「下手の横好き」とはどんな言葉?
「下手の横好き」の意味は、「下手にもかかわらずその物事をとても好み熱心なこと」です。
類語は、「旦那芸」「下手の物好き」。反対の意味のことわざは、「好きこそ物の上手なれ」です。
英語で表すときは、「dabster」などの表現を使います。
「下手の横好き」とはどんな意味?読み方は?
「下手の横好き」の読み方は「へたのよこずき」。次の意味をもつことわざです。
「下手の横好き」には、由来といわれるような語源はありません。
ことわざを構成している言葉の意味を考えると、「下手の横好き」のニュアンスをより深く理解できるので考えてみましょう。
「下手の横好き」は趣味に対して使う言葉
「下手の横好き」の「横」は、「無関係の立場」「端(はた)」「わき」などの意味があり、本筋・本業から外れているというニュアンスを表しています。
つまり、「下手の横好き」は仕事としてしていることではなく、趣味として楽しんでいる事柄に対して使う言葉です。
「下手の横好き」といわれるのはこんな人
「下手の横好き」の「下手」は国語辞典を引くまでもないかもしれませんが、何かをするのが「上手ではない」という意味。「好き」はそのことを「好んでいる」という意味。つまり、「上手でなくてもそれをすることを好んでいる」のが「下手の横好き」です。
「下手の横好き」といわれるような人は、その事柄をするのが好きという気持ちが強いので、下手なまま一向に上達する気配がなくてもそれをし続けることを「つらい」とは感じていません。
自分の才能のなさを嘆くようなことはなく、下手な自分がそれをすることを他人にどう思われてもあまり気にしません。好きな事柄に夢中になり、成果が出なかったとしても努力し続けられる人を「下手の横好き」と呼びます。
「下手の横好き」の使い方と例文
「下手の横好き」は、自分や親しい身内に対して使うときと、他人に対して用いるときでニュアンスが大きく変わってきます。
それぞれの意味合いと使い方を、例文を通してイメージしてみましょう。
自分や親しい身内に対して使うとき
「下手の横好き」を自分や親しい身内に対して使うとき、そこには謙遜のニュアンスが含まれています。
「自分や身内の腕前はそれほどでもない。上達はしないけれど、好きだから長く楽しんでいるのだ」というような意味合いで使われます。
・体を壊し、下手の横好きのテニスもすることができなくなってしまった。
・下手の横好きながら細々と作曲を続け、ネットで発表している。
自分や身内の趣味を褒められたときの返し方としても覚えておくと、仕事の合間の雑談などで役に立ちます。
B:下手の横好きレベルですが、楽しんでいただけたら幸いです。
他人に対して使うとき
「下手の横好き」を他人に対して使うと、悪口や陰口になります。
「上達しないのに諦め悪く長年続けている」「下手なくせに熱心だ」などの、相手を馬鹿にするニュアンスで使われます。
相手に聞かれたら気を悪くさせる可能性が高いので、他人のことに対して「下手の横好き」を使用するのはおすすめしません。
「下手の横好き」の類語・言い換え表現
「下手の横好き」の類語は、「旦那芸」と「下手の物好き」です。それぞれの意味や使い方をおさえておきましょう。
金持や商家の主人が、慰みに習いおぼえる芸事
※お金持ちに対して使う言葉
【例文】
当時、カメラは裕福な趣味人によって楽しまれる旦那芸だった。
「下手の横好き」と同じ意味
【例文】
下手の物好きでピアノを習っている。
「下手の横好き」の反対のことわざ
「下手の横好き」の反対の意味のことわざは、「好きこそ物の上手なれ」です。
何事も、楽しんでやるからこそ上手になる。いまは未熟であっても、好きならばおのずと熱中できるから上達する望みがある
【例文】
好きこそ物の上手なれで、好きなことを仕事に選んだことが成功につながった。
「下手の横好き」は英語だと?
「下手の横好き」を英訳するときは、次の表現が使えます。
I am not good at ~ but I like it.:~は得意ではないけど好きです。
I like to but I’m not very good at it.:好きなんだけど、苦手なんだよね。
I am loving ~ but being very bad at it.:私は~が大好きですが、とても苦手です。
どの表現を使っても「下手の横好き」と同じ、「下手だけど好き」というニュアンスを表すことができます。
「下手の横好き」は自分のことで使おう
「下手の横好き」は、「下手だけれども好きで長く続けている」というニュアンスで使われることわざです。
自分や親しい身内の趣味の腕前に対して、謙遜のニュアンスで使用するのが一般的。他人に対して用いると、「下手なくせに熱心だ」と馬鹿にする意味合いになってしまうので注意しましょう。
他人の趣味についていうときは、反対の意味をもつ「好きこそ物の上手なれ」を使うことをおすすめします。