ノンバンクとは?銀行との違い、メリット・デメリット、企業一覧も紹介

「ノンバンク」とは「銀行以外の金融機関」のこと

「ノンバンク」とは、銀行以外の金融機関のことで、一般的には、預金業務は行わず、融資を専門に行う金融機関を指します。融資専門というと、消費者金融が頭に浮かぶ人が多いと思いますが、それ以外にも存在しており、さまざまな点で銀行との違いがあるんです。本記事では、ノンバンクの詳しい意味や銀行との違いのほか、どんな企業があるのかについてもわかりやすく紹介します。

「ノンバンク」の英語は「nonbank」

「ノンバンク」は英語では「nonbank」と表記し、「非銀行系金融機関(の)」という意味をもつ単語として使われています。英語の「bank」は、「銀行」のほかに、「食糧や血液などの貯蔵所」「お金を預ける」の意味があり、それに否定を表わす「non」をつけることで、「お金を預けるところではない」と解釈できるわけです。

しかし、英語圏の人に伝える場合は、「financial Institution=金融機関」をつけ、「fnonbank inancial Institution」としたほうが理解されやすいです。

日本においての「ノンバンク」の意味とは

「ノンバンク」とは、多くの人がお金を預けている一般的な銀行とは異なり、お金を貸す「融資業務」を専門に行う金融機関のことで、代表的なものとしては、クレジットカード会社、信販会社、消費者金融、リース会社があります。それぞれの特徴は以下のようになっています。

クレジットカード会社

クレジットカードを発行している会社で、入会審査、入会手続き、会員管理のほか、ポイントプログラムなどの付帯サービスの提供を行います。なお、クレジットカード会社が直接発行しているカードは「プロパーカード」百貨店、コンビニ、ガソリンスタンドなどが発行しているカードは「提携カード」です。現在では、キャッシング機能がついているのが一般的となっています。

信販会社
商品代金の立て替えなどの販売信用を主な業務とする会社で、各種ローンやクレジットカードの発行などを行っています。
(例)
お風呂場リフォームの代金80万円を60回払いにするため、〇〇会社宛ての分割払いの手続きをしてもらった。
消費者金融
「貸金業法」に基づき、一般消費者向けに融資を行っている金融業者のことをいいます。利用者は主に個人ですが、事業者向けにビジネスローンを用意している企業も多いです。
リース会社

企業に対し、機械や設備などを長期で貸し出すことを業務としている会社が「リース会社」です。ユーザーが必要な物を購入する代わりに、リース会社から借りて利用する仕組みですが、お金(資産)を借りて物を購入したのと同じようになることから、金融業と一つに分類されています。

「ノンバンク」と銀行の主な違い

お金を融資する点において、「ノンバンク」と銀行には大きな違いは次の5つです。この違いを把握していれば、分類上「ノンバンク」になるのか「銀行」になるのかが明確に判別できるようになります

①「法律」の違い

ノンバンクは「貸金業法」、銀行は「銀行法」に基づき運営されています。大きな違いは「総量規制」の有無です。「総量規制」とは、貸金業者から借りられるお金の上限を規制するもので、銀行法にはなく、多くの場合、各銀行で独自の規制が作られています。

②「融資スピード」の違い

「ノンバンク」は、借入金額によっても差がありますが、銀行と比べ、融資決定までのスピードが速い傾向にあります。大手の消費者金融になると、無人のATMを設置しているところもあり、審査時間が最短で30分の場合もあるので、急にお金が必要になったときには便利です。

③「収入の基準」の違い

銀行での融資の場合は、借り入れる人に安定した収入が必要ですが、「ノンバンク」の場合は、配偶者に安定収入があれば審査に通る場合があります

④「貸付上限」の違い

ノンバンクは「貸金業法」をもとに運営しており、大きな特徴は「総量規制」があるということです。これにより、年収の3分の1以上の貸し出は法律で出来ないことになっています。一方、銀行では法律の中に上限はなく、各銀行で上限を設定していることがほとんどです。

⑤「金利」の違い

「ノンバンク」は、銀行と比較すると、審査が緩く借りやすいかもしれませんが、金利が高いのが一般的です。

「ノンバンク」は法人融資も可能?

「ノンバンク」の融資は個人向けという印象が強いかもしれませんが、実は法人の借り入れも可能なんです。ただし、法人融資の場合は「ビジネスローン」となり、個人の審査内容とはことなり、金額によっては保証人などの条件が変わってきます。ですが、銀行よりも審査が緩いので、小さな企業や個人店での一時的な事業資金調達には便利です。

「ノンバンク」のメリット・デメリット

実際にお金を借りたい人にしてみれば、銀行よりも融資がうけやすい「ノンバンク」にはメリットしかないように思えるかもしれません。しかし、デメリットも理解したうえで利用しなければ取返しのつかない状況に陥るかもしれないので注意が必要です

メリット

一番のメリットは、「審査が緩い」「審査から融資までの期間が短い」ことでしょう。少額であればATMの利用で30分程度で融資されることがあるので、緊急でお金が必要になった人にはとても便利だといえます。

デメリット

ノンバンクでの大きなデメリットは「金利が高い」ことでしょう。法律で金利の上限が設けられているものの、10%を超えることも多いということを忘れてはいけません。例えば、金利15%で50万円を借り、25ヵ月で返済する場合、「500,000×0.15÷365」で、一日あたりの金利は約205.47円。一ヵ月30日で計算すると、借入日数は750日。「205.47×750」で154,102円の金利がかかってくる計算になります。つまり、返済額は、50万円ではなく、654,102円になるわけです

「ノンバンク」にも住宅ローンがある?

消費者金融などの「ノンバンク」は、フリーローンなど、少額の借り入れしかできないと思っている人もいるでしょう。しかし、銀行と同じく、住宅ローンの取り扱いもおこなっている会社があります。通常のキャッシングと同様に、「審査が緩い」「融資までにかかる期間が短い」などのメリットがありますが、「金利が高い」といったデメリットがあるということも理解しておきましょう。

「ノンバンク」の使い方・例文

「ノンバンク」は、お金の借り入れを考えたり、リースをしたりしない人はあまり使う言葉ではないかもしれませんが、どのように会話に登場するのか、参考までに紹介しておきます。

例文

・審査に通る自信がなかったのでノンバンクでお金を借りることにした。
・急にお金が必要になったが貯金はないのでノンバンクでの融資を申請した。
・欲しいタイプの家が見つかったので今購入したいが、頭金が足りないのでノンバンクで住宅ローンを組むことにした。

「ノンバンク」の類語・言い換え

「ノンバンク」を日本語で言い換える場合は、「三井住友カード」「アコム」などの企業名のほかにも次のような言葉が使えます

「ノンバンク」の言い換え表現

・消費者金融会社
・消費者金融
・非銀行金融機関
・民間金融機関

また、カタカナ用語の類語としては「ベンチャーキャピタル」「ファイナンスカンパニー」があります。

ベンチャーキャピタル

「ベンチャーキャピタル」とは、ベンチャー企業向けに融資を行っているノンバンクの一つです。ベンチャー企業は、現時点ではそれほど収益がないものの、今後急成長が見込める企業のことで、融資したベンチャー企業が上場した際に、株式売却などで利益が得られる仕組みとなっています。

ファイナンスカンパニー

「ファイナンスカンパニー」とは、個人や中小企業への融資を専門とする金融会社の総称で、日本では、ほぼ「ノンバンク」と同じ意味で使われています。

【番外編】大手ノンバンク企業一覧

現在の日本には、数多くの「ノンバンク」があり、よく見聞きする会社もたくさんあると思います。しかし、分類まではわからない人もいると思うので、比較的有名な企業を一覧で紹介しておきます。

【消費者金融】
・アコム
・アイフル
・プロミス
・レイク
【信販会社】
・オリコ
・アプラス
・セディナ
・ジャックス
【カード会社】
・三菱UFJニコス
・三井住友カード
・ジェーシービー
【リース会社】
・オリックス
・日立キャピタル
・三井住友ファイナンス&リース

「ノンバンク」はデメリットも理解した上で活用しよう

今するにまとまったお金が必要になることはあるかもしれません。ですので、比較的簡単に融資を受けられる「ノンバンク」は魅力的な企業でしょう。しかし、利用前よりも苦しい状況に陥らないようにするためにも、デメリットをしっかり把握したうえで申し込むようにしてください。