ベクトルとはどんな意味?分野別の使い方や英語をわかりやすく解説

ベクトルとは「大きさと向きを持つ量」のこと

ベクトルの基本的な意味は「大きさと向きを持つ量」で、学生時代に数学で勉強した覚えのある方もいるかもしれません。

物理的な大きさと向きの量を表す場合もあれば、「物事や考え方の方向」のように抽象的な意味を示す場合もあります。

ベクトルの意味

ベクトルという言葉は使用する分野やシーンによって意味合いが変わってきます。分野別に意味を確認していきましょう。

数学のベクトル

大きさと向きを持つ量がベクトルです。「A→B」など矢印で方向が示された図を数学の教科書で見たことのある方もいるでしょう。始点がA、終点がBのベクトルとなります。矢印の長さが大きさを表します。

ちなみに、ベクトルの「内積」や「外積」を求める数学の問題がありますが、それぞれ公式があります。

日常会話・ビジネス会話のベクトル

普段の生活や仕事の場面で耳にするベクトルは、「物事や考え方の方向」という意味で使われています。

単なる「考え方」というよりは、どちらの方向を向いているか、というニュアンスが含まれます。

意見やアクションなど何かしらの方向性が合う、合わないといった話題において「ベクトル」を使って表現できます。

声のベクトル

「声のベクトル」は、声を届ける方向、届ける対象までの距離を示します。通常の会話では、壁や空に向かってではなく、目の前の人に届く距離と方向で話をします。対象がいない場合には声のベクトルを意識する必要があります。

普段の会話において、声が聞き取りやすい場合にもベクトルが合っているということはできますが、特に演技やナレーションの世界で使われます。

例えば、数メートル先にぬいぐるみを置いて練習をするなどして、声のベクトルを調整します。

ベクトルの英語

英語では「vector」と表記します。もともとはドイツ語の「vektor」に由来するとされています。

英語の「vector」は、日本語と同じように数学の世界で使用されています。例えば、英語で「ベクトル解析」と表現したいときは「vector analysis」となります。

また、「vector」には遺伝子組み換えの際に「遺伝子の運び屋」の意味でも使用されています。

ベクトルの使い方・例文

よくある使い方に「ベクトルを合わせる」があります。これは「方向性を一致させる」や「目的を共有する」という意味になります。

他にも「ベクトルを最大化する」「ベクトルが一致する」など使い方があるため、例文をご紹介します。

例文
・チームでベクトルを合わせてプロジェクトを進める。
・従業員と組織のベクトルを一致させるために必要なことを考える。
ベクトルを最大化させることで社員が一丸となり、目標の達成に結びつく。

ベクトルを使えるシーンは意外と多い

ベクトルといえば数学で出てくる言葉ですが、実は日常会話でもビジネスでも使うことができます。さらに、会話や発言をする際の声の大きさと方向性についても使用できます。

意外と幅広い場面で活用できるベクトルの意味と使い方を覚えておきましょう。