「すべからく」とはどんな言葉？
「すべからく」の意味は、「当然」「ぜひとも」です。
類語は「必ず」「無論」。
英語で表すときは、「should」や「ought to」「It is essential that ～」を使います。
「すべからく」とはどんな意味？漢字では？
「すべからく」は漢字では、「須く」または「須らく」と表記します。
古文の授業で習った漢文に、「すべからく～べし」と読む再読文字の「須」があったことを覚えている人もいるかもしれませんね。「すべからく」はこの「須」から生まれた言葉で、次の意味をもっています。
・ぜひとも
「すべからく」は、「義務」や「当然」の意味合いをもつ「～するべし」や「～すべき」「～せねばならない」を後ろにつけて、セットで「当然なすべきこと」「ぜひともそうすべきこと」の意味を表すことが多いです。
「すべからく」は誤用が多い？
「すべからく」は、「すべて」「皆」「ことごとく」のニュアンスで使われることも増えていますが、これは誤用です。
誤用が多い理由は、「すべからく」を使った文に違和感を生じないからです。
例えば、「企業はすべからく社会に責任をもつべし」という文の場合、「企業は、当然社会に責任をもつべきだ」が正しい意味合いです。しかし、「企業はすべて、社会に責任をもつべきだ」と解釈してもそれなりに意味が通じてしまうため、誤用ではないと勘違いしてしまいやすいのです。
「すべからく」は、「すべて」「皆」「ことごとく」の意味では用いないので気をつけてください。
「すべからく」と「おしなべて」「すべからず」の違い
「すべからく」と同じようにひらがなで表記されることが多い難しい言葉に、「おしなべて」と「すべからず」があります。
「おしなべて」は、凹凸しているものを押して並べて、全体を均すことから来た言葉で、次の意味を表します。
・助詞「の」をともなって、なみなみ。普通
・全部がそうとはいえないが、大体の傾向として。おおむね。大略
「すべからず」は、動詞にくっついてその行動を禁止する言葉です。
・するべきではない
どちらも「当然」「ぜひとも」の意味をもつ「すべからく」とはニュアンスが違っていますね。区別して使えるようになりましょう。
「すべからく」の使い方を例文で学ぼう
「すべからく」の意味がわかったら、次は言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。
・企業はすべからく法令遵守し、適正に業務を遂行しなければいけない。
・サービスを提供するときは、すべからく質を担保すべきだ。
「すべからく」の類語・言い換え表現
「すべからく」の類語は「必ず」「無論」です。このうちの「無論」は、「言うまでもなく」「もちろん」という意味。それぞれの使い方をみてみましょう。
・社員は必ず会社の指示に従わなければならない。
「すべからく」は英語だと？
「すべからく」を英語で表したいときは、「should」や「ought to」「It is essential that ～」を使うとニュアンスを伝えられます。
ought to：～する義務がある
It is essential that ～：～の必要がある
【おまけ】「すべからく」の雑学
私たちの身の回りには「すべからく」が使われている言葉がいくつかあります。ビジネスからは話がずれますが、息抜きとして読んでみてください。
「すべからく」を正しく使おう
「すべからく」は「当然」「ぜひとも」という意味をもっています。間違って「すべて」「皆」「ことごとく」の意味で使われてしまうことも少なくありません。
「すべからく」を用いた文は間違った意味で解釈しても文のニュアンスに違和感が生じない場合が多いため、言葉本来の意味を理解しておく必要があります。
「すべからく」を正しく使えるようになりましょう。
