デフォルメとは「変形して表現する」
デフォルメという言葉を耳にしたことのある方も多いでしょう。しかし、似たような音の言葉である「デフォルト」と混同しやすいため、少し注意が必要です。
デフォルメは簡単にいうと「変形して表現する」ということ。イラストなどの世界で使われることが多い言葉です。この機会に覚えておきましょう。
デフォルメの意味
デフォルメという言葉はフランス語が語源です。「変形する」という意味の「déformer」に由来しています。日本語でも意味は大きく変わりません。
・変形
・何かを変形させること
・変形させて新しい形を作り出すこと
変形とは、原型となるものがベースにあります。原型を変形させたり、誇張させたりして、新しい形を生み出すことがデフォルメです。
デフォルメという言葉は、イラスト、建築、ダンス、メイクといった芸術・美術などの分野でよく用いられます。
デフォルメの英語
デフォルメはフランス語が語源ですが、英語でも同じような意味の単語があります。英語では「deform」と書いて「ディフォーム」と読みます。これも同様に「変形」の意味を持つ言葉です。
英語の場合は、芸術や美術に関する対象の限定せず、何かを変形させるときに幅広く使用することができます。
なお、「変形」という名詞として使用する場合は「deformation」というスペルになります。
デフォルメと混同しがちな「デフォルト」
デフォルメと似た言葉に「デフォルト」があります。デフォルトは英語の「default」に由来する言葉で、次のような意味を持ちます。
・標準、定番、初期設定
・債務不履行
よく使うのは「標準」や「初期設定」という意味のデフォルトです。スマホやアプリなどの初期設定もデフォルトです。「設定をデフォに戻す」「それがデフォ」などのように略して使う場合もあります。
また、金融の世界では債務不履行のことをデフォルトといいます。「デフォルトの危機」などのフレーズであれば、債務不履行というネガティブな意味であることが推測できます。
芸術や美術の世界で「変形させる」という意味を持つデフォルメとは、意味がまったく異なります。音が似ているだけなので注意が必要です。
デフォルメの類語・対義語
デフォルメには類語と対義語として使える言葉がいくつかあります。ボキャブラリーを広げるため、この機会に目を通しておきましょう。
類語①:パロディ
デフォルメと同じように「元にしたものを新しいものに変える」という意味があります。ただ、特徴を巧みにとらえながら、ユーモア、面白さ、皮肉を加えるという側面があります。芸術、演説、文学などに用いることができます。
類語②:オマージュ
オマージュには「尊敬」という意味があります。「敬意を払って対象となるものを参考にする」というニュアンスを持つのがオマージュです。尊敬する作品に似せて創作することを意味します。
対義語:写実的
デフォルメには「変形」という意味があるので、事実をそのまま描こうとする「写実的」は対義語として使えるでしょう。
デフォルメを、変形を加えていない状態での複製と解釈すると「コピー」も対義語として位置づけられます。
デフォルメキャラとは?
すでに存在するキャラクターの特徴を誇張して描かれたキャラのことです。例えば、6〜8頭身のキャラクターを2〜3頭身に、目も大きくして、ポーズも工夫して、可愛らしいイメージに作り変えたものが挙げられます。
具体例としては、新世紀エヴァンゲリオンの登場人物を小さく、可愛らしく描いた「ぷちエヴァ」のキャラがいます。これは公式デフォルメ作品です。デフォルメキャラには公式、非公式の場合がありますが、趣味の範囲で描いて楽しむ方もいます。
デフォルメの使い方・例文
・青春時代に多くの人が経験する初恋のエピソードをデフォルメして、この映画の世界観に落とし込んでいる。
デフォルメはアニメやイラスト業界ではおなじみ
デフォルメという言葉は、アニメのキャラやイラストなどについて使うことが多いため、そうしたカルチャーに関心がある方にとってはなじみの深い言葉です。
また、キャラクター以外にも、文学や映画など、さまざまな作品でデフォルメは登場することがあります。美術や芸術に関する話題でデフォルメという言葉に遭遇したときに困らないよう、この機会に覚えておきましょう。