マンダラチャートとはどんな言葉?
マンダラチャートは、発想法の一種です。
類語は、「マンダラート」「目標達成シート」。
英語で表すときは、「Mandala chart」を使ってください。
マンダラチャートとはどんな意味?
マンダラチャートは、発想法の一種です。
マンダラチャートは、思考をデザインすることを閃いたデザインコンサルタントの今泉浩晃氏が、仏教の世界観を描いた曼荼羅模様(まんだらもよう)に着想を得て発明しました。
曼荼羅は、中心に大日如来(だいにちにょらい)が据えられ、その周囲を同心円状にたくさんの如来や菩薩たちが取り囲む配置で描かれることが多いです。
マンダラチャートは縦9マス×横9マス、計81マスの正方形の図。81マスの正方形の中心にあるマスにメインテーマを据え、その周囲にテーマに関連する事柄を書き出していきます。
マンダラチャートと曼荼羅は、中央から関連するものが放射状に広がっていくところが共通しています。
マンダラチャートは英語だと
マンダラチャートは英語だと「Mandala chart」と表記します。
「mandala」は仏教の曼陀羅のこと。「chart」は次の意味をもつ単語です。
・航空用のチャート
・図表、グラフ、表
・患者用カルテ
・歌謡曲などのヒット曲番付、ヒットチャート
2つの単語をつなげた「Mandala chart」は、曼陀羅の図表という意味になります。
マンダラチャートの使い道の例
マンダラチャートは、ビジネスでは次のような場合に使えます。
・解決したい問題があるとき
・情報を整理したいとき
・情報を伝達したいとき
・発想を引き出したいとき
・発想を整理したいとき など
目標達成の方法を探るためにマンダラチャートを使うなら、メインテーマを「達成したい事柄」にします。問題解決なら「問題解決できたあとの理想の姿」や「解決すべき課題」がメインテーマになります。
何かを評価するために情報を整理したいなら「評価の対象」をメインテーマにすればよく、しなければならないことを洗い出すTO DOリストとして使うことも可能。
メインテーマを変更するだけで、さまざまな事柄の思考に使用できるのがマンダラチャートの魅力です。
マンダラチャートの作り方
マンダラチャートを作るときは、最初に縦9マス×横9マス、計81マスの正方形の図を描きます。
81マスの正方形が描けたら、それを縦3マス×横3マスの正方形の塊が9つできるように、区切っていきます。81マスの正方形の縦と横、それぞれに端から3マスおきに太線を引くと、うまく区切れます。太線は縦横それぞれに2本ずつ引けますよ。
インターネットでは、無料で使えるエクセルのテンプレートやアプリも公開されています。それを使用するのもおすすめです。
書き方①メインテーマを決める
81マスの正方形を、縦3マス×横3マスの正方形の塊に区切ったら、中央に位置する縦3マス×横3マスの正方形の真ん中のマスにメインテーマを書きます。
メインテーマは最も重要な事柄を選んでください。
目標を細かく決めてそれごとにマンダラチャートを作ることも可能ですが、そうするとやらなければならないことに追われてどれも中途半端に終わってしまう可能性が高まります。個人的に同時に取り組むマンダラチャートは仕事関係でひとつ、プライベートでもひとつくらいにしておくことをおすすめします。
メインテーマは、なるべく具体的な内容にするのがポイント。目標の金額やいつまでになど、具体的な目標であればあるほど、この後の作業がしやすくなります。
書き方②メインテーマに関連する項目を8つ考える
メインテーマを決めたら、それに関連する項目を8つ決めます。
理想の姿の全体像を具体的にイメージし、一方ばかりを重点的に追及することがないようにバランス良く、バラバラな要素を考えます。項目の整合性が取れているかも確認してください。例えば、「30代で独立して女性実業家になる」という目標を立てたとして、仕事一辺倒の行動ばかりを項目にしてしまうと、健康や生活が崩壊してしまうことも。
客観的な視点で考えられるように、同じような目標をすでに達成している先輩のマンダラチャートを参考にしたり、ほかの人に相談に乗ってもらうのもおすすめです。
8つの項目が決まったら、メインテーマのマスを取り囲む8マスに記入します。これで、81マスの正方形の中央にある縦3マス×横3マスの正方形がすべて埋まります。ここで決めた8つの項目は、次の作業で使う小テーマになります。
書き方③小テーマについて関連項目を考える
②で決めた8つの小テーマひとつずつを、残りの縦3マス×横3マスの正方形の中央のマスにひとつずつ記入します。
ひとつの小テーマごとに、②のときと同様に関連する項目を8つ決め、縦3マス×横3マスの正方形の小テーマを取り囲む8マスにそれぞれ記入してください。
最終的にはすべてのマスを埋めなければなりませんが、一度に81マスを全部を埋める必要はありません。
マス目が埋まるにつれて全体像を具体的にイメージできるようになるため、思いつかないマスは後回しにして、どんどん別のマスを埋めていきましょう。埋められるマスを埋めきったら、書いたことを実践してください。目標に向かって行動していくなかで、必要だと感じた事柄を追加して、最終的に81マスを埋められればOKです。
どうしてもマスが埋まらないときは
どうしてもマスが埋まらないときは、メインテーマが適切か見直してみましょう。本当にそれが自分にとってもっとも重要な事柄なのか考えてみてください。
マスが埋まらないときに限らず、マンダラチャートを作っている最中により重要だと思えるものが見つかったら、最初に決めたメインテーマにこだわらずテーマを変更します。その先の小テーマも同じで、優先すべきものが見つかったらテーマは柔軟に変更し、その先の内容も考え直してください。
具体性がないテーマになっていないかも確認。目標数値や期日などを加えた、より明確なテーマを考えてやり直します。
それでもマスを全部埋められないときは、それまでに作ったマンダラチャートは放棄して、まっさらな状態から新しいマンダラチャートを作り直しましょう。古いマンダラチャートを見ると前の思考に引きずられてしまうので、一切見ずに作るのがポイントです。
マンダラチャートの欠点
いろいろなことに使えて便利なマンダラチャートですが、欠点もあります。
メインテーマを構成する重要な項目が9つ以上ある場合は、無理矢理8つに絞ることで対策に漏れが出てしまいます。逆に7つ以下で充分だった場合は、無駄なテーマを考えることに時間を取られてしまいます。
また、メインテーマに関する知識や経験がある程度ないと、自力ではすべてのマスを埋めるのが困難です。無理に書いても、本当に重要なテーマを具体的に考えられないと、中身の薄い対策になってしまいます。
これらの欠点は、マインドマップなどほかの手法と併用したり、経験者の手助けを得ることで補うことが可能です。
マンダラチャートは大谷選手が使ったことで有名
マンダラチャートは、投手と打者の二刀流で活躍しているメジャーリーガー 大谷翔平選手が使ったことで有名です。大谷選手の母校 花巻東高校の野球部では、監督の佐々木洋氏の指導により、選手一人ひとりが自分のマンダラチャートを作っています。
大谷選手は、マンダラチャートの目標に「ドラフト1位で8球団に指名される」ことを掲げ、その目標を達成するために次の8つの項目を書き出しました。
・メンタル
・人間性
・コントロール
・スピード160km/時
・キレ
・変化球
・運
そして、それぞれの項目について、それを満たすには何が必要かを8つずつ考えました。例えば、「人間性」について大谷選手は、「感性」「愛される人間」「計画性」「感謝」「継続力」「信頼される人間」「礼儀」「思いやり」の8つを挙げています。
マンダラチャートで自分の目標にたどり着くまでの道筋を確認し、項目を満たせるように一つひとつ地道に努力し続けたことで、大谷選手の今の活躍があるのでしょうね。
マンダラチャートの使い方を例文で学ぼう
マンダラチャートについてわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・マンダラチャートで目標実現に必要な課題を可視化する。
・マンダラチャートをもとに行動する。
マンダラチャートの類語・言い換え表現
マンダラチャートは、「マンダラート」や「目標達成シート」と呼ばれることもあります。これらの類語はマンダラチャートと同じように使います。
・目標達成シートを用いて、課題の解決策を話し合う。
マンダラチャートを使ってみよう
マンダラチャートはビジネスでもプライベートでも使用できる発想法です。個人的な事柄でも、チームとして取り組むことでも、マンダラチャートは作成できます。
ビジネスやプライベートでマンダラチャートを使ってみましょう。