アソートとは?アパレル、物流、色、お菓子での意味を解説、類語や英語、使い方も

アソートとはこんな言葉

アソートの意味は、「分類する」「組合わせる」「取りそろえる」「調和する」です。

アソートの類語は「バラエティ」「ランダム」「ミックス」。これらの言葉はアソートと言い換えできるケースと、できないケースがあるため、使うときは注意が必要になります。

アソートの英語は「assort」です。しかし、「assort」では通じない場合もあります。

アソートについて、くわしくみていきましょう。

アソートの意味は分野によって変わる

アソートは、「分類する」「組合わせる」「取りそろえる」「調和する」という意味をもつ言葉です。しかし、分野によって細かいニュアンスが変わってきます

分野ごとのアソートの意味を確認しましょう。

物流業界でのアソートの意味

物流業界でのアソートは、「商品や部品を指示された通りに仕分けすること」。または「種類が異なる複数の商品を指示通りにまとめて梱包すること」という意味です。

入荷時にアソートといった場合は、「入荷した商品や部品を事前に指定されている保管場所に、それぞれ分類して保管すること」を意味します。

出荷時のアソートは、「保管場所から取り出した商品を、指定されているそれぞれの出荷先別に仕分けること」。もしくは、「顧客から注文されている内容通りに、種類が異なる複数の商品を組み合わせてひとつに梱包すること」です。

アパレルなど流通業界でのアソートの意味

アパレルなど流通業界でアソートといった場合、次の2つの意味になります。

ひとつ目は、商品を取りそろえるという意味で、「アソートする」のように使います。

2つ目は、アソートメントの略語としてのアソートです。

アソートメントとは部門構成や品種構成、商品構成のこと。売り場にどんな商品をそろえるか、限られた売り場スペースの中でブランド、サイズ、色、柄、価格などが異なる商品をどう組み合わせて用意するかを意味します。

さまざまな商品を広く取り扱っているお店は「アソートメントの幅が広い」といわれ、特定商品の品ぞろえが充実しているときには「アソートメントが深い」と評されます。

配色をデザインする業界でのアソートの意味

ファッション、インテリア、景観など全体のバランスを考えて配色をデザインするときのアソートは、「調和する」という意味です。

色の世界では、デザインするもの全体の面積のうち、一番大きな面積を占める色を「ベースカラー」と呼び、次に面積が大きい色を「アソートカラー」、面積は小さいが目を引くポイントにする強調色を「アクセントカラー」と呼びます。

「アソートカラー」は、ベースカラーを補って色のバランスをとり、全体として調和させるのが役割です。

例えば室内の配色デザインなら、まず部屋全体のうち壁紙や床、天井など70%くらいの面積を占める部分の色を「ベースカラー」として決定。

次にカーテンやカーペット、大きな家具などで25%くらいの面積の色を「アソートカラー」に、残りの5%ほどの色は、クッションなどの小物で「アクセントカラー」として配色すると全体のまとまりがよくなると言われています。

お菓子業界でのアソートの意味

お菓子業界でのアソートは、各種詰め合わせという意味。

チョコならチョコ、ケーキならケーキ、クッキーならクッキーのように、同じジャンルのお菓子の中から、いろいろな種類を集めて詰め合わせにしたものをアソートといいます。

アソートの英語は?

アソートは、「assort」という英単語からカタカナ語になりました。

assort
・類別する
・種類別に分ける
・品を各種取りそろえる
・さまざまな商品を補充する
・一致する、合う
・調和する

「assort」では通じないことも

先ほど紹介した「assort」の意味をみてもらうとわかるように、「assort」は動詞です。

しかし、日本語では「チョコレートアソート」のようにアソートを形容詞として使う場合もあり、そのまま「assort」といっても英語圏の人には通じないケースがよくあります。

例えば「チョコレートアソート」なら、「assort」の過去分詞「assorted」を用いて「assorted chocolates」としたり、名詞形にした「assortment」を使って「assortment of chocolates」と表現するのが一般的です。

「assort」は古期フランス語に由来する

「assort」は、古期フランス語の「assorter」から英語になった単語です。

「assorter」は「種類別に分ける」という意味。

そして「assorter」の語源は、ラテン語の「sors(くじ)」です。

「as」は「~へ」という意味で、「運命によって~へ分ける」が「assort」の本質といわれています。

アソートの使い方を例文で学ぼう!

アソートの意味がわかったら、次は言葉の使い方も勉強してみましょう。

例文
・人気のチョコレート菓子の5種アソートを発売する。
・このアソートだけで味わえる、春らしい限定フレーバーです。
アソートのミスなく対応できる、物流スキルが求められている。
・百貨店は、アソートの幅で勝負する販売形態だ。

アソートとバラエティとランダムとミックスの違いって?

アソートとバラエティ、ランダム、ミックスは、アソートパック、バラエティパック、ランダムパック、ミックスパックのように似たような使い方をされています。よくみかける言葉ばかりですが、違いがわかりにくいですね。

それぞれの意味を確認しよう

まずは、それぞれの意味を頭に入れましょう。

アソートの類語
バラエティ:変化があること。多様性
ランダム:無作為、任意であること
ミックス:まぜあわせること。まぜあわせたもの

バラエティーパックなら、多様性に富んだ詰め合わせ。ランダムパックなら、無作為な詰め合わせ。ミックスパックなら、複数混ぜ合わせた詰め合わせという意味になります。

同じ種類で味違いや色違いの商品の詰め合わせならアソートパック、異なる種類から多様性をもたせて詰め合わせたならバラエティーパックと使い分けされることもあります。

しかし、ほぼ同じニュアンスで、違いを意識せずに使用されているケースも珍しくありません。

言い換えに使えないことも

バラエティ、ランダム、ミックスがアソートの言い換えには使えない場合もあります。

例えば、「人気があるチョコレート菓子の中から、バラエティ豊かな商品を集めたアソートを販売する」という文があったとします。

この文で、バラエティは「多様性」というものの特徴を表す言葉として使われていますね。そのため、「各種詰め合わせ」という商品の形態を表しているアソートと言い換えることはできません。

「ランダムにアソートしているため、カラーの指定はできません」や「色違いをミックスしてアソートにする」ならどうでしょうか?

これらの文でのランダムやミックスは、「無作為」や「混ぜ合わせて」という方法を表す言葉です。この場合も、「各種詰め合わせ」のアソートとは言い換えられません。

アソートの関連語

アソートは、アソート〇〇という熟語になって使われる場合もあります。どんな言葉がどのような意味になるのかおさえておきましょう。

アソートの関連語
アソート作業:物流関係でアソートする作業のこと
アソート注文:色や種類を指定できないランダムな詰め合わせでの注文のこと
アソートコレクション:アソートでゲットできる商品のラインナップのこと。ガシャポンの景品のコレクションを指していたり、アソートセットの意味で使われていたりする

アソートを使いこなそう

アソートは、業界によって意味するところが変わってくる言葉です。

全部覚えるのが大変だったら、基本の「分類する」「組合わせる」「取りそろえる」「調和する」という意味と、自分が勤める会社でのアソートの意味から覚えてみましょう。

次に、ひとりの消費者として、お菓子などでのアソートが「各種詰め合わせ」という意味であることを理解できていれば、まずはOK。

その上で、余裕があったらほかの業界のアソートにも手を伸ばしてみてください。

覚えたアソートは、ビジネス会話などで実際に使用してみて、単なる知識から使える言葉に変えていきましょう。