アナリストとは?意味、種類、仕事内容、資格試験などもわかりやすく紹介

「アナリスト」とは「分析家」のこと

テレビで「〇〇アナリストの▲▲さんからコメントを…」と紹介されている場面はよく見ますよね?専門的な内容を話すため、「専門家」と認識している人がいるかもしれませんが、「アナリスト」とは、「分析家」や「評論家」を意味する言葉です。

本記事では、アナリストの意味や種類のほか、一緒に覚えたい関連語、英語などについてもわかりやすく紹介します。

「アナリスト」の英語は「analyst」

「アナリスト」は、英語では「analyst」と表記し、日本での意味と同じく「分析者」を指しますが、ほかににも「精神分析医」という意味ももっています

・financial analyst
(金融アナリスト)
・chief analyst
(主任分析官)
・crime analyst
(犯罪分析者)

日本においての「アナリスト」の意味

「アナリスト」は「分析」を意味する「アナリシス」がもとになっています。日本においては、物事や事象に関して分析することを職務としている人を「アナリスト」と呼んでおり、さまざまな情報を調査・分析し、その結果を必要としている人へアドバイスなどを行っている人全般を指します

日本国内でもさまざまなアナリストが活躍していますが、ここで、どのようなアナリストが存在するのか、少しピックアップして紹介しておきます。

証券アナリスト・金融アナリスト

「証券アナリスト」や「金融アナリスト」は、市場、企業の収益・経営状態・動向などのデータを調査・分析し、株価の評価をしたり、今後の金融の動向を予測したりするのが主な仕事です。「証券アナリスト」は主に証券会社に、「金融アナリスト」は、その他金融機関や経済研究機関などに所属しています。

取得しておきたい資格

・日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
・国際公認投資アナリスト(CIIA)
・証券外務員
・ファイナンシャルプランナー
・DCプランナー など

システムアナリスト

「システムアナリスト」は、システム開発において、最終工程を担当する専門家のことをいいます。顧客企業と直接コンタクトをとり、普段使っているシステム、業務内容、要望などを聞き、課題を見つけて解決方法を提案するのが主な仕事となります。

そのため、システムについての知識はもちろんのこと、コミュニケーション能力やプレゼン能力も必要です。

10年上のSE経験が必要。SE→プロジェクトマネジャー→システムアナリストとスキルアップしていくケースが多い

取得しておきたい資格

システムアナリストとしての資格は特にないが、10年以上のSE経験が必要。
【取得しておきたい資格】
・情報処理技術者
・ITストラテジスト試験
・ITパスポート試験 など

データアナリスト

さまざまなデータを収集・整理・分析し、顧客企業における事業の推進や改善をサポートすることが仕事です。この職業は、求められる役割によって、「コンサル型」と「エンジニア型」に分類されます。いずれのタイプも必要な資格はありませんが、身に付けておくと優位のスキルはあります。

コンサル型

業務プロセス、市場動向などを調査し、データを分析したり、需要を予測したりするのが仕事です。主に経営面のサポートを行うのが「コンサル型」です。統計学、マーケティング知識、情報処理技術などのスキルがあると有利です。

エンジニア型

アクセス解析、効果測定、機械学習などを行い、規則性を見つけて売上アップにつなげたり、異常をみつけてリスクを回避したりするのが仕事です。経営面ではなく、品質やサービスの向上を目的としたデータ解析を行うのが「エンジニア型」になります。コンサル型よりも技術的なスキルが必要とされています。

フードアナリスト

「フードアナリスト」は、一般社団法人日本フードアナリスト協会が認定する民間の資格で、食に関する情報を解説するプロです。

取得しておきたい資格

フードアナリストとして活躍するためには、フードアナリストの資格取得だけではなく、日本フードアナリスト協会への登録入会金や年会費が必要になります。

Webアナリスト

Web解析、アクセス解析、ユーザー分析といった、デジタル関連領域の分析を行い、収益につなげるためのWebサイトの改善などを行います

取得しておきたい資格

・ウェブ解析士認定講座
・Webアナリスト検定 など

スポーツアナリスト

練習や試合での映像を解析したり、スコアから分析したりして、そのスポーツの選手個人やチームを勝利に導かせるためのサポートをするのが仕事です。

取得しておきたい資格

そのスポーツに関しての知識に加え、情報収集能力、データ解析能力、コンピュータの使用技術などが必要です。

「アナリスト」の使い方・例文

アナリストは職種のため、使い方は比較的簡単だと思いますが参考までに例文を少し紹介しておきます。

例文

・スポーツアナリストは、そのスポーツに詳しいだけではなく、データ解析など技術的な知識も必要とは知らなかった。
・証券会社の社員として働いていたが、ステップアップしたいため、証券アナリストを目指すつもりだ。

「アナリスト」の類語・言い換え

「アナリスト」の言い換え表現としては、次の言葉が使えます。

アナリストの類語(言い換え表現)
・専門家
・評論家
・分析家
・研究家
・金融専門家
・分析専門家
・調査員 など

「アナリスト」と「ジャーナリスト」の違い

テレビや新聞などのメディアなどで、意見などを述べている「ジャーナリスト」は、その分野について自身で取材や調査などを行っていますが、「アナリスト」と違い専門家ではありません。また、身に付けなければならない資格やスキルもありません。そのため、自称でジャーナリストを名乗ることも可能で、活動の場は、報道機関が中心となります。

【アナリスト】
その分野の専門知識と分析力で、依頼者にアドバイスをしたり、意見を述べたりする「専門家」。
【ジャーナリスト】
自身で取材活動を行い情報をあつめ、自身の見解を述べたり、調査した情報を公表したりする「報道者」。

アナリストが所属するアナリスト協会とは

分野ごとにアナリスト協会が存在しており、資格試験のサポートをしたり、活動支援をしたりしています。

【アナリスト協会の例】
(参考①:日本証券アナリスト協会
(参考②:日本スポーツアナリスト協会
(参考③:日本テクニカルアナリスト協会

アナリストの関連語

「アナリスト」には、ぜひセットで覚えておきたい関連語が存在します。

アナリストレポート

証券アナリストが、企業を調査し、経営状況などを分析し、株式・為替・などの予想をして報告書として出されたものを「アナリストレポート」といいます。

アナリティクス

登録サイトにアクセスしたユーザー数、どこを経由してきたのか、どんなデバイスからアクセスしたのかなどを分析することができる、Googleのアクセス解析ツールを「アナリティクス」といいます。

アナライザー

キーやボタンを押したことを記録したり、分析したりする機器やソフトウェアを「アナライザー」といいます。

アナリストになるにはその分野での専門知識が必要

アナリストはその分野において専門的な知識をもったスペシャリストで、経験・知識・実績が重要なため、新卒でいきなりアナリスト職に就けることはまずありません。将来的にアナリストになりたい人は、どんな分野で仕事がしたいのかを明確にし、しっかりと知識を身に付ける努力をしましょう。