シンパシーとはどんな言葉?
シンパシーの意味は、「同情」「共感。共鳴」です。
類語は、「共鳴」「同感」「意気投合」。
英語で表すときは、「sympathy」を使います。
シンパシーとはどんな意味?
シンパシーは、次の意味をもつカタカナ語です。
②共感。共鳴
シンパシーは、英語の「sympathy」からカタカナ語になった言葉です。
日本語のシンパシーは、英語のニュアンスに近い意味合いを受け継いだ言葉であると解釈される場合と、日本独自の解釈が加えられた言葉であるとみなされる場合があります。使用する人がどちらの考え方をするかで、シンパシーの使い方は変わります。
それぞれのニュアンスを確認しましょう。
英語での「sympathy」の意味
まずはシンパシーの語源の「sympathy」の意味を確認しましょう。
・共感。同意。支持
・悔やみ。弔慰。弔問。悔やみ状
「sympathy」は、相手に対する哀れみの気持ちを表すために用いる、ネガティブなニュアンスの単語。辛くて悲しい出来事が起こったときに、相手へ寄り添う気持ちを表すために使用するのがほとんどです。
例えば、相手が事故や災害など思わぬ災難にあった場合や、何かのトラブルで怪我をしたとき、誰かにご不幸があったときなどに使います。
シンパシーの意味の解釈Ⅰ:ネガティブオンリー
シンパシーの意味のひとつ目の解釈をする人は、シンパシーを「sympathy」と同じくネガティブな言葉であると考えます。
シンパシーは、次の意味をもっていましたよね。
②共感。共鳴
この解釈の場合、シンパシーは①②どちらの意味であっても落ち込んでいる相手に対して使う、ネガティブなニュアンスの言葉になります。悲しいことがあった人の痛みや不幸、悩み、悲しみに寄り添い「同情」したときや、マイナスの感情に「共感」「共鳴」したときに使用します。
英語の「sympathy」のニュアンスにかなり近いです。ただし、完全に同じではありません。「sympathy」は「お悔み」の意味でよく使われますが、カタカナ語のシンパシーをこの意味で用いることはないので注意してください。
シンパシーの意味の解釈Ⅱ:ネガティブ・ポジティブ両方
2つ目の解釈をする人には、シンパシーはネガティブとポジティブの両方のニュアンスをもつ言葉であると考えられています。
②共感。共鳴
①の意味でシンパシーを使っている場合、そのシンパシーはひとつ目の解釈と同様にネガティブなニュアンスをもっています。他人の不幸や苦悩を察し、かわいそうに思って相手をいたわるときに使用します。
②の意味のときはネガティブ・ポジティブを問わず、相手の考えに「共感する」や、感情に「共鳴する」というニュアンスになります。
②の意味のシンパシーは、相手の夢や野望に「共感。共鳴」したというような前向きな文脈でも使うことができます。日本では、どちらかというとこちらのポジティブなニュアンスで用いられる場合のほうが多いです。そのため、シンパシーにネガティブなイメージを持っている人はあまりいません。
共感や共鳴のシンパシーを英訳したいときは?
カタカナ語のシンパシーと英語の「sympathy」のニュアンスには違いがあるため、日本語の感覚で「sympathy」を使った英訳をすると相手を困惑させてしまいます。
ポジティブな共感や共鳴の気持ちを「sympathy」で表すことはできないので注意しましょう。共感や共鳴を表したいときは、次の表現が使えます。
I feel you:(その気持ち)わかるよ
シンパシーとエンパシーの違い
シンパシーと意味が紛らわしいカタカナ語にエンパシーがあります。エンパシーは次の意味をもつカタカナ語です。
・人の気持ちや問題を理解する能力
エンパシーは、自分とは異なる価値観や考え方を持つ他者の目線になってみて、「自分だったら」ではなく「完全にその人になったつもりで」その人の気持ちを意識的に考え理解することや、その能力です。「消費者の目線になって考える能力が必要」というような場合に、「エンパシーが必要」のようにして用います。
また、自分が過去にその人と同じような状況を経験したことがあり、今その状況に直面している相手の感情を完全に理解し、気持ちを分かち合えるようなときにもエンパシーは使用できます。
シンパシーとの違いは、シンパシーは相手の気持ちに寄り添いますが、エンパシーは気持ちに寄り添うのではなく完全にその人の気持ちになっていること。
例えば、過去に家族を交通事故で亡くした経験のある人が、現在、交通事故で家族を亡くし悲しんでいる人に感情移入し、悲しみを分かち合うのがエンパシー。そのような経験がなく、相手に同情しているだけならばシンパシーです。
辛い経験を例に出しましたが、エンパシーはポジティブな経験に対しても使えます。
シンパシーとテレパシーの違い
テレパシーは超能力の一種です。
テレパシーは、シンパシーに字面は似ていますが、まったく別の意味をもつ言葉ですね。
シンパシーの使い方を例文で学ぼう
シンパシーの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・彼女は若者たちの主張にシンパシーを寄せている。
・彼の生きざまは多くの芸術家にシンパシーを与えている。
・シンパシーを感じると言われたら、日本人は相手に好感を覚える人も多いが、英語圏の人は「あなたに哀れまれるようなことは何もない」と怒りだすかもしれない。
シンパシーの類語・言い換え表現
シンパシーを言い換えできるカタカナ語の類語はありません。言い換えが必要なときは、日本語の「共鳴」や「同感」「意気投合」を使ってください。
・彼の考えに全面的に同感した。
・すっかり意気投合し、共同で会社を立ち上げることになった。
【雑学】身の回りのシンパシー
私たちの身の回りには、シンパシーという言葉が使われているものがたくさんあります。どのようなものがあるのかみてみましょう。
アメリカの「シンパシーカード」
シンパシーカードは、アメリカでお葬式のときに香典の代わりに送るメッセージカード。
訃報を受け取ったら葬儀に参加する場合、参加しない場合どちらのケースでも、カードに追悼の文を記し、お花と一緒に葬儀が執り行われる教会や葬儀場に贈るのが一般的です。
日本にいて葬儀に参加できないときにも、カードを送ることでお悔みの気持ちを伝えられます。
シンパシーオブソウル
シンパシーオブソウルは、2005年に誕生した日本のジュエリー&アクセサリーブランドです。
人の心や時代の移り変わりに共鳴してデザインを生み出しているところから、ブランド名がつけられています。豪華な材料が使われ、デザインはシンプルに仕上げられた、おしゃれなアクセサリーが揃っていることで人気です。
Kitriの「シンパシー」
「シンパシー」は、日本の姉妹ピアノ連弾ボーカル・ユニット Kitriの楽曲です。TVアニメ「古見さんは、コミュ症です。」第1話のエンディング曲。
主人公 古見硝子は、美少女ではあるけれど重度のコミュ症です。この曲は、「友達を100人作る」ことを目指して頑張る、硝子の気持ちにKitriが共感して作られました。
ウマ娘の「シンパシー」
「シンパシー」は、育成シミュレーションゲーム 「ウマ娘」のスキルのひとつです。
「シンパシー」スキルを持っているウマ娘がたくさんいると、スピードが少しアップする効果があります。
同じレースに「シンパシー」スキル持ちが5人以上参加している場合に発動します。発動すると、「シンパシー」スキルを持つウマ娘全員のスピードのステータスが、レース直後から終了まで上昇した状態になります。
シンパシーの意味を読み取れるようになろう
シンパシーは、他者への共感を大事にする日本ではよく使われているカタカナ語です。
語源は英語の「sympathy」ですが、「sympathy」とシンパシーではニュアンスが違います。また、日本語として用いられているシンパシーも、意味の解釈が二通りあるため、人によって使い方が異なります。
シンパシーの意味合いを頭に入れておき、相手がどのようなニュアンスでシンパシーを使用しているのか読み取れるようになりましょう。