「惰性」とはどんな意味?使い方の例文や類語、対義語、英語も解説

「惰性」とはどんな言葉?

「惰性」の意味は、「今までの習慣や癖」「慣性」です。

類語は「漫然」「習慣」「常例」。対義語は「精力的」「意欲的」「積極的」です。

英語で表すときは、「out of habit」「automatically」「unthinkingly」「aimless」「inertia」を使います。

「惰性」とはどんな意味?読み方は?

「惰性」の読み方は「だせい」で、次の意味を表します。

惰性
・今までの習慣や勢い。ずっと続いてきた癖
・慣性(かんせい)。静止している物体は外から力が加えられない限り静止の状態を続け、運動している物体はその速度を保ち続けようとする性質

「惰性」の意味は、言葉を構成している漢字の意味を考えるとイメージしやすくなります。

「惰」と「性」は次の意味をもっています。

①なまける。おこたる
②それまでの習慣や状態が続くこと
①さが。うまれつき。うまれながらの心のはたらき。たち
②もちまえ。物事の本質。傾向
③男女、雌雄の別

「惰」と「性」を組み合わせた「惰性」は、ものや人がもともと持っている性質や習慣、状態が続くことを意味します。

「惰」の「なまける」の意味から、性質や習慣の文脈で「惰性」が使われる場合、なまけてダラダラし続けていることを意味するケースが多いです。「惰性」がプラスのニュアンスで使用されることはあまりありません。

「惰性」の使い方を例文で学ぼう

「惰性」は、人が持っている癖や習慣を意味する場合と、物体の運動を意味する場合があります。

どちらの意味で使われているのか考えながら、例文を読んでみてください。

惰性で生きる
【意味】
目的や生きがいもなく、だらだらと生きること

【例文】
目標を見つけて、惰性で生きることをやめた。

惰性になる
【意味】
惰性の状態になる

【例文】
長く続けていることで、惰性になってしまっている事柄がないかを見直した。

惰性で仕事
【意味】
長く続いているやり方でなんとなく仕事をすることや、ダラダラと仕事をすることを意味する表現

【例文】
パターン化されると、惰性で仕事をする人が増える。

惰性で働く
【意味】
気持ちややる気がない状態で、ダラダラと働く

【例文】
好きな仕事というわけでもなく、ただ惰性で働き続けている。

惰性で行う
【意味】
いつもやっている事柄をなんとなく続けて行う

【例文】
この会社には、惰性で行っている行事が多い。

惰性に流される
【意味】
主体性なく今までの習慣どおりに何かをする

【例文】
惰性に流されるのではなく、積極的に仕事に取り組む。

惰性で付き合う
【意味】
恋愛で使われる表現。愛がなくなり情だけで付き合っている状態。お互いに相手から愛される努力をしていない付き合い

【例文】
惰性で付き合う関係にけじめをつけた。

「惰性」の類語・言い換え表現

「惰性」の類語は、「漫然(まんぜん)」や「習慣」「常例(じょうれい)」です。それぞれの言葉の意味や使い方をおさえておきましょう。

漫然
【意味】
これという目的や意識を持たず、とりとめのないさま。ぼんやりとして心にとめないさま

【例文】
漫然と作業を繰り返すだけでは効率を上げられない。

習慣
【意味】
・長い間繰り返し行ううちに、そうすることがある人のきまりのようになったこと
・その国やその地方、その団体に所属する人々のあいだで、普通に行われる物事のやり方。社会的なしきたり。ならわし。慣習
・心理学で、学習によって後天的に獲得され、それが繰り返されることによって固定化された個人の行動様式

【例文】
食後の甘いものが習慣になっている。

常例
【意味】
いつものきまったやり方。いつもきまってすること。ならわし

【例文】
仕事の持ち帰りが常例化している。

「惰性」の対義語

「惰性」にははっきりとした対義語がありません。しかし、「惰性」を「なまけてダラダラし続けていること」というニュアンスで使う場合は、「精力的」「意欲的」「積極的」を反対の意味の言葉として使用できます。

精力的
【意味】
気力、体力などのあふれるさま。 活力に富むさま

【例文】
彼は、晩年まで精力的な活動を続けていた。

意欲的
【意味】
物事を積極的にやろうとする気持があふれている様子

【例文】
環境に配慮した製品を開発するための、意欲的な取り組みが高く評価された。

積極的
【意味】
物事を自ら進んでするさま。 活発に推進していくさま

【例文】
難しい仕事にも積極的にチャレンジする。

「惰性」は英語だと?

「惰性」を英語で表すときは、「out of habit」「automatically」「unthinkingly」「aimless」「inertia」などを使います。

「惰性」の英語
out of habit:惰性で、まったくの習慣から、習慣で
automatically:習慣の惰性で、自然の成り行きで、自動的に、機械的に
unthinkingly:何も考えずに、考えもせずに、考えなしに、漫然と、無意識に、うっかりと
aimless:目的のない、目標を持たない
inertia:慣性、惰性、惰力、不活発、ものぐさ、遅鈍、無力、緩慢

単語や表現によってニュアンスに違いがあります。伝えたい意味合いに近いものを選んで使ってください。

【おまけ】惰性67パーセント

「惰性67パーセント」は、日本の漫画家 紙魚丸(しみまる)さんが描いた青年漫画です。

美術系大学に通う主人公の女子大生 吉澤みなみの部屋には、毎日友達が遊びに来ています。リア充まではいかないまでも、それなりに楽しい毎日が惰性で続いていき・・・。

ちょっとエッチな漫画が好きな方は、一度読んでみてください。

「惰性」の意味を正しく理解しよう

「惰性」は「今までの習慣や癖」と、物体の「慣性」の2つの意味をもつ言葉です。

ビジネスではどちらの意味でも使用されるため、どのニュアンスで用いられているかを文脈から読み取る必要があります。

「惰性」の意味をしっかり理解し、うまく使えるようになりましょう。