インセンティブとは?簡単に意味を説明すると?使い方・類語もご紹介

インセンティブとは「報奨」のこと

仕事などで目にする機会がある言葉としてインセンティブがありますが、これは簡単にいうと「報奨」の意味を持ちます。

報奨金などが代表例ですが、そうしたメリットがあれば動機づけになることもあります。目標を達成した社員に支給するお金についてインセンティブということが一般的です。

今回は、インセンティブの意味や使い方を簡単にわかりやすく解説します。

インセンティブの意味と使い方

インセンティブの意味は基本的に「報奨」と覚えておけば問題ありません。しかし、文脈によっては「見返り」や「刺激」の意味の方がしっくりくる場合があるので、確認しておきましょう。

意味①:「報酬」や「報奨」

ビジネスでは、営業や販売などの仕事では、基本給とは別に成果や業績に応じて報酬がもらえる仕組みがあります。この報酬をインセンティブといい、次のような呼び方をすることもあります。

インセンティブ制度

インセンティブ手当

目的としては、従業員が成果を出すことに対して動機づけられることが挙げられます。インセンティブで外的に動機づけをして、意欲をかき立てていくことを狙います。

報奨というと金銭が多いですが、特別休暇の付与などをインセンティブとするケースもあります。

意味②:「見返り」

ビジネス以外の場面も含め、なんらかの「見返り」をインセンティブと呼ぶこともあります。例えば、予防接種や選挙の投票などをしたときに、何か見返りがあるとしたら、それもインセンティブに該当します。

意味③:「刺激」

上記のように報酬や報奨、見返りによって意欲が引き出されますが、このときの動機や刺激、意欲そのものをインセンティブというケースもあります。この使い方をする機会は少ないですが、ニュアンスとして覚えておきましょう。

例文
・うちの会社では、売上を伸ばすとインセンティブ手当がかなり出るから、社員はみんな成果を出すために真剣だ。
・海外ではワクチン接種をしたらインセンティブが与えられるのだろうか。
・社員の仕事へのインセンティブを高める目的で、社長が朝礼で有意義な話をする習慣がある。

【類語】インセンティブと手当、ボーナスとの違い

給与には、基本給のほか、各種手当やボーナスがあります。手当には「役職手当」「資格手当」「住宅手当」などがありますが、これらは成果を出してもらえるわけではなく、もともとベースとして支給されるお金です。

また、ボーナスに関しても、給与の何ヶ月分が支給されるのか目安がありますが、人事考課などにおける評価を受けて個人間で変動することはあります。そのため、インセンティブの要素が全くないわけではありませんが、基本的には毎年決まった範囲で支給されるため、固定給与に近い位置づけといえます。

インセンティブは個人や組織の成果に対する報酬であるので、プラスアルファの存在といえます。

インセンティブの英語は「incentive」

インセンティブの語源は英語の「incentive」で、名詞と形容詞で次の意味があります。

刺激、動機

やる気を起こさせる

成功報酬は「incentive fee」、特別ボーナスは「incentive bonus」といったように、金銭に関わる表現をしたいときは他の単語と組み合わせればOKです。

マーケティングにおけるインセンティブの例

単に従業員に対する報酬や報奨金を与えるだけでなく、ビジネスではマーケティングにおいてインセンティブを活用することがあります。大きく次の2つに分類されます

消費者インセンティブ

消費者向けの施策で、試供品やおまけの配布、バーゲン、懸賞などが代表例です。過度に行うとブランド価値を下げるリスクがあるので、実施には注意を要します。顧客インセンティブともいいます。

また、近年は販促のために「デジタルインセンティブ」も浸透しています。例えば、ブランドやメーカーのSNSを友達登録すると限定スタンプがもらえるなどです。デジタルのクーポンなども定番となりました。

トレードインセンティブ

メーカーが小売・流通業者に向けた施策。取引の数や金額に応じて価格を下げたり(ボリュームディスカウント)、流通業者にお金を支払ったり(リベート)します。セールスインセンティブともいいます。

インセンティブの意味は文脈による

インセンティブといえば、基本的には金銭的な報奨を表すことが多いです。しかし、何らかの見返りを指したり、刺激そのものを指したり、文脈によって解釈しなければならない言葉でもあります。

ビジネスシーンで使われる機会が多いですが、「ワクチンのインセンティブ」といった表現のように、ニュースや時事でも当たり前に浸透してきています。インセンティブの意味をしっかり理解しておきましょう。