「ロードマップ」とは「目標への道筋」のこと
「ロード」の「マップ」という言葉そのままの意味で、「道路の詳細が記載された地図」を指すこともありますが、ビジネスシーンにおいては、「目標への筋道」の意味で使われる場合が多いです。
そのため、社会人として働くうえではぜひ理解しておきたいもの。本記事では、意味や会話での使い方だけでなく、「ロードマップ」の書き方のポイント、類語などもわかりやすく紹介します。
「ロードマップ」の英語は「roadmap」
「ロードマップ」は英語では「roadmap」と表記しますが、辞書によっては「road map」と書いている場合もあります。英語の中においての意味も日本語とほぼ同じで「道路地図」「導くもの」「計画図」「手引き」となっています。使い方の例も少し見ておきましょう。
・automobile roadmap(自動車道路地図)
・design a roadmap for~(~のための計画図を作る)
・review the roadmap of new products(新製品のプランを再検討する)
・roadmap to Frowth(成長への道筋)
日本語においての「ロードマップ」とは
日本語においてのロードマップも、英語での意味とあまり変わりませんが、一応定義づけはされています。
ドライバー向けの道路地図
現在は、どの車にもナビが搭載されているので、アナログの地図を持っている人は少ないかもしれません。「ロードマップ」と呼ばれるドライバー向けの道路地図には、県道、国道、高速道路、その他有料道路などの区分や、有料道路のインターチェンジ、SA、PAなども記載されています。
また、その地域で有名なスポットや建物の名称なども記載されているので、目印の確認もしやすいというメリットもあり、広範囲での位置関係をチェックするにはとても便利です。
目標への道筋
ビジネスシーンにおいては、多くの場合「目標への道筋」の意味で使われています。
たとえば、新しい事業をはじめるまでの計画案、製品リリースまでの計画案など、目標地点となる事柄を定めます。そして、そこに到達するまで、どんなことを行い、どのように進めていくのかを時系列で図や表を用いて表します。これが「ロードマップ」です。
・〇〇の後継品となる商品を作るにあたり、開発から発売までのロードマップを用意しなければならない。
・開発中のトラブルにより、製品の発売時期がロードマップよりも大幅に遅れそうだ。
ロードマップの書き方・作り方
ロードマップは、社内の計画書として使うだけではなく、「Aという製品の開発、サンプル提供、販売歌詞の計画はこのようになっています」と、顧客に提供する場合もあります。
つまり、自分だけで保有するわけではなく、ほかの人とも共有することが多いため、誰にでもわかるように書いていかなくてはなりません。難しいように感じるかもしれませんが、ポイントさえおさえれば誰でも作ることができるので、流れを一度確認しておきましょう。
①どのように進めるのか表にまとめる
新商品の開発、売上の増加、新工場の設立、工場の閉鎖など、ビジネスではさまざまな目標を定めて日々仕事をしています。まずは、大まかでもいいので、どのように進めるか、順を追って表にまとめます。
①達成すべき目標を明確にします。
②いつから開始でき、いつまでに達成しなければならないのかを明確にします。
③現在の状態を分析します。
④実行に移すにあたって、障害になる事柄、問題点などを明確にします。
⑤①~④を総括した内容を、時系列で一覧表にまとめます。
②テンプレートなどで図・表でロードマップを描く
前項で一覧表にしたものを、図と表を組み合わせながらロードマップを描いていきます。デザインは、企業ごとに決まっている場合があれば、自由形式の場合もあります。決まったデザインがなく、一から作成がしにくいときは、テンプレートを使う方法もあります。
「ロードマップ テンプレート」で検索すると、無料でダウンロードできるものもたくさんあるので、気になる人はぜひ探してみてください。
「ロードマップ」の類語・言い換え
ロードマップを日本語で表現したい場合は、次の言葉をあてはめることができます。
・道のり
・過程
また、「ロードマップ」の意味と混同しやすいカタカナ用語には「スケジュール」や「マイルストーン」があるので、それらとの違いも見てみましょう。
ロードマップとスケジュールの違い
「スケジュール」は「予定」や「予定表」の意味をもつ言葉で、時間軸ごとに具体的な計画があります。では、簡単なスケジュールを立ててみましょう。
・12時に昼食をとる。
・13時に出かける。
・16時までに帰宅、掃除をする。
しかし、これらは時間軸での計画であって、その先の明確な目標はありません。それに対し、「ロードマップ」には、最終的な目標地点が必ずあります。
つまり、「ロードマップ」のひとつひとつの地点で、そのときにどんなことをするのかという具体的な「スケジュール」が立てられるというわけです。
ロードマップとマイルストーンの違い
「ロードマップ」は、目標を達成するまでの全行程を記したものですが、最終地点の到達するまでに、いくつかのポイントを通過します。この通過点となるポイントが「マイルストーン」です。
たとえば、ロードマップ上の最終地点に到達するまでに、まずAを手がけ、クリアできたらBに移る。Bが完成したら次にC…、と順番に進んでいきます。この工程で順次到達していく「B」「C」という途中の目標地点が「マイルストーン」になると考えれば簡単でしょう。
「ロードマップ」を作成し、計画的に仕事を進めていこう
実際のところ、初めての「ロードマップ」作成には時間がかかるかもしれません。そのため、自分自身でなにか目標を作って、練習としての「ロードマップ」を作ってみるのもおすすめです。
また、「ロードマップ」には、必ず「スケジュール」や「マイルストーン」があるものです。これらの言葉との区別も明確にしておくと、ポイントをきっちりおさえた「ロードマップ」が作れるようになるので、ぜひ挑戦してみてください。