ピックアップとは「選ぶ」や「拾い上げる」のこと
ピックアップという言葉は、日常会話の中に浸透しています。「選ぶ」や「拾い上げる」の意味がありますが、他の使用法になるケースも。
また、スポーツや音楽など業界によってはニュアンスが異なる場合があります。加えて、ピックアップという言葉は英語の「pick up」とイコールではありません。ピックアップは、簡単なようで使い方に少し注意が必要な言葉なのです。
日本語のピックアップが持つ意味
ピックアップという言葉には大きく3つのニュアンスがあります。どれもよく使うので覚えておきましょう。
①:選ぶ
複数の選択肢から何かを選ぶことです。並んでいるものから物理的に選び出すこと、話題や問題点など目には見えないものを選び出すこと、いずれの場合も含みます。
②:拾い上げる
何かを拾い上げるという意味もあります。道端や床に落ちたものを拾い上げる。また、話題やアイデアを「取り上げる」というニュアンスでも使用します。
③:車で迎えにいく
車などで誰かを拾う、迎えにいくという意味もあります。ピックアップという意味自体に「車で乗せる」の意味を含むので「車でピックアップ」と言わなくても通じます。
・この中からピックアップしてください。
・いつものコンビニでピックアップしてくれる?
英語で正しくピックアップを表現するには?
英語で拾う、拾い上げる、選ぶというときは「pick up」を使えません。多くの選択肢から何かを選ぶとき、拾い上げるときの正しい英語表現は「pick out」となります。
「pick up」は持ち上げるという意味合いが強くなるので、区別しておく必要があります。また、「電話に出る」「商売がうまくいく」「ナンパする」という意味もあり、用途は幅広くなります。
ピックアップは和製英語になります。英語圏の人には通じないことを念頭におきましょう。
分野別!各業界で登場するピックアップ
スポーツ、音楽の世界でピックアップというと、特有の意味になります。なじみは薄いかもしれませんが、念のため目を通しておきましょう。
スポーツ
バスケットボールのピックアップは、ディフェンスの選手がオフェンスの選手の動きを封じることを指します。相手のオフェンスを意図したように動けない状態にさせます。
また、ラグビーの反則行為にピックアップがあります。ボールを地面から拾い上げる反則なので、「ピックアップ」といいます。ボールが地面になければならないタイミングで拾うと反則になります。
音楽
音楽では楽器の音を電気信号に変換するための装置をピックアップといいます。ギターやベースの音を変換する機器は「ギターピックアップ」と呼びます。楽器の音を「拾い上げる」という意味でピックアップなのです。
また、レコードの溝から音を取り込むこともピックアップです。同じように、音を取り出す、取り込むといった意味があるためです。
ピックアップの類語・言い換え表現
「選ぶ」という意味のピックアップにはいくつか類語があります。表現の選択肢として持っておきたいところです。
・セレクト
・チョイス
いずれも「選ぶ」「選択する」といった意味があります。それほど難しい言葉ではないため、場面に応じて使いこなしてみてください。
ピックアップの関連語
ピックアップという言葉を含む関連語もいくつかあります。雑学として知っておきましょう。
ピックアップトラック
荷台のついた車で、乗用車と軽トラックの中間のようなトラックを指します。日本ではそれほど多くなく、アメリカではよく用いられています。
ピックアップキャラ、ピックアップガチャ
ゲームアプリで、あるキャラクターの出現率が高くなっている場合に使います。そのキャラを「ピックアップキャラ」、そのキャラが出てくるガチャを「ピックアップガチャ」といいます。
ピックアップは和製英語で独特の使い方に
ピックアップという言葉は英語に由来しているような感じがしますが、実は和製英語。英語圏の人には通じません。
しかし、日本語としては「選ぶ」「拾い上げる」「車で迎える」の意味で広く用いられています。日常生活でもビジネスでも登場する機会の多い言葉なので、この機会に使い方のパターンを覚えておきましょう。