「ご苦労様です」とは「相手の苦労をねぎらう」言葉
相手に何かをやってもらった際に「ご苦労様です」と声をかけるとき、「お疲れ様ですのほうがよかった?」と思い返したことがありませんか?「ご苦労様です」も「お疲れ様です」も相手の苦労をねぎらう言葉ですが、使う相手や場面に違いがあります。
本記事では「ご苦労様です」のもつ意味、正しい使い方、言い換え表現、英語表現なども併せてわかりやすく紹介します。
「ご苦労様です」の意味・使い方・例文
「ご苦労様です」は、相手の苦労や頑張りなどをねぎらう言葉で、通常は、目上の人から目下の人に対して使います。
・ご苦労様です。この資料、さっそく確認させてもらうよ。
・イベント準備ご苦労様です。明日は予定通りに進行できるよう各自最終チェックをしておいてください。
ただし、配送業者の人が荷物を届けてくれたり集荷に来てくれたりした場合は、目下という意味ではなく、「苦労をかけて申し訳ありません。」「ありがとうございます。」といったように、ねぎらいと感謝の気持ちをこめて「ご苦労様」を使います。
・ご苦労様です。発送の荷物、あと一つあるのでお待ちいただけますか?
「ご苦労様です」と言われたときの返事の仕方
「ご苦労様です」と言われた場合は、あなたの苦労をねぎらってくれているわけですから、返事としては「ありがとうございます」とお礼の言葉を述べるのが適しています。
部下「大丈夫です。ありがとうございます。」
配達業者「〇〇運送です。」
顧客「ご苦労様です。荷物、ここにお願いします。」
配送業者「ありがとうございました。またお願いします。」
「ご苦労様です」の類語・言い換え表現
「ご苦労様です」は、基本的には目上の人から目下の人に対しての言葉であることは前述しました。では、目上の人や社外の人に対してはどのような言葉に言い換えればいいのでしょうか。
お疲れ様です
「お疲れ様です」は、相手をねぎらう言葉ですが、「ご苦労様です」と違い、目上の人に対して使えます。そのほか、同僚や部下に対して、「お疲れ様」と気軽な挨拶でも使われることが多いです。
部下「お疲れ様です。」
同僚A「ただいま戻りました。」
同僚B「お疲れ様。請求書もらってきた?」
「お疲れ様です」は、比較的広い用途に使えますが、社外の人に対して使うのは失礼にあたるので注意しましょう。
お世話になっております/お世話になります
社外の人に対して使える敬語表現で、ビジネスシーンにおいては、メールや電話での冒頭の挨拶言葉としてよく使われます。また、「お世話になっております」「お世話になります」には、次のような違いがあります。
【お世話になっております】
日頃から取引のある相手や、お付き合いのある人に対して使います。
【お世話になります】
新しい取引先、初めて連絡をとる人などに使います。
取引先に電話をかけた際のフレーズ
「お世話になっております。〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。」
「お世話になります。御社のホームページを拝見してお電話させていただきました。」
お世話様です
「お世話様です」は、お世話になった人に対し、感謝の気持ちを表す言葉で、「ご苦労様です」の類語として使えます。しかし、似たフレーズである「お世話になっております」「お世話になります」と違い、目上の人には使えませんので注意してください。
ただし、お世話になっている業者の人に対しては使うことがあります。
業者「〇〇運送です。集荷に参りました。」
顧客「お世話様です。今日はここにある10個です。よろしくお願いします。」
「ご苦労様です」の英語表現
「ご苦労様です」を英語で表現したい場合は「Thank you for your hard work.」を使いますが、カジュアルなフレーズとして「Well done.」もあるので、相手によって使い分けをしてもいいでしょう。
また、感謝の気持ちを丁寧に表した、次のようなフレーズもあります。
・Thank you for your concern.
(お心遣いに感謝いたします。)
・I appreciate your concern.
(お気遣いありがとうございます。)
「ご苦労様です」の意味を理解し正しく使おう!
「ご苦労様です」は、相手の苦労をねぎらう言葉ですが、使う相手を間違えると失礼にあたります。類語、言い換え表現の意味も理解し、うまく使い分けができるようにしておきましょう。