「おかげさまで」の意味は?正しい使い方、漢字での書き方、言い換え表現も紹介

「おかげさまで」とは感謝の気持ちを表す言葉

「うまくいった?」「おかげさまで」といった会話が成り立つように、「おかげさまで」は相手に感謝の気持ちを伝えられる便利な言葉です。

ビジネスシーンでは頻繁に使われますが、日常でも登場シーンは多いため、意味や正しい使い方は理解しておきたいもの。本記事では、言い換え表現や英語表現も含め、わかりやすく解説します。

「おかげさまで」の語源・意味

「おかげさまで」は漢字で書くと「お陰様で」となります。

「お陰(おかげ)」は、昔は「神仏からの加護」という意味で「御蔭」の漢字が使われていましたが、今では「お陰」と表記するのが一般的です。それに相手への敬称表現として「様」をつけ、「お陰様」となっています。

そして現代では、広く「ほかの人からの助け」があった際に、感謝の気持ちをこめた言葉として「おかげさまで」が使われるようになりました

「おかげさま」と「お陰様」どっちが正しい?

漢字で書く「お陰様」は、正式には「御蔭様/御陰様」です。しかし、とても堅苦しいイメージがあるため、「おかげさま」とひらがな表記するケースも増えています。

つまり、ひらがなと漢字、どちらを使用しても間違いはありません。そのため、堅い文章のときは漢字、柔らかい表現にしたい場合はひらがなと使い分けるといいでしょう。

どれを使ってもOK
・御陰様で
・お陰様で
・おかげさまで

「おかげさまで」のビジネスシーンの使い方・例文

「おかげさまで」と伝えるシーンは、大きくわけて二通りあります

①伝える相手への感謝の気持ちを伝える場合。
②伝える相手含め、多数の人に対して感謝の気持ちを伝える場合。

ビジネスシーンでも使えるよう、①②それぞれ例文でチェックしておきましょう。

①のパターンの例文
おかげさまで契約していただけました。お口添えありがとうございました。
おかげさまで、新しい職場にもだいぶ慣れてきました。
②のパターンの例文
おかげさまで当社はこの5月で15周年を迎えます。
おかげさまで予定数を完売しました!

「おかげさまで」のNGな使い方

「おかげさまで」は、手軽に感謝の気持ちが伝えられます。しかし、使い方を間違えると皮肉にとらえられることがあるため注意が必要です。

基本的に、「おかげさまで」はポジティブな内容に対して使うのが正しく、次の例文のようにネガティブな内容には使いません。

NGな使い方の例文①
おかげさまで今年度をもちまして契約は解除されることになりました。
おかげさまで本日倒産となりました。

そのほか、ほかの人からの助けがなかった場合にも「おかげさまで」は使いません。

NGな使い方の例文②
おかげさまで毎日残業してがんぱって出せた結果だと思います。
おかげさまで今月の目標を達成できました。
・先日の社内検定試験、おかげさまで合格しました。

「おかげさまで」言い換え表現

「おかげさまで」は、文章によっては「おかげで」の形で使うことがあります

(NG)長年ご愛顧いただいているお客様のおかげさまで
(OK)長年ご愛顧いただいているお客様のおかげで

そのほかの言い換え表現としては、「お力添え」「ご支援」「~のたまもの」などがあります。

お力添え

「力添え」は、「力を添えて助ける」の意味ですが、それに「お」をつけることで「相手に力を添えてもらう」の意味になります。

例文
〇〇さんをはじめ、先輩方のお力添えで無事やりきることができました。

ご支援

「支援」とは、「力を添えて助ける」という意味で、「力添え」とほぼ同じ意味合いで使える言葉です。そして、頭に「ご」をつけることで、「相手に力を添えて助けてもらう」という意味になります。

例文
御社からのご支援でなんとかこの窮地を乗り切ることができました。

~のたまもの

「たまもの」は、「いい結果」「いい出来事」を表現する際に使う敬語で、「あなたのおかげでいい結果になりました」といったニュアンスで使われます。

例文
革新的な商品が完成したのは、ひとえにみなさまのご協力のたまものです。

「おかげさまで」の英語表現

英語で「おかげさまで」を表現したい場合は、「thank you」や「thanks to you」が一番簡単でしょう。

・Thanks to you, the project was successful.
(おかげさまでプロジェクトは成功しました。)
・Thank you very much for your help.
(おかげさまで助かりました。)

「おかげさまで」の意味を理解し正しく使おう!

「おかげさまで」は、相手に深い感謝の気持ちを伝えられる言葉ですが、使い方を間違えれば「感謝」よりも「皮肉」になる可能性があります。正しい意味や使い方をしっかり覚え、会話でスムーズに使えるようにしておきましょう。