オープンソースとは「ソフトウェアを無料で公開する」という意味
「フリーソフト」の別名を「オープンソース」と認識している人も多いと思います。しかし、実は別物で、オープンソースとは、ネット上において無料で公開されており、さらに改良してもOKというソフトウェアのことを指すんです。
本記事では、オープンソースとはどのようなものかをわかりやすく解説するとともに、類語、関連語、メリット、デメリットなどについても紹介します。
オープンソースの意味・定義
オープンソースとは、ソースコード*が公開されてされている無料のソフトウェアで、「オープンソースソフトウェア」が正式名称です。また、オープンソースは、誰でも無料で使えるだけでなく、ソフトウェアを改良しての再配布も可能となっているため、さまざまなプログラマーの手により、継続的に改良され続けるといった特徴があります。
(ソースコード*:プログラムに「どのような動きをさせたいか」をプログラミング言語で書いたテキストファイルのこと。)
守るべき条件のオープンソースライセンスとは?
オープンソースは、自由に改良できるソフトウェアではありますが、制限なくなんでもできるわけではなく、一定の条件が定められています。その条件が書かれたものを「オープンソースライセンス」といいます。
オープンソースの普及活動をしている団体、Open Source Initiative(OSI)で承認されているライセンスは、「無保証である」「著作権表示を保持すること」など、約60種類あります。
もっと詳しく知りたい人は、内容は英語で公開されていますが、「オープンソースライセンス 一覧」などでぜひ検索してみてください。
フリーソフトウェアとの違い
フリーソフトウェアは、自由に使うことはできますが、オープンソースとは違い、改良はできません。大きな違いは、ソースコードが公開されているか否かだと考えれば簡単ですね。
オープンソースのメリット・デメリット
自身でプログラムが組める人にとって、オープンソースはメリットが多いと思うかもしれませんが、実はデメリットもあるんです。理解を深めるためにも、メリット、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
・技術進化に対してその都度柔軟に対応していける。
・ライセンス管理のための費用の削減が可能。
・誰でも閲覧が可能なため、不正やバグを発見しやすい
・プログラムの知識が必要なため、バグがあったとしてもすぐには発見されないことがある。
・最初の開発者もサポート責任がないため、不具合に対する対応をしてもらえない。
オープンソースの使い方・例文
プログラムを組めない人であっても、パソコンに詳しい人であれば「オープンソース」という言葉に遭遇することはあるでしょう。ここでは、どんな使い方をするのか、例文をいくつか紹介しておきます。
・プログラムが組めるようになったので、オープンソースの改良に挑戦してみることにした。
・このオープンソースは多くの人が改良を重ねているようだ。
・以前このオープンソースには不具合があったが、だれかが修正してくれたみたいで、快適に使えるようになった。
有名なオープンソースの一覧
オープンソースのソフトウェアは、紹介しきれないほど存在します。ここでは、それらの中でも比較的よく利用されている、有名なオープンソースを少し紹介しておきます。
ブログソフトで、ブログの解説やホームページの作成に利用できます。
デザインプレートが豊富で、プログラミングの知識のない人でも使いやすいのが特徴です。
(参考サイト:WordPress)
手軽にECサイトが作れる国産のオープンソースです。
関連サービスも手の届きやすい価格設定となっており、物流サービスも連携しているのが特徴です。
(参考サイト:EC-CUBE)
スカラー型、ベクトル型のデータを2次元の疑似カラーマップとして描画できるなど、高機能なグラフ作成ができるオープンソースです。
(参考サイト:Samurai Graph)
はめ込み合成、回転、ぼかしなど、多彩なエフェクトがかけられる動画加工ができるオープンソースです。幅広い環境で利用でき、動作が重くならないのが特徴です。
(参考サイト:Javie)
オープンソースのWebブラウザで、多くのWeb標準をサポートしています。「高速表示」「きめ細かい並列処理」「広告やスクリプトのブロック」「多彩なセキュリティ」などの機能をもっているのが特徴です。
(参考サイト:Firefox)
Microsoft Excel、Microsoft Wordなどと、同じような機能をもったソフトウェアが一つになって公開されています。Microsoft Officeと互換性をもっているのが特徴です。
(データ参照元:Open Office)
オープンソースの類語・関連語
オープンソースはソフトウェアなので、「オープンソースソフトウェア」や、英語表記「Open Source Software」の頭文字をとって「OSS」は言い換え表現として使えますが、類語は特に存在しません。しかし、一緒に覚えておきたい関連語はいくつかあるので、ここで紹介します。
オープンソース化
開発したソフトウェアを自社で使ったり販売したりするのではなく、オープンソースとして公開することを「オープンソース化」といいます。
オープンソースインテリジェンス
オープンソースインテリジェンスは、英語で「open source intelligence」と書き、OSINT(オシント)」という略語が使われることも多いです。これは、合法的に入手可能な資料を調べて突き合わせる手法をいい、政府の公式発表、メディアの報道、新聞など、公開されている情報を情報源とするのが特徴です。
API
APIは、「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェアの一部のみを公開し、他のソフトウェアと機能を共有する仕組みのことをいいます。
自身のソフトウェアに、他のソフトウェアの機能を埋め込む形で連携が可能となりますが、コードの公開はされていないため、使い方の説明も含めて公開されているのが一般的です。
オープンソースを活用してビジネスに活かしてみよう
IT社会である現代には、さまざまな種類のオープンソースが公開されており、初心者でも使いやすいソフトウェアが数多く存在します。公開されているものをそのまま使うのもいいですが、プログラムを組める人は、自身が使いやすいよう改良をし、ぜひビジネスに活用してみましょう。