ニューノーマルとはどんな言葉?
ニューノーマルの意味は、「新しい常態」や「新しい日常」です。
類語は、「新しい生活様式」「アフターコロナ」「ウィズコロナ」。
英語で表すときは、「New Normal」を使います。
ニューノーマルとはどんな意味?
ニューノーマルは、次の意味をもつカタカナ語です。
・新しい日常
ニューノーマルは、「New(新しい)」と「Normal(正常、標準、常態)」を組み合わせた造語です。いままで常識とされていたことが大きく変わることを意味します。
世界に何か大きな変化が起こり、それまで世界を動かしていた経済理論やビジネスモデルが通用しなくなったときに使用されます。変化を巻き起こした何かが過ぎ去ったとしても、変化の前には戻らないというニュアンスを含んでいます。
また、変化に対応できないでいると時代に取り残されてしまうという、警告の意味も込められた言葉です。
ニューノーマルは3度あった
ニューノーマルという言葉が最初に使われるようになったのは、2000年代初頭です。インターネットが本格的に普及し、デジタル通信が電気や水道、ガスのような社会基盤のひとつとしてみなされるようになったネット社会が訪れたことで、用いられるようになったといわれています。
2度目は、世界金融危機とリーマンショックによって、2009年以降に起こった社会変化。世界経済が大きな打撃を受けたことで、人々の意識が資本主義一辺倒からそれを反省する方向に大きく変化し、持続可能な社会へと舵を切りました。
3度目は、新型コロナウィルス感染症の影響によって急激に、大きく変化した生活様式や企業活動、働き方のこと。最近の話題でニューノーマルといった場合は、この新型コロナウィルス感染症の影響による変化を意味します。
ニューノーマル時代の働き方
ニューノーマル時代では、テレワークが当たり前になるといわれています。出勤する場合も、時差出勤や時短勤務、フレックスタイム制を取り入れる会社が増えると考えられています。
また、お客様の自宅に伺っての営業活動や打ち合わせなど、対面のコミュニケーションが減り、オンラインの商談や打ち合わせが増加します。
テレワークやオンラインの商談が増えるので、社員はグループウェアやチャットツール、オンライン会議ツールなど、複数のオンラインツールを使いこなしながら働くことになります。書類はペーパーレス化が進むため、自宅や外出先からでも簡単に確認ができます。
さらに、企業内にWebアプリケーションやAIなど最新のIT技術が導入され、ビジネスの変革が起こる(DXの推進)ともいわれているので、社員もIT技術を用いたまったく新しいビジネスに順応する必要が出てきます。
ニューノーマルで求められる能力
ニューノーマルな時代の社会人には、オンラインでのやりとりを円滑に行うためのコミュニケーション能力が必要です。具体的には、相手の話をしっかりと聞く傾聴スキル、メールやチャットなどでわかりやすく説得力のある文章を書くスキルなどが求められます。
テレワークが当たり前になるので、周囲の目がないなかでもモチベーションを維持し、仕事に集中できるように自分を管理するセルフマネジメント力も欠かせません。
さらに、情報漏えいやウイルスなどから企業の情報資産を守るための、情報セキュリティに関する知識やスキルも身につけなければなりません。
ニューノーマルで企業に必要なこと
ニューノーマルでは、テレワークが当たり前になるため、企業はテレワークに必要な環境を整備しなければなりません。
テレワークを導入するには、具体的には次のような準備が必要です。
・ネットワーク環境の整備
・業務に必要なオンラインツールの整備
・書類のペーパーレス化
・セキュリティシステムの強化など
また、ニューノーマルにより、企業は次のようなことも求められます。
従業員を管理する新しい仕組みを作る必要がある
企業は、上司の目が届きにくいテレワークでも、従業員の勤怠管理や業務管理ができる仕組みを作る必要があります。テレワークが定着することで、「時間」ではなく「成果」で従業員を評価する企業が増えてくると予想されています。
従業員の心身の健康を守ることも、今まで以上に求められます。テレワークは、人との接触が少なくなることで孤独を感じる従業員が増えるなど、従業員の心の健康管理が難しくなるため対策が必要です。出勤しての勤務の場合は、従業員を感染症などの危険から守る対策が必須。
従業員の心身の健康を守ることは、コロナ対策としてだけでなく生産性の向上にもつながります。
消費者のニーズに対応したビジネスに修正する必要がある
ビジネスのお客様である消費者も、従業員と消費者が直接接触しないことを好む人が増えています。そのため、企業はニューノーマルに対応した形で商品やサービスを提供する方法を考える必要があります。
感染症のほかにも、地震や津波、豪雨といった自然災害など、予測が難しい事態が増えていますよね。万が一の事態が発生したときに会社として耐えられるように、事業継続性の高い経営をすることも強く求められています。
ニューノーマルは英語だと?
ニューノーマルは、英語では「New Normal」と表します。
意味や使い方はカタカナ語のニューノーマルと同じため、英語で話す機会があったら難しく考えずに使ってみましょう。
ニューノーマルの使い方を例文で学ぼう
ニューノーマルの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・ニューノーマルに対応したオフィスづくりを提案する。
・ニューノーマルの外食業界をテーマにした展示会を開催する。
・市場のニューノーマル化の波に乗り遅れないように対策を立てる。
ニューノーマルの類語・言い換え表現
新型コロナウイルス感染症によるニューノーマルは、「新しい生活様式」「アフターコロナ」「ウィズコロナ」に言い換えられることもあります。
・アフターコロナを見据えて設備投資をする。
・ウィズコロナを目指したビジネスを展開する。
【おまけ】ニューノーマルをテーマにした本
ニューノーマルをテーマにした本も出版されています。興味のある本がないか探してみてください。
ニューノーマル時代の経営学
「ニューノーマル時代の経営学」は、ニューノーマル時代に、企業はどのような経営をする必要があるのか、日本の企業に適したノウハウや経営論がわかりやすく紹介されている本です。
アフターコロナのビジネスで役に立つのかという観点で、新しいものから昔ながらのものまで、幅広い理論を体系的に学ぶことができます。
論文ベースで書かれており、論文が執筆された背景や企業の事例なども紹介されています。注釈や表も多くてわかりやすいです。
ニューノーマル
「ニューノーマル」は、感染症によってマスクで口元を隠すのが当たり前の文化となり、ほかの人に口や鼻を見せることが、裸を見せるかのようなとんでもない事柄とされている近未来を舞台にした漫画です。
学生の秦は、ある日同級生の少女・夏木のマスクを外した素顔を見てしまいます。そのことをきっかけに秦と夏木は2人だけの秘密を共有する特別な関係となって・・・。
若者の恋愛模様だけでなく、ニューノーマルな世界ならではの複雑な社会の対立も描かれています。
ニューノーマルを意識した働き方をしよう
ニューノーマルは「新しい常態」を意味するカタカナ語です。近年の話で使われるときには、新型コロナの影響で急激に変化した社会のことを意味しています。
新型コロナが収まっても、変化した社会が完全に以前の状態に戻ることはないといわれているため、社会人として生き抜くためにはニューノーマルな働き方に対応するしかありません。
ニューノーマルを意識したビジネスに早く順応し、時代に取り残されないようにしましょう。