「垂涎」とはどんな言葉?
「垂涎」の意味は、「食べたくてよだれを垂らすこと」「あるものを手に入れたいと熱望すること」です。
類語は、「喉から手が出る」「舌なめずり」「渇望する」。
英語で表すときは、「drool」や「aspire」を使います。
「垂涎」とはどんな意味?読み方は?
「垂涎」を正しく使えるように、先ずは読み方と意味をしっかり確認しておきましょう。
「垂涎」の読み方は「すいぜん」
「垂涎」の正しい読み方は、「すいぜん」または「すいせん」です。しかし、慣用読みで「すいえん」と読まれる場合もあります。慣用読みとは、正しい読み方ではないものの、広く用いられていて世の中に定着している読み方のことです。
ビジネスでは正しい言葉づかいが求められるので、「すいぜん」か「すいせん」と読むことをおすすめしますが、「すいえん」と読む人が多いことも覚えておきましょう。
「垂涎」の意味は「あるものを強く欲しがること」
「垂涎」の「涎」は「よだれ」のこと。「垂涎」は文字通り「よだれを垂らすこと」を表しており、次の意味で使われます。
②あるものを手に入れたいと熱望すること
①の「食べたくてよだれを垂らすこと」の意味は、おいしそうな食べ物を目の前にしたときの口の中の様子をイメージすれば覚えやすいですね。
②の「あるものを手に入れたいと熱望すること」は、①の意味から転じて出来た意味です。心の底から欲しくて欲しくてたまらないものを目の前にしたときの、何が何でも自分のものにしたいと強く熱望する様子やうらやましがる様子を表しています。
「垂涎」の使い方を例文で学ぼう
「垂涎」の読み方や意味がわかったら、次は「垂涎」の使い方を例文でイメージしてみましょう。
よく用いられる言い回しの意味もあわせて紹介します。
たくさんの人がよだれを垂らしてしまうほど欲しい、何としても手に入れたいと願うもののこと
【例文】
この商品は販売終了後にプレミア化し、マニアの垂涎の的になっている。
そのものが欲しいと思わせる魅力に満ちているさま
【例文】
酒好きにとっては、垂涎ものの銘酒が多数用意されている。
手に入れたいと熱望しているもの
【例文】
一般の人にはガラクタのようにみえたとしても、マニアには垂涎ものだ。
ファンが手に入れたいと熱望するもの
【例文】
音楽ファン垂涎のイベントを企画する。
①食べたくてよだれを垂らす
②あるものを手に入れたいと熱望する
【例文】
肉好きならずとも垂涎する、魅力的なメニューが揃っている。
「垂涎を下げる」といわれることもありますが、これは間違った日本語です。「垂涎」だけでよだれが垂れ下がるニュアンスを表せるので、「下げる」を付け足す必要はありません。
「垂涎」の類語・言い換え表現
「垂涎」の類語は、「喉から手が出る」「舌なめずり」「渇望する」です。それぞれの意味と使い方をおさえておきましょう。
欲しくてたまらないことをたとえた言葉
【例文】
人手不足のなか、喉から手が出るほど欲しい即戦力の人材が求人に応募してきた。
①美味しそうな食物を前にしたり想像したりしたときや、食事の前後に舌で唇をなめること
②欲するものが来ることを期待すること。欲するものを熱心に準備して待つこと
【例文】
ビジネスチャンスの予感に、彼も舌なめずりしている。
のどがかわいて水を欲するように、切実に希望すること。心から望むこと
【例文】
販売終了後渇望する声が続々と寄せられ、人気メニューの復活が決まった。
「垂涎」は英語だと?
「垂涎」を英訳するときは、「drool」や「aspire」を使うとニュアンスを表現できます。
aspire:熱望する、切望する、熱願する、目指す、志向する、垂涎する、大志を抱く
「drool」は話し言葉で使用するケースが多く、「aspire」は大きな望みに対して用いる場合が多い言葉です。
「垂涎」は上手に使おう
「垂涎」は、「食べたくてよだれを垂らすこと」と「あるものを手に入れたいと熱望すること」の2つの意味をもつ言葉です。
ビジネスでも使える言葉ですが、難しい言葉でもあるため相手に意味が通じないケースがあるかもしれません。相手が微妙な反応をしていたら類語に言い換えるなどして、うまく用いていきましょう。