プロトタイプとは「試作品」か「手本」のこと
プロトタイプという言葉は、聞いたことがあっても意味を説明できない方も多いかもしれません。プロトタイプには大きく分けて「試作品」と「手本」という2つの意味があるので、少し意味をとらえにくいのです。
しかし、プロトタイプは使い方のパターンを覚えてしまえば、意外と簡単に使用できます。
この記事では、プロトタイプの意味や使い方、英語、反対語について解説します。
プロトタイプの意味
プロトタイプが持つ2つの意味を順番にみていきます。
プロトタイプの意味①:「試作品」「原型」
プロトタイプといえば、一般的には試作品を意味することが多いです。試作品とは、製品を大量生産する前に、まずは試しに作ってみたモデルのこと。
製品の開発に関するニュース記事では、よく試作品の意味でプロトタイプという言葉が使用されています。試作品があると、完成形のイメージを広くPRできますし、量産する前にユーザーの意見を反映することもできます。
なお、試作品=原型であることから、プロトタイプには「原型」という意味もあります。
プロトタイプの意味②:「模範」「手本」
何かを製造するときなどに、「模範」や「手本」にするものをプロトタイプということがあります。試作品の意味ほど一般的ではありませんが、文脈によってはこの意味がしっくりくることがあるのです。
・iPodのプロトタイプに関する記事を見た。
・A社をプロトタイプとして、組織の改革を進めていくつもりだ。
ちなみに、プロトタイプは「プロト」と略されることもあります!
プロトタイプの英語
プロトタイプは英語で「prototype」と記します。「proto(プロト)」+「type(タイプ)」で構成されていますが、それぞれに意味があります。
まず、「proto」は「最初の」という意味を持ちます。そして、「type」は日本語でもおなじみですが「型式」や「型」などの意味があります。つまり、プロトタイプとは「最初の型」のことです。「最初の型」という意味合いが根底なり、試作品や原型、手本という意味で用いられています。
試作車 prototype car
試作製造ライン prototype production line
〜の原型になる become a prototype of〜
例えば、上記のような英語表現を用いることができます。
プロトタイプの対義語・反対語
プロトタイプは「試作品」という意味が主であるため、対義語は「量産品」となります。それをカタカナ語で表すと、「マスプロダクションタイプ」といいます。
マスプロダクション(mass production)とは、大量生産という意味を持つ表現です。「mass」には「集団」「大部分」「多数」などの意味があります。そのため、量産型=マスプロダクションタイプとなります。
ちなみに、マスプロダクションのことは「マスプロ」と略すことがあります。
各分野で登場するプロトタイプ
プロトタイプという言葉は、製品の開発の分野でよく登場します。どんなものについてプロトタイプというのか、定番をおさえておきましょう。
ガンダム
「プロトタイプグフ」や「プロトタイプドム」といった名称のガンダムがあります。いずれも試作機として位置づけられています。
自動車
車の世界では、実験用モデル、試作車のことをプロトタイプといいます。プロトタイプの製作を経て、量産に入ります。ちなみに、鉄道などの車両に関しても同様です。
IT
ハードウェアやソフトウェアを開発する際、試作品を用意します。この試作品がプロトタイプです。
プロトタイプは意外と浸透している言葉
プロトタイプは、聞いたことがあっても意味がとらえにくい言葉です。「タイプ」というワードがついているので、「型」に関する言葉だということはイメージできます。「プロト」が「最初の」という意味を持つことも覚えておくと、意味を忘れにくいかもしれません。
自動車、IT、ガンダムをはじめ、物作りの世界ではプロトタイプという言葉が浸透しています。この機会に覚えておきましょう!