ゼネラリストの意味は?メリット・デメリット、スペシャリストとの違いも解説

「ゼネラリスト」とは「さまざまな分野の知識・能力をもっている人」のこと

「ゼネラリスト」とは広範囲に渡り、さまざまな知識や能力をもっている人を指す言葉です。しかし、職種によって、「ゼネラリスト」の意味合いが若干異なるということも知っておく必要があります。そこで、本記事では、特徴、使い方、言い換え表現などについてもわかりやすく解説します。

なお、対義語は「スペシャリスト」が挙げられますが、詳しくは後述するので、ぜひ読み進めてみてください。

「ゼネラリスト」の英語は「generalist」

「ゼネラリスト」は、英語で「generalist」と表記し、「多方面の知識をもつ人」「博学な人」「万能家」という意味をもつ単語です。日本でカタカナ用語として使われている「ゼネラリスト」は、英語の「generalist」が語源になっています。

日本語においての「ゼネラリスト」とは

「ゼネラリスト」は、広い意味では「一つの分野に特化せず、複数分野の知識や能力をもつ人」を指しますが、どちらかといえば、深い知識ではなく、「広く浅く」という意味になります。「ジェネラリスト」といわれることもありますが、どちらを使っても間違いではありません。

ビジネスシーンでの「ゼネラリスト」

ビジネスシーンでは、通常、幅広い職務知識を身に付けている人を「ゼネラリスト」といいますが、総合職・プロデューサーなど、幅広く活躍できる人や役職を指して使われることも多いです。

そして、さまざまなことに興味をもって、どんな領域にも臆せずに飛び込み、知識を身に付けようとする人を「ゼネラリスト志向」といいます。

医療業界での「ゼネラリスト」

医療業界では、医師、看護師それぞれに「ゼネラリスト」と呼ばれるスキルの持ち主がいます。

医師の「ゼネラリスト」

医師の「ゼネラリスト」は、日本語で表現すると「総合診療医」と呼ばれており、消化器、循環器といった特定の臓器だけでなく、様々な臓器からの影響を総合して診療を行える、高い能力・知識・技術をもった医師を指します。

看護師の「ゼネラリスト」

特定の専門分野だけでなく、どのような患者さんに対してもその場に応じた技術・能力・知識を発揮できる看護師のことをいいます。そのほか、看護に関するスキルだけでなく、看護対象者の年齢に応じた対応力をもっていることも、看護師としての「ゼネラリスト」には必要です。

「ゼネラリスト」の特徴5つ

「ゼネラリスト」と呼ばれる人たちには、いくつかの特徴があるといわれています。そこで、よく見られる特徴を5つピックアップして解説します。

好奇心が旺盛である

多方面に興味をもち、知らない分野でも臆することなく飛び込んでいく、好奇心の持ち主であることが多いです。また、未経験の仕事を任されても積極的に取り組み、業務をこなしていくタイプが多い傾向にあります。

視野が広い

「ゼネラリスト」と呼ばれる人は、一方方向からではなく、さまざまな視点で物事を見ることを得意としている場合が多いです。ほかの人では気付きにくい点にも目がいくため、独自の意見を出せるのも特徴のひとつといえます。

臨機応変な対応が得意

仕事をしていると、不測の事態が起こることもよくあります。「ゼネラリスト」は、さまざまな知識や能力などにより、想定していないことが起こっても、臨機応変に対応していけるという特徴があります。

さまざまな仕事を経験してきた

多くの人は転職をする場合でも経験した職種やそれに関連する仕事に就く傾向にあります。しかし、「ゼネラリスト」は、製造関連、営業、総務・経理などの管理部門など、さまざまな職種を経験しているという特徴があります。

客観的に判断できる

営業しか経験していない人は営業目線、経理しか経験していない人は経理目線でした物事を判断することができない場合が多いです。たとえば、営業目線でしか物事が見られない人であれば、「なぜこのスケジュールで生産できないんだ!」と強く言いがちですが、製造の経験があれば、製造側の都合や手順も把握できるので、公正な視点で客観的に見て判断し、意見することができます

「ゼネラリスト」は時代遅れ?

現代では総合職といわれる「ゼネラリスト」は、「時代遅れ」「役に立たない」との声もあります。しかし、組織を円滑に回すためには、幅広い視野・経験・知識を持ち合わせた人材も必要なのは事実です。そこで、「ゼネラリスト」は必要な存在か、不要な存在なのか、メリット・デメリットを見ながら考えてみましょう

「ゼネラリスト」のメリット

「ゼネラリスト」は、幅広い知識・技術・能力をもち、さまざまな経験を重ねているため、広い視野をもって臨機応変な対応が必要となる、管理職など、組織のリーダーの地位に就きやすいといわれています。そのほか、多方面の知識や経験があるため、転職時の選択肢が多くなるのもメリットのひとつです。

「ゼネラリスト」のデメリット

小規模の企業では、一人でいくつもの仕事をこなすことが多いですが、一般的な組織では、担当業務を細分化しているところが増えているようです。ですので、広い知識・技術力があっても、「ゼネラリスト」は「広く浅く」で専門的なスキルがないため、専門職を求めている企業への転職は難しくなります。

「ゼネラリスト」の使い方・例文

「ゼネラリスト」は、言葉の意味を理解していれば使い方は難しくありません

例文

・〇〇くん、ゼネラリスト志向だと言ってるわりには知らないこと多いよね?
・新しく来た部長、ゼネラリストだと紹介されたけど、想像以上の博識に驚いている。
・いろいろな分野に興味はあるが、ゼネラリストを目指すか、専門分野について深い知識をつけていくべきか、いまだに迷っている。

「ゼネラリスト」の類語・言い換え

「ゼネラリスト」を日本語で言い換える場合、次のような言葉が使えます。

「ゼネラリスト」の言い換え表現

・三刀流
・二刀流
・文武両道
・多才な
・多芸多才
・すべてを兼ね備える
・オールラウンド
・博学
・知識の宝庫 など

「ゼネラリスト」の対義語は「スペシャリスト」

冒頭でも紹介しましたが、ゼネラリストの対義語は「スペシャリスト」です。

「スペシャリスト」の意味

特定の分野・領域に深い知識や技術をもっている人を指します。自分の得意分野・好きなことを仕事にし、一つの内容に集中した業務を行っていることが多いです。

現代では、特定分野における深い知識をもっているスペシャリストでありながら、同時にゼネラリストとして、ほかの分野の知識も持ち合わせている、両立した人材のニーズも高くなりつつあります。

「ゼネラリスト」を目指すならメリット・デメリットも理解しておこう

「ゼネラリスト」は、幅広い知識をもっているので、いろいろな仕事ができますが、スペシャリストよりも専門性に欠けるなど、デメリットもあるということを理解しておかなければなりません。このデメリットを克服にはスペシャリストレベルのスキルを身につけることが有効なので、高みを目指したいと思っている人は深い専門知識も習得していってください。