アプライとは?アプライドとは違う?分野ごとの意味、使い方、関連語も紹介

「アプライ」とは「志願する」こと

アプライは「志願すること」を指して使われることが多いですが、ほかにも「応募する」「申し込む」を意味する場合もあります。このように、場面によって使い方が異なる言葉は、正しく解釈できなければ、会話が嚙み合わないことがあるので、意味をきちんと覚えておく必要があります。そこで、本記事では分野ごとの「アプライ」の意味や使い方のほか、関連語、言い換え表現、英語などもわかりやすく紹介します。

「アプライ」の英語は「apply」

「アプライ」は、英語で「apply」と表記し、日本でよく使われている「志願する」「応募する」「申し込む」を含め、このようにたくさんの意味をもつ単語となっています。

applyの他動詞の意味

・適用する
・応用する
・生かす
・当てる
・塗布する
・作動させる
・(熱などを)加える
・(心を)傾ける
・(技などを)かける など

applyの自動詞の意味

・適用される
・適合する
・申し込む
・申し込みをする
・応募する
・申請する
・出願する
・専念する など

英会話の中ではさまざまな使い方をするのですべては紹介できませんが、比較的ポピュラーな会話文をいくつか紹介しておきます。

・I decided to apply to this company.
(この会社に応募することにしました。)
Apply for next month’s expenses.
(来月分の経費を申請する。)
Apply varnish to the damaged table.
(傷んだテーブルにニスを塗る。)
・These conditions do not apply to me.
(これらの条件は私には当てはまりません。)

日本語においての「アプライ」とは

英単語としての「apply」にはたくさんの意味がありますが、日本でカタカナ用語として使われる「アプライ」は、主に「志願する」「応募する」「申し込む」の意味で使われています。しかし、これらとは別の意味の場合もあるので、前後の文脈で判断しなければなりません。

「アプライ」の意味

・志願する
・応募する
・申し込む
・申請する
・当てる
・焦点を当てる
・当てはめる
・適用する など

分野によっても「アプライ」の意味が異なる

アプライの主な意味は前述しましたが、ビジネス、生物、研究など、分野によっても意味合いが異なってきます

アプライの意味①ビジネス

ビジネスシーンにおいての「アプライ」は、「申請する」「適用する」の意味で使うことが多いです。また就職の際には主に「応募する」ことを指します。

例文

①今度の講習会のアプライはちゃんとやったのか?
アプライを忘れていてセミナーの募集人員がいっぱいになってしまった。
③この経費はサンプル購入代金としてアプライされるのか確認したほうがいいと思う。
④倍率は高いがA社にアプライしてみることにした。

例文の①②は「申請する」、③は「適用する」、④は「応募する」の意味で「アプライ」が使われています。ただし、「アプライ」は口語として用いるのが一般的なので、書面では「申請する」「応募する」などと表現するほうがいいです。

アプライの意味②生物・化学

生物学や化学の分野での「アプライ」は「注入する」を意味しており、頻繁につかわれている用語です。

例文

・テスト液のアプライ量が多すぎて、正しい数値が出なかった。
・サンプルをアプライする。
アプライする容量を見直す必要がある。

アプライの意味③研究用語

研究用語としての「アプライ」は、生物学・化学と同じく「注入する」のニュアンスで使われます。特に、バイオ研究に、タンパク質やDNAを分離する手法として「電気泳動」というものがあります。その際、ゲルを用いるのですが、ゲルの中に試薬やマーカーを入れる作業を「アプライ」と呼んでいます。

例文

・今日の授業では電気泳動のアプライを体験した。

アプライの意味④占星術用語

占いのひとつである占星術の用語の中にもアプライがあります。日本語では「接近」を意味しており、2つの天体が正確なアスペクト*を形成するために徐々にその角度に近づくことを指す言葉です。(アスペクト*:惑星(感受点)同志が作る角度のこと。その角度の中で特定のエネルギーの流れが発生するとされている。)

「アプライ」の類語・言い換え

アプライを日本語で言い換える場合は、物事の募集に対して申請の意志を伝える意味として、「応募」「志願」「申し込み」などがあります。どれが適切かは状況によって異なるのでその場に応じた使い分けが必要です。

「アプライ」の関連語

「アプライ」には、似た意味や言葉のものがあるので、混同しないよう注意が必要です。ここでは比較的よく目にする言葉をピックアップして紹介します。

アプライド

「アプライド」は英語で「applied」と表記し、「apply」の形容詞で、意味は次のとおりです。

appliedの意味

・実際に適用された
・応用された
・適合された など

アプライドを用いた言葉の中に「アプライドモデル」があります。これは、特にスバルの車に多く使われており、頻繁にマイナーチェンジされる車の、基本となる車両型式番号です。この番号から車種・型式・排気量などのデータがわかるようになっています。

アプライアンス

「アプライアンス」とは、特定用途向けに設計・開発された機器という意味で、主にIT用語の略語として使われています。正式名称は分野で異なり、特定の用途としてプログラムされたサーバであれば「アプライアンスサーバ」、医療機器であれば「メディカルアプライアンス」です。

アプライト

「アプライト」とは、有色鉱物がほとんど含まれていない、細かい粒の火成岩(かせいがん)*のことをいいます。組成が広く、花崗岩(かこうがん)と似ていることから「半花崗岩とも呼ばれています。(火成岩*:マグマが冷えて固まってできた岩石のこと。)

そのほか、金属素材に強い圧力をかけて加工する、「プレス機械」の主要構成部位であるフレームの側柱部分を指す場合もあります。製造業で「アプライト」という言葉が出てきた場合は、ほとんどの場合、火成岩ではないので、間違わないようにしましょう。

「アプライ」の意味を理解して正しく使いこなそう

英語でも、日本語でも、「アプライ」にはたくさんの意味があります。どのようなことを指しているかは状況や会話の内容で異なるので、正しく解釈するためにも意味はきちんと覚えておきましょう。