「バズワード」とは「専門的なようで定義があいまいな言葉」のこと
「バズワード」は、必ずしも正しいとはいえない、専門的なようで定義があいまいな言葉のことをいいます。しかし、流行語のように広く使われるため、定義づけされた正しい言葉と思われがちです。また、ネット社会である現代では、正しくないことでもSNSを介して急速に広まる傾向にあります。
また、「バズワード」の反対語は、「死語」「廃語」、つまり、使われなくなった言葉を指します。
今回は、「バズワード」の正しい意味や言葉の使い方のほか、バズワードランキングからピックアップした言葉の紹介、英語表現、関連語、言い換え表現などについてもわかりやすく紹介します。
「バズワード」の英語は「buzzword」
英語での「バズワード」は、「buzzword」と表記されることもあれば「buzz word」と2語にわけて表記する場合もあり、政治家や学者などが使う「もったいぶった言葉」や「決まり文句」という意味があります。
日本語の中で使われる「バズワード」とはニュアンスが異なるため、英語圏の人への使用には注意が必要です。
また、「buzz」とは、次の意味をもつ単語です。
・(蜂や機械などが)ブンブンと音をたてる
・(人々が)ざわつく
・噂などが飛び交う
・騒音をたてる
このように、ザワザワと騒がしい様子を表すときに使うので、どちらかといえばネガティブワードになります。
日本語においての「バズワード」とは
日本の中で使われている「バズワード」は、「専門的で説得力があるようにみえて、実は定義があいまいなまま世間に広まった言葉」という意味です。
この場合の「バズ」は英語の意味の「ざわつく」からきており、人々の間で騒がれている様子を表現しています。
日本での「バズワード」には、最初は定義がなかったものの、使われていくうちに定義づけされる言葉と、定義がないまま使われる言葉の2パターンがあります。
バズワード一覧
「バズワード」の意味を説明しただけではイメージしにくいと思うので、どんなものが対象となるのか、ランキング2020、2021を一覧で紹介しておきます。
・ローカル5G
・コンテンツマーケティング
・チャットbot
・サブスクリプション消費
・ワーケーション(ワーク+バケーション) など
・クラウドファンディング
・クラウドゲーム
・サステナブル消費
・動画マーケティング
・SDGs(持続可能な開発目標)
・ダイナミックブライシング など
「バズワード」の使い方・例文
「バズワード」は、会話の中ではこのような使い方がされています。
・電気自動車って車の種類だと思っていたけどバズワードになっていたんだね。
・プレミアムフライデーって今じゃ当たり前に使われているけど、もとはバズワードだったとは知らなかった。
・私も何か独自で言葉を作って、SNSでたくさん使っていたらバズワードになるのかなぁ?
・毎年いろいろなバズワードが生まれるので、もうついていくのが大変です。
・D2Cってマーケティング用語の認識だったけど、バズワードでもあったんだね。
「バズワード」の関連語
「ザワザワする」「騒ぐ」の意味をもつ「buzz(バズ)」をつかった言葉は「バズワード」以外にも存在します。関連付けると覚えやすいので、ここでチェックしておきましょう。
バズる
「バズる」の「バズ」は、バズワードと同じく「ザワザワする」「騒ぐ」の意味で使われています。つまり、「バズる」は「ある事柄について騒がしくなった」の意味で、これが転じて「話題になった」という意味になります。Twitterなど、SNSの中で比較的多く使われています。
バズマーケティング
「バズマーケティング」とは、多くの人の間でバズってもらうことをマーケティング活動とする方式をいいます。通常の通信販売においても、口コミを参考にして購入する例も多いため、多くの人に商品の良さについてザワついてもらい、広めてもらうことも有効とされています。
「バズワード」の類語・言い換え
「バズワード」の類語としては、「流行語」や「プラスチックワード」があてはまります。それでは、それぞれの言葉の意味をもう少し詳しく見てみましょう。
流行語
「流行語(りゅうこうご)」とは、何かがきっかけとなり、急に頻繁に使われるようになる言葉をいいます。ある一定期間はやり、徐々に使われなくなってくるのが特徴です。「バズワード」は主にSNSで流行する言葉を指しますが、「流行語」はテレビで流行った言葉を指すことが多いです。
プラスチックワード
「プラスチックワード」とは、意味はあいまいなのに、新しい内容を伝えているように思わせる言葉をいいます。プラスチックのように、自由に組み合わせ、いろいろな分野で使えることからこのような名前がつけられました。
「アイデンティティー」「コミュニケーション」「近代化」「進歩」など、ごく一般的に使われいる言葉も、実はプラスチックワードだったんです。
「バズワード」は基本的には「流行している言葉」ですが、「プラスチックワード」は、新しい内容を思わせているか否かがポイントになります。
「バズワード」に敏感になり話題についていこう
「バズワード」は一定期間使われたのち、死語・廃語となる言葉もたくさんあります。しかし一方で、使われ続けることで定義づけがされ、「バズワード」ではなくなるものもあります。
世の中には、流行り言葉が嫌いで、「自分では使いたくない」という人もたくさんいるでしょう。しかし、流行している言葉を知らなければ最新の話題に乗り遅れることもあるので、できれば「バズワード」もしっかりチェックし、理解できるようにしておくことをおすすめします。