としても用いられています。
B:今はまだ教えられないよ。乞うご期待ということで!
「乞うご期待」は相手の期待をあおる言葉です。「乞うご期待」といわれたのに大したことがないものを見せられたら、相手は期待していた分だけがっかり感が大きくなってしまいます。「乞うご期待」は、そのものの内容に自信があるときのみ使うようにしましょう。
頑張っている人を褒めるときに使う
「乞うご期待」は頑張っている相手に対して、「いい結果を期待しているよ」と激励のニュアンスで声がけするときにも使用されています。
「乞うご期待」の類語・言い換え表現
「乞うご期待」の類語は、「ご期待ください」「次回もお楽しみに」です。次のように使います。
・本日はここまで、次回もお楽しみに!
目上の相手に用いるときは、「ご期待いただきたいと思います」や「ご期待は裏切りません」などの表現も使用できます。
「乞うご期待」は英語だと?
「乞うご期待」を英語で表すときは、次のような表現を使います。
Stay tuned:そのまま待ってて、チャンネルはそのままで
Don’t miss it:お見逃しなく
Don’t go away:ほかには行かないで
There is more to come:今後もっと新しいお話がありますよ、まだまだこれからだ
Coming soon:近日公開
Look forward to it:楽しみにしていてね
ちなみに、中国語で「乞うご期待」というときは、「敬請期待(jìng qǐng qī dài)」と表記します。
「乞うご期待」はここぞというときに使おう
「乞うご期待」は、「期待していてね」をちょっとかっこつけていえる言葉です。ビジネスでも使うことができますが、相手の期待を高める表現のため、中身が相手の期待値以下だった場合がっかり感も倍増されてしまいます。
「乞うご期待」は、本当に自信のあるときに使うようにしましょう。