「一期一会」とは「一生に一度の出会い」という意味
「一期一会」は、「一生に一度の出会い」という意味の言葉です。四字熟語を会話の中に取り入れられると知識人のように見えますが、それには意味を明確に理解しておかなくてはなりません。本記事では、「一期一会」の正しい意味や使い方のほか、類語、言い換え、英語表現などについてもわかりやすく紹介します。
なお、「一期一会」の反対語にあたる明確な四字熟語はありませんが、「一期一会」が一生に一度というように珍しいものであるとするなら、「よくあること」「日常茶飯事」と捉えることができるので、併せて覚えておくと便利です。
「一期一会」の読み方・意味
「一期一会」は「いちごいちえ」と読みます。もともとは、茶道の精神論のひとつで「今日の一会(お茶会)は生涯に二度とない会だと思い、主客とともに親切実意をもって交わることが大切である」という心得を示した言葉とされています。
簡単にいうと、「この人とはこの先二度と会うことがないかもしれないので、そのような覚悟をもって接しなさい」ということです。そして現代では、「一生に一度の機会ともいえる出会い」を表す言葉として「一期一会」が使われるようになりました。
「一期一会」は人との出会い以外にも使われる
出会いと聞いて真っ先に頭に浮かぶのは、人に対する「出会い」かもしれません。また、「一期一会」の由来も人との出会いです。しかし、現代で使われる「一期一会」は、「これ以上のものはないといえるほどの物件に出会った」など、物や出来事に対する良い出会いに対しても使われています。
「一期一会」の使い方・例文
「一期一会」のような四字熟語を会話の中に入れるのは少し難しいと感じる人もいるでしょう。そこで、文章中での使い方についての例文を紹介します。場面を想像しながらぜひ読んでみてください。
・店頭では一期一会の精神でお客様に接してください。
・旅先での一期一会はいい思い出になる。
・〇〇さんとの出会いはまさしく一期一会だと思う。
・先日の展覧会では一期一会ともいえる絵画を目にすることができた。
座右の銘の「一期一会」は好印象?
「一生に一度の出会い」が頭に浮かぶということは、「貴重な出会い」「大切にしなければならない」という意識が芽生えていると解釈されやすいです。
そのため、座右の銘に「一期一会」を掲げている人は、出会った人すべてに「この時間はとても大切だ」と感じながら接すると考えられることから、面接などの自己PRにいれると好印象を与えられるともいわれています。
「一期一会の出会い」は間違った使い方
「一生に一度の出会い」には、すでに「出会い」が含まれています。そのため「~の出会い」にすると、「出会い」を二つ重ねていることになります。
目上の人に対しての使用は注意
その人との出会いが良いものであった場合に「一期一会」を使いたくなるものです。しかし、一期一会には「どんな人との出会いも大切にする」といったニュアンスも含まれているため、人によっては、「自分との出会いはそんな些細なものなのか」と捉える場合もあります。
どのように捉えられるか不安な場合には、「あなたに出会えたことはとても幸運だ」といった言葉を伝えるようにしたほうが賢明です。
「一期一会」の類語・同義語・言い換え表現
「一期一会」を簡単な表現に言い換えたい場合はこのような言葉が使えます。
・またとない出会い
・偶然の出会い
・巡り合い
・二度とない出会い
・二度とない機会
・一度きりの出会い など
また、四字熟語での類語には「千載一遇(せんざいいちぐう)」や「一世一代(いっせいいちだい)」があります。
「千年に一度しか出会えないようなよい機会であること」という言葉です。「一期一会」は人に対して使うことが多いのに対し、「千載一遇」は主に物や事柄に使います。
(例文)
・千載一遇のチャンスだ。
・あなたのような人に出会えるなんて千載一遇の幸運としかいいようがない。
(例文)
・私は今、一世一代の大仕事をやり遂げた満足感で溢れている。
「一期一会」の英語表現
「一期一会」は四字熟語で日本独特の表現なので、直訳にはせず「一生に一度の」の意味をもつ「once in a lifetime」を使います。
・This encounter was truly a once in a lifetime experience.
・この出会いは、まさに一期一会であった。
「一期一会」の意味を理解し正しく使おう!
どんな人でも「一期一会」と思える出会いをすることはあるでしょう。そんなとき、スマートに言葉として表現できるよう、正しい意味や使い方をしっかりと覚えておきましょう。