「カンスト」とは?英語でも同じ意味で使える?例文、類語、言い換え、対義語も解説

「カンスト」とは「数値が上限に達した状態」のこと

「カンスト」とは「カウンターストップ」の略語で、「数値が上限に達しており、それ以上は数えなくなる状態」を意味する言葉です。主に、点数が加算されていくタイプのゲームで使われます。しかし、上限を達している状態を表現するため、日常の中でも用いられることも増えているため、意味や使い方を覚えておくと便利です。

なお、対義語は下の限界を意味する「下限」、上限が無いという意味合いの「非限界」「青天井」「エンドレス」などが挙げられるので、併せて覚えておきましょう。

「カンスト」の英語は「hitting the maximum score」

「カウンターストップ」を英語で表すと「counter stop」ですが、この言葉は和製英語のため英語圏では通じません。ですので、代わりに次のような表現をします。

【ゲームのスコアが最大限の場合】
hitting the maximum score
【最大ということのみを伝える場合】
Maximum value

文章の中でどのように使うのかも見てみましょう。

This game has hitting the maximum score.
(このゲームは最大の得点に達しています。)

日本語においての「カンスト」とは

日本で使われている「カンスト(カウンターストップ)」とは、カウンター(計数器)が上限に達し、それ以上はカウントされない、つまり、カウンターがストップしてしまうことを指しています。

元はゲーム用語で、昔のゲームは、最高得点が「99万9999点」「9999点」といったように、限界値が決められていることが多かったため、「カンスト(カウンターストップ)」という言葉が生まれたとされています。しかし、自然と広まっていったため、由来としては明確ではありません。

ゲーム上のカンスト数値「65535」

カンストの意味を調べていくと、「65535」という数値を目にすると思います。これは、256×256から1を引いたもので、2バイトで表現できる最大値です。プログラミング上、コンピューターが扱いやすい2の乗数が採用されることが多いのですが、カウントは0から開始となるため、1を引きます。

現代ではゲーム業界の技術も進化し続けており、カンストは「65535」以上のものがほとんどです。しかし、無限にするとコンピューターの機能上の許容範囲を超えてしまうため、カンスト数値を設定しているものが多いです。

ダメージカンストとは?

ダメージカンストは、ゲーム用語で、ゲームの中で受けるダメージの最大数値を指す言葉です。ゲームによっては「カンストダメージ」と呼んでいる場合もあります。

ゲーム用語の「〇〇カンスト」はまだある!

ゲーム用語の中のカンストは、「得点の最大値」「ダメージカンスト」のほかにも、このようなものがあります。

ステータスカンスト

ゲームの中のステータスとは、「攻撃力」「防御力」「体力」など、ゲームのキャラクターがもつ「力」の値で、「ステータスカンスト」とは、これらの力が最大値になったことを表わします。

レベルカンスト

多くのゲームでは、レベル1の状態から始まり、たとえば、攻撃力が10に達したらレベル2、攻撃力が30になったらレベル2、といったようにレベルがどんどん上がっていきます。そのレベルが最大値になることを「レベルカンスト」といいます。

アイテムカンスト

ゲームによっては、アイテムを集めていくものもあります。それらアイテムも無限に持てるものはあまりなく、多くの場合最大数量が決められています。そして、アイテムを最大限に持った状態が「アイテムカンスト」です。

ゲームでの使い方・例文

ゲーム用語としての「カンスト」は、会話においてこのような使い方をします。

例文

・このボスキャラ強すぎる!回復薬と銃弾がもっと持てるようにアイテムカンスト上げてくれないかなぁ。
ステータスカンストしたら面白くなくなった…。
・あと少しでカンストするけど、それ以降ってどうなるんだろう。
レベルカンストなのに、ボスが倒せない。

「カンスト」のゲーム以外の使い方

専門分野での用語が日常的に取り入れられることが多い現代では、「カンスト」も「これ以上やっても何も変わらない無駄な状態」「上限に達した状態」「これ以上ない気持ち」などの表現に使われることがあります。

例文①

・ここの部品、もう5回も繋ぎ直したんだよね?もうカンストだよ。

(解説)
家電などを修理している場面で、「何度も部品取り換えても動かないならもう限界。これ以上やっても無駄だよ」と言っているところです。

例文②

・好きがカンストしてるんだよ。でも告白する勇気がない…。

(解説)
これ以上ないほど「好き」の気持ちであふれている、ということを言っています。

例文③

・〇〇部長、綺麗で仕事もできて、おまけに親切。女性としても人としてもカンストしてるよね。

(解説)
これ以上ないくらいに女性の魅力もあり、人としても最高の人材であることを表した言葉です。

「カンスト」の類語・言い換え

「カンスト」を日本語で言い換える場合、次のような言葉が使えます。

「カンスト」の言い換え表現

・上限
・上限値
・限界
・最大限
・最大値
・打ち止め
・頭打ち  など

そのほか、カタカナ用語では「レベルマックス」が使えますが、これの略語である「レベルマ」も類語の一つです。

【番外編】「カンスト」「完凸」「限凸」の違い

「カンスト」と同じく、ゲームから生まれた用語に「完凸(かんとつ)」「限凸(げんとつ)」があります。

「完凸」は「これ以上突破できない」、「限凸(げんとつ)」は「限界まで突破した」という意味を持つ言葉です。参考までにそれぞれの文字がもつ意味も紹介しておきます。

「凸(とつ)」の意味
「両端が短く中が出ばっている」の意味があり、「凸版」「凸面」といった使い方をします。そのほか、「突撃」を「凸撃」、「突起」を「凸起」というように、突き進んだり、出ばっているものを表現する「突」の代わりに使うこともあります。
「完」の意味

「欠けたところがない」「やり遂げる」「まっとうする」「全く」「すっかり」という意味があります。「完凸」の場合は、「やり遂げる」「まっとうする」の意味で使われています。

「限」の意味

「かぎり」「区切り」「かぎる」「範囲を定める」という意味があります。「限凸」の場合は、「かぎり」「区切り」の意味で使われています。

「カンスト」はゲーム以外にも使える言葉

「カンスト」という言葉が生まれた当初は、ゲームをする人の間でしか知られていませんでしたが、現代では、ゲーム以外の会話でも気軽に使われる言葉になっています。さまざまな分野の用語が用いられているSNSでも目にすることがあるので、内容を把握するためにもぜひ覚えておいてください。