「界隈」とは「その辺り一帯」という意味
「新宿界隈」「名古屋界隈」など、ある一定の場所と合わせて使われる「界隈」は、「その辺り一帯」という意味をもつ熟語です。しかし、ネット社会になっている現代においては、また別の意味をもつ言葉にもなっています。
対義語としては、「まんなか」という意味の「中心」があてはまり、「新宿の中心」「名古屋の中心」という使い方をします。
本記事では、「界隈」の意味や使い方のほか、英語表現や言い換え表現についてもわかりやすく紹介します。
「界隈」の読み方・意味
「界隈」は、「かいわい」と読み、それぞれの漢字の意味は次のとおりです。
【界】
・さかい
・くぎり
【隈】
・すみ
・奥まったところ
・山や川が曲がりこんだところ
2つの漢字を合わせると「さかいのすみ」と、ある一部分を指す言葉になります。そして、特に、場所についての特定範囲を表す熟語として使われるようになりました。
ネット用語としての「界隈」
広い意味で「ある一部分」を指すことは、場所を表す「界隈」と同じですが、ネット用語としては、「ジャンル」「業界」「属性」などに対して使われます。
【使用例】
・ツイッター界隈
・インスタ界隈
・ファッション界隈
・政治界隈 など
「界隈」の使い方・例文
「界隈」は、基本的には「その辺り一帯」と場所を表す言葉ですが、ネットの中では「その辺り」が場所ではなく「ジャンル」「業界」「属性」を指すことが多いです。
・あの人、最近は渋谷界隈でよく営業をしているらしいよ。
・この界隈はあまり治安が良くない。
・九州に行くならやっぱり中洲界隈の屋台に行きたいよね。
・金融界隈では新しい仮想通貨の話題でもちきりだ。
・インスタ界隈では簡単レシピ動画が評判になっている。
・この人は今ツイッター界隈でとても人気らしい。
「界隈」の類語・同義語・言い換え表現
「界隈」をほかの言葉に言い換える場合は、「付近」「近辺」「周辺」「周囲」などが使えます。若干のニュアンスの違いはあるものの、状況によっては「界隈」の代わりにできるため、上手く使い分けをしてみてください。
付近(ふきん)
「付近」は、「近くの場所」「そのあたり」という意味があります。ネット用語の「界隈」とは違い、場所に対してのみ使います。場所を指す「界隈」とほぼ同じニュアンスで使えます。
また、「付近」と同じ読み方をするものとして「附近」がありますが、意味はどちらも同じです。昔は「付」と「附」は使い分けをしていましたが、当用漢字ができた時点で「附」は無くなる予定でした。しかし、日本国憲法に使われていることから現代も残っています。
そのため、どちらを使っても間違いではありませんが、字画が少ない「付」のほうが望ましいとされているため、「付近」を使うほうがいいでしょう。
・このお店は銀座付近でも知らない人が多い。
近辺(きんぺん)
「近辺」は、「近い辺り」「近く」という意味をもつ言葉で、徒歩圏内の距離感を表します。また、「界隈」は場所でも地域や地名の後ろにつけて使いますが、「付近」は「自宅」などの建物につけることもあります。
・自転車のカギを失くしたため、会社近辺を探してみようと思う。
周辺(しゅうへん)
「周辺」は、「あるもののまわり」「中心から離れたまわりのほう」という意味をもつ言葉です。
たとえば、「A周辺」といえば、「A」の周りで、Aから離れてAをとりまく部分を指します。そのため、「A」は含んでいなくでも問題ありません。ですが、「A界隈」といえば、Aを含むその辺り一帯ということになるので、「周辺」とは違いがあります。
・新しくなってきた渋谷駅周辺を散策してみよう。
また、似た言葉に「周囲」があり、これは、「ある特定のものの周り」を指しています。「周辺」は、主に場所に対して使いますが、「周囲」は、ある特定のものが、状況や人の場合もあります。
・Bさんの周囲にはいつもいい香りが漂っている。
「界隈」の英語表現
場所を指す「界隈」を英語で表現する場合は「neighborhood=近所、付近、地域」や「around=近くに、周辺に」を使います。
ただし、あるものの周りというニュアンスが強い場合は「around」、「だいたいこの辺り」と、ざっくりとした表現にしたい場合は「neighborhood」を使うほうがわかりやすいです。
・around shinjuku
(新宿界隈)
・this neighborhood
(この界隈)
また、ネット用語としての「界隈」を表現したい場合は、「community=社会、地域、群衆」が使えます。
・twitter community
(ツイッター界隈)
「界隈」の意味を理解し正しく使おう!
「界隈」は、ざっくりとした場所を表現するのに使いやすい言葉ですが、現代ではジャンルや属性などでも利用されています。SNSでの情報も多く入手する機会も多いと思うので、ネット用語が嫌いだという人も覚えておくと便利です。