エンドユーザーとは?業界ごとに意味が違う?対義語、使い方、言い換えも紹介

「エンドユーザー」とは「末端利用者」のこと

「エンドユーザー」は、「最後のユーザー?」とイメージできるように、商品やサービスの末端の利用者・使用者のことを指します。

対義語は、家電などにおいては「製造者」、IT分野では、開発者にあたる「ディベロッパー」といえます。

ほとんどの企業で、商品やサービスを「創り」、末端消費者へ提供することで事業が成り立っているため、エンドユーザーという言葉や意味はしっかりと理解しておきたいものです

分野ごとのエンドユーザーについてや関連語などもわかりやすく解説するので、ぜひしっかり覚えていってください。

「エンドユーザー」の英語は「end user」

「エンドユーザー」の英語は、「end」と「user」の2つの単語から成り立つ熟語で、次の意味をもっています。

・最終利用者
・末端利用者
・最終消費者

エンドユーザーの略語

日本企業において、文書内でエンドユーザーを示す場合「end」と「user」のそれぞれの頭文字をとり「EU」と表記することが多いです。そして、会話の中では「エンドユーザー」とそのまま言うことも多いですが、「エンド」と略す人もいます。

日本語においての「エンドユーザー」とは

日本の企業の中で使われる「エンドユーザー」は、「末端利用者」という意味では同じですが、分野ごとでその概念に違いがあります。ここでは、いくつかの分野においてのエンドユーザーの意味について解説します。

IT業界

IT業界においては、パソコン・スマホ・タブレットなどでソフトやアプリを利用する人がエンドユーザーにあたります。

システムを開発している人にとっては、依頼元がエンドユーザーになると解釈されやすいですが、間違わないように注意してください。

食品業界

食品メーカーにおいては、実際にその食品を購入して利用する人がエンドユーザーになります。メーカーにとっては、食品を卸すスーパーやコンビニなどではないので間違わないようにしましょう。

不動産業界

不動産の業界においては、賃貸マンションや物件のオーナーさんではなく、実際に利用する人がエンドユーザーです。分譲物件についても、仲介業者ではなく実際に購入する人がエンドユーザーになります。

建築業界

建築の分野では、「建築を依頼する人」「実際に建築をする人」「建築物件を購入する人」がいます。この場合は、最終的に物件を購入する人が「エンドユーザー」で、建築を依頼する人は「クライアント」になります。

また、建築するのが、商業施設などの場合は、その施設を管理する人ではなく、実際にテナントに入居する人が「エンドユーザー」になるので、違いを含めて覚えておきましょう。

製造業におけるエンドユーザーの違い

家電メーカーなどの製造業から見ると、実際に商品を購入する人が「エンドユーザー」です。しかし、営業の目線で見ると、商品を買い取ったお店がエンドユーザーになります。

そのほか、商品の中に組み込む部品を作っているメーカーは、商品を作っているメーカーがエンドユーザーで、その商品を買った人ではありません。

自動車の場合も、部品業者の営業目線では自動車メーカーがエンドユーザーになりますが、自動車業界として見れば、実際に乗る人がエンドユーザーになります。

「エンドユーザー」の使い方・例文

分野によって「エンドユーザー」が指す相手は違います。また、違企業か個人かによっても異なるため、会話ではどういう意味で「エンドユーザー」が使われているのか見極めなければなりません。

例文①
4月に提供したアプリ、半年たっても利用者数が伸びないなぁ。エンドユーザーへのアンケート調査を実施して状況を把握する必要があるんじゃないか?
例文②
この冷凍食品、いろいろな原材料が記載されているけど、安定剤、増粘剤なんてエンドユーザーは理解できるのだろうか?
例文を見るだけでもわかると思いますが、例文①はIT業界、例文②は食品業界においての会話文です。

例文③
エンドユーザーの要望でこんな間取りになってるけど、動線悪くない?もう一度確認したほうがいいような気がするけど…
建築業界において、建築を依頼するハウスメーカーなどは「クライアント」になると前述しましたが、注文住宅の場合は「クライアント=エンドユーザー」になります。例文③は、注文住宅においてのエンドユーザーについての会話です。

「エンドユーザー」の類語・言い換え

業界・分野によって、エンドユーザーになる人は異なりますが、言い換え表現はいろいろとあります。代表的なものを紹介するので、状況に応じて使い分けてみてください。

エンドユーザーの言い換え表現

・末端消費者
・一般ユーザー
・最終消費者
・買い手
・購入者
・顧客 など

そのほか、「消費者・購入者」の意味をもつ「コンシューマー」というカタカナ用語も類語として使えます。

「エンドユーザー」の関連語

「エンドユーザー」には、「エンドユーザー〇〇」といった関連語がいくつかあります。比較的広く知られている言葉を3つ紹介するので、知識として覚えておくと便利です。

エンドユーザーランタイム

Windowsで、ゲーム・音楽・映像などの処理をより快適に使用できるために、Microsoftから提供されている「DirectX(ダイレクトエックス)」というソフトがあります。その中で、よく使うものを定型文として保存している場所を「エンドユーザーランタイム」といいます。

エンドユーザーコンピューティング

企業などにおいて、情報システムを使う従業員自らがシステムやソフトの開発・運用・管理に携わることを「エンドユーザーコンピューティング」といいます。

エンドユーザーライセンス契約

実際にソフトウェアを使うエンドユーザーと、ソフトウェアの開発元との間で交わされる契約を「エンドユーザーライセンス契約」といい、使用方法・禁止行為などの条件・保証などが定められています。

業界ごとの正しい「エンドユーザー」を理解しよう

業界ごとで、どの人がエンドユーザーにあたるのかが異なります。そのため、転職をした際は特に、「エンドユーザー」の解釈を間違えないよう注意が必要です。

そのほか、「エンドユーザー」という言葉が使われるのは、あくまでも社内のみで、実際にエンドユーザーと対面する場合は「〇〇様」と名前を呼びますよね。ですので、「エンドユーザー様」という呼び方は存在しないということも、知識として覚えておきましょう。