チームマネジメントとは?ビジネスで重要な理由や意味、例文も紹介

「チームマネジメント」とは「チーム力を強化し目標を達成しやすくする」こと

「チームマネジメント」とは、チームの中心となる人が、チーム全員が最大限の力を発揮できるような環境整備をし、目標達成へと導きやすくすることをいいます。チーム力が強化されると、目標達成が利益の向上につながるため、企業発展には必要不可欠な要素です。

そこで、本記事では、「チームマネジメント」とは、具体的に何をすればいいのかや、必要なスキルのほか、類語、言い換え表現などについてもわかりやすく紹介します。

「チームマネジメント」の英語は「team management」

「チームマネジメント」は、英語で「team management」と表すことができますが、日本でカタカナ用語として使われている「チームマネジメント」のニュアンスとは異なります。

英語の「management」は、英語圏では「管理」「経営」の意味で使われていますが、日本のビジネスシーンにおいての「マネジメント」は、「組織に成果を挙げさせるための機能や役割である」という、ドラッカー*理論に準じたものになっています。(ドラッカー*:マネジメントの父と呼ばれたアメリカの経営学者。ピーター・ファーディナンド・ドラッカー。)

日本においての「チームマネジメント」とは

「チームマネジメント」は、組織の管理や経営をするということではなく、企業など、組織が掲げる目標達成に向け、チーム全員が最大限の力を発揮できるよう、チームリーダーが環境整備をし、目標達成へと導きやすくすることを意味する言葉です。

「チームマネジメント」を行うことは、生産性の向上のためだけでなく、「従業員の離職防止」「多彩な人材活用」にも効果を発揮するといわれているため、積極的に導入している企業も増えています。

チームマネジメントが「従業員の離職防止」に繋がる理由

一人の従業員に業務量が増えすぎないよう調整したり、不満が蓄積したりしないよう、リーダーになる人が配慮することで、働きやすい環境が整います。また、働きやすくなると、従業員同士の信頼関係も生まれてくるため、離職率が下がるといわれています。

チームマネジメントが「多彩な人材活用」に繋がる理由

チーム内で多彩な意見や発想が生まれるようにするためには、いろいろな個性の人材を集めなければなりません。企業によっては、契約社員や時短勤務の従業員を採用している場合もあり、さまざまな雇用形態の人材を集めると、価値観なども異なります。そのため、新たな発見が生まれやすくなり、企業の発展にもつながっていきます

「チームマネジメント」の具体例

「チームマネジメント」は、チームをまとめ、組織の利益を生み出すための行動を起こすことですが、具体的にはどのようにすればいいのでしょうか。

目標を明確にする

個人で目標をもって仕事を進めていくのはもちろんいいことですが、まずはチームとしての目標を明確にし、全員で共有しておきましょう。全員が同じ方向に向かっていくことで結束力が強くなり、チームの中でどのように動くべきかを考えるようになります。結果、個人としての実力が向上し、目標達成、利益アップにもつながるわけです。

コミュニケーションを大切にする

団体というものが苦手な人はチームを組んでも孤立しがちで、言いたいことを言えない場合が多いです。チーム内でさまざまな意見がでるようにするためには、何でも言い合える信頼関係を築くことが大切です。

リーダーが動きすぎないようにする

リーダーには、行動力や能力がある人が抜擢されることが多いでしょう。ですので、自身で動いたほうが早いと思ってしまうかもしれません。しかし、リーダーが動きすぎると、ほかのメンバーの意欲が薄れやすくなるだけでなく、成長する機会まで失わせることになります。ですので、アドバイスをしながら、メンバーにできるだけ動いてもらうようにしましょう。

出された意見を否定しすぎない

多くの人は、意見を出す度に反対されれば、「どうせまた反対するよね?」と思い、次第に何も言わなくなるものです。「それは明らかに違う」という意見が多く出されても、頭から反対はせず、一度はしっかりと聞き入れ、十分に話し合う場を設けるようにしましょう。

小さな情報も共有する

どんな小さなことでも自分だけが知らない情報があるというのはいい気がしません。それだけでなく、情報が行き届いていないことで間違った方向に進む可能性もあります。チーム内でコミュニケーションをとり信頼関係を築きながら、全員で同じ目標に向かうためにも、情報は共有するようにしましょう。

「チームマネジメント」に必要なスキルとは?

チームマネジメントは、経験、実績、行動力、統率力があれば、特別な資格は必要ありません。しかし、リーダーの仕事を効率よくこなすためには、できればマネジメントのスキルは身に着けておきたいものです。企業内によってはマネジメント研修を取り入れてる場合がありますが、社内研修だけでなく、外部で知識の習得やスキルアップを図ることもできます。

JMAM(ジェイマム)

JMAM(ジェイマム)は、株式会社日本能率協会マネジメントセンターが運営する、人材育成支援システムです。「チームマネジメント基本コース」のほか、「リーダーシップ発揮のための7ステップ」「マネジメント基本コース」など、マネジメントや組織のための研修が受講できるようになっています。
(データ参照元:JMAM(ジェイマム) チームマネジメント基本コース

リクルートマネジメントスクール

リクルートマネジメントソリューションズが運営する、リクルートマネジメントスクールでは、リーダー研修、中堅社員研修、管理職研修、若手社員研修など、さまざまな研修メニューが用意されています。公式サイトでは、「チーム力・組織力の向上」「次世代リーダーの人材育成」など、課題・テーマから研修内容を選択することが可能です。
(データ参照元:リクルートマネジメントスクール

介護分野でも重要な「チームマネジメント」

介護の分野においても、利用してもらって利益を上げるためにチームマネジメントが重要とされています。しかし、一般の企業とは違い、日常生活を自力で行うことが困難な利用者という存在があり、利用する人が快適に過ごすためにチームマネジメント力を発揮しなければなりません

目標とすること、情報の内容などは、介護特有のものになりますが、具体的にどのようにするのかは、一般企業のチームマネジメントとあまり違いはないので、前述した「チームマネジメントの具体例」を参照してください。

「チームマネジメント」の使い方・例文

「チームマネジメント」は、意味がわかれば会話や文章で使うのは難しくないですが、参考までに例文を紹介しておきます。

例文
・チームリーダーに選出されることになったので、チームマネジメント研修を受けた。
チームマネジメントが上手くいかなかった大きな理由はリーダーが独断で進めすぎたからだろう。

「チームマネジメント」の類語・言い換え

「チームマネジメント」は、「チーム力を強化し目標を達成しやすくする」ことを指す言葉で、日本語で言いかえる場合は、「チームをまとめる」「かじ取りをする」などになりますが、カタカナ用語で似た意味を持つ言葉には「リーダーシップ」があります。

「チームマネジメント」と「リーダーシップ」の違い

「リーダーシップ」は、「指導者の任務、力量、統率力」を意味する言葉です。チームの目標を立て、達成のためにチームを引っ張っていく点においては「チームマネジメント」と同じです。しかし、「リーダーシップ」は、「組織の管理」「組織の維持」「リスク回避」「業務改善」など、「マネジメント」部分は重要視されません

「チームマネジメント」を成功させ業績アップにつなげよう

チームマネジメントが上手くいっていなければ、業務効率も落ち、成果を上げることができず、業績アップにもつながりません。リーダーになった人はもちろんのこと、チームの一員になる場合も、チームでの動き方が理解しやすいので、「チームマネジメント」がどのようなものなのかを知っておくようにしましょう。