オブジェクションとは?裁判やビジネスでの意味や使い方、反対語、英語も紹介

オブジェクション

「オブジェクション」とは「異論」や「反対」のこと

「オブジェクション」とは、「異論」「反論」「反対」を意味します。ドラマなどの裁判の場面で「意義あり!」と発言することがありますが、まさにこれが「オブジェクション」になります。

なお、反対語のカタカナ用語はありませんが、日本語では「賛成」があてはまります。

本記事では、「オブジェクション」の正しい意味や使い方のほか、英語表現、類語、言い換え表現などについてもわかりやすく紹介します。

「オブジェクション」の英語は「objection」

「オブジェクション」は英語で「objection」と表記し、日本語とほぼ同じ意味で使われています

・反対すること
・異存があること
・反論
・異議
・反対の感情

熟語としてはこのような使い方をします。

・objection procedure(異議申立手続き)
・objection to a rule(規定に対する反対)
・local objection to ~(~に対する地元の反対)

また、「反対」を意味する単語は、「objection」のほかに「opposition」「protest」がありますが、違いは次のとおりです。

【objection】
「反対意見」のニュアンスが強く、法廷で使われることが多いです。
【opposition】
「抗議」という意味合いが強く、主に、「抗議する人」や「抗議する団体」の意味で使う事が多いです。また、政治的には「野党」を指す場合もあります。
【protest】
「抗議」のニュアンスで使いますが、「抗議する」という同士の使い方もします。

日本語においての「オブジェクション」とは

日本語として使われている「オブジェクション」は、裁判とビジネスシーンで意味合いが異なります

オブジェクションの意味①:裁判

裁判における「オブジェクション」は「異議あり」を意味します。英語で言う場合は「Objection your honor」と、裁判長に対して異議の申し立てを告げます。しかし、実際の法廷では「異議あり」と発言する場面はあまり見られないようです。

オブジェクションの意味②:ビジネス

ビジネスシーンにおいての「オブジェクション」は、マーケティングの分野では「見込み客に商品やサービスを拒否されること」、会議の中などでは「異論」や「反対」を指します。

「オブジェクション」の使い方・例文

日本のビジネスシーンでは、会議やミーティングの最中、異論があるときに「オブジェクション」と切り込んだり、「オブジェクションします」と言ったりします

例文

①今の意見にオブジェクションします。
②すべてを受け入れるのではなく、オブジェクションする勇気をもつのも大切だ。
オブジェクションするなら、きちんとその理由も述べてください。
④A社だけでなく、B社にもオブジェクションされてしまったため、現時点では先月の売上の3分の2になる見込みです。

①~③の例文は、会議やミーティングでの使い方で、④の例文は、マーケティング分野での意味「見込み客に商品やサービスを拒否されること」を指して使われています。

意見を誘導する「オブジェクションハンドリング」とは?

反対意見をもつ相手に対し、反論したり、おだてたりと、心理学的に誘導していく手法を「オブジェクトハンドリング」といい、その中でも「反論型」と「おだて型」に分類されます

オブジェクトハンドリング:反論型

反論型は、相手の意見に対し、その人の感情を刺激しない程度に反論を繰り返し、双方の意見をすり合わせていく方法をいいます。そして、最終的に、自分の意見と一致したところで終了となります。

オブジェクトハンドリング:おだて型

おだて型は、相手の意見の中で、自分の意見と合う回答や近い回答がでたら、共感する気持ちを示し、自分の意見と一致したところで終了となります。

「オブジェクション」の類語・言い換え

「オブジェクション」をわかりやすい日本語で言い換える場合、次の言葉があてはまります。

オブジェクションの言い換え表現

・異論
・反対
・異議
・反論
・抗議 など

例文

・彼の意見に対してオブジェクションする。
・彼の意見に対して異論を述べる。
・彼の意見に対して反対する。
・彼の意見に対して異議を唱える。
・彼の意見に対して反論する。
・彼の意見に対して抗議する。

「オブジェクション」の反対語・対義語

冒頭で、「オブジェクション」の反対語は「賛成」だと紹介しましたが、実際に発言する場合は「賛成」と言うことは少ないです。そこで、どのような言葉を使えばいいのかを少し紹介しておきます。

賛成です

シンプルな表現で、軽いミーティングではこの言い方でも問題ありません

異存はございません

不平不満もなければ反対意見ももっていない場合に使う「賛成」の表現です。

ごもっともです

相手の意見に賛成するしかない時に使う言葉ですが、「ごもっともです。ただ、私としましては…」と反対意見を述べることも可能です。

まさに、おっしゃる通りでございます

反論のしようがなく、「賛成するしかない」といった場面で使います。

仰せの通りです

目上の人や、取引先の人の意見に対し、「賛成です」と伝える場合の言葉です。

さようでございます

フォーマルな場面で、異論や反論なく賛成するときの表現です。ただし、「冷たい言い方」だととらえる人もいるので、注意が必要な言葉でもあります。

「大丈夫」は「賛成」の表現としては不適切?!

ビジネスシーンだけではなく、日常でも「問題ないです」「いいですよ」「反対はしません」の意味あいで「大丈夫です」が普通に使われていますが、本来は正しい「賛成」の表現ではありません

特に、目上の人や取引先の人対して、敬語表現ではない「大丈夫」を使うのは不適切ですので、「問題ございません」や、前述した「賛成」の表現を使うようにしましょう。

周りの空気を読みながら「オブジェクション」を唱えよう

反対意見があっても黙って従うのではなく、もっている意見ははっきりと伝えることは大切です。しかし、人は反論ばかりされ続けると不快な気持ちになるものです。オブジェクションを唱えるのは重要な行動ではありますが、多用しないよう、場の空気を読むことも忘れないようにしましょう。