「ビジネスモデル」とは「事業で利益を得る仕組み」のこと
ビジネスシーンにおいては、企業が提供している商品やサービスを顧客が代金を支払って入手し、その代金が企業の利益となる仕組みが「ビジネスモデル」となります。しかし、事業形態が多様化している現代では、ビジネスモデルの定義は一つではありません。本記事では、意味や会話での使い方のほか、ビジネスモデルの作り方、メリット、言い換え表現などについても解説します。
「ビジネスモデル」の英語は「business method」
ビジネスモデルをそのまま英語にすると「business model」です。しかし、英語圏においては「business method」という言葉で表現しており、次のような意味をもつ熟語として使われています。
・ビジネス方法
・商法
それでは、「business method」の使い方も少し紹介しておきます。
・sound business method(手堅いビジネス方法)
・vicious business method(悪徳商法)
・business method patent(ビジネスモデル特許)
・business method patenting(ビジネスモデル特許権を得ること)
・create new business methods(新たな商法を構築する)
日本語においての「ビジネスモデル」とは
ビジネスで利益を得るには、次のような流れが基本形となります。
・企業が商品やサービスを提供する。
・消費者が代金を支払って購入する。
・売上から必要経費を差し引いたものが企業の利益となる。
しかし、現代では、インターネット技術も進化しているため、基本となる製品やサービスは無償で提供し、一部の有料コンテンツを収益にするといった形式もビジネスモデルと呼ぶようになっています。
ビジネスモデルの基本4要素
ビジネスモデルを考える際に、基本となる要素は「Who」「What」「How」「Why」の4つといわれています。それでは、これら4要素がどのような事柄を指すのか、もう少し詳しく解説します。
①Who
Whoは「誰」という意味ですよね。つまり、「誰に対しての価値やサービスを提供するのか?」企業は、商品やサービスを購入してくれる顧客がいてこそ成り立ちます。男女年代問わずに販売しようと開発しても、出来上がったものが若者にしか受け入れられなければ利益は半減しますよね?どの年代をダーゲットにするのか、男女どちらに提供するのかを決めるのはとても重要な要素です。
②What
Whatは「何」という意味ですよね。ターゲット層が決定したら、「何を提供するか」を決めていきます。顧客が何に対しての価値を求めているか、どんなものなら欲求を満たせるのかについて考えます。
③How
Howは「どのように」という意味ですよね。ターゲットの顧客層に対し、どのように商品やサービスを提供していくのか、仕組みや集客方法などを具体的に決めていきます。
④Why
Whyは「なぜ」という意味ですよね。「Who」「What」「How」を考えてきましたが、ここでは「なぜ」これらで収益がでるのかを明確にします。自社の収益の仕組みをきちんと把握していなければ、自社の強味を本当に活かせているのかがわかりません。
ネットならではのビジネスモデル「フリーミアム」とは
これまでの項目でも少し触れましたが、インターネット技術が進化を続けている現代においては、ネットならではのビジネス形態「フリーミアム(Freemium)」も増えています。これは、「フリー(Free)」と「Puremium(割増金付きの)」をあわせた造語で、基本サービスは無料で提供し、一部を有料サービスにするといったビジネスモデルです。
無料で提供すると、必然的に多くの利用者が集まってきます。そして、継続利用者の中で、「便利だからこのくらいの有料サービスなら使ってみよう」と思う顧客から収益を得るといった仕組みです。
たとえば、わかりやすい例をあげると、テレワークをしている人がよく利用している「Chatowork」というビジネスチャットツールがあります。このツールは、基本無料で使えますが、グループチャットの上限が累積で7つ、ユーザー数が100人までと制限があります。しかし、月500円のプランにアップグレードすれば、グループチャットもユーザー数も無制限になります。
「ビジネスモデル」の種類
ビジネスモデルには、前述した「フリーミアム」以外にも、基本となるパターンがある程度決まっていいます。ここでは代表的なものをピックアップして簡潔に解説します。
基本販売モデル
メーカーが商品を作って販売する、農家が作った野菜を販売するなど、基本的な販売モデルで、物販もでるとも呼ばれています。
小売モデル
スーパーやコンビニが行っている形式で、仕入れた商品を販売するモデルを「小売モデル」といいます。
継続課金型モデル
サプリ、化粧品、コーヒーなどの定期購入や、月額料金での視聴サービスなど、月額定額制で商品やサービスを提供する形式のことをいい、「サブスクリプションモデル」とも呼ばれています。
レンタルモデル
レンタカー、レンタルDVD、レンタル家電など、商品を貸し出して利用料金を受け取るビジネスモデルを「レンタルモデル」といいます。商品を購入するよりも安価に利用できるこの仕組みは以前より人気が高くなっています。
「ビジネスモデル」を作るメリットとは?
ビジネスモデルを作るには、時間も労力もかかってしまいます。しかし、次のようなメリットがあるため、ビジネスで成功するにはとても有効であるとされているんです。
①自社の事業に対しての理解が深まる
「Who」「What」「How」「Why」を一つずつ確認することで、自社が何を目指し、どのような事業展開をしようとしているのかが理解しやすくなります。
②問題点を見つけやすい
ビジネスモデルは、収益を得るための構造をひとつずつ構築していきますが、細かく分析しながら進めていくため、企業が抱えている問題点が見つかる確立がとても高いといわれています。
③トラブル発生時の対処がしやすい
ビジネスモデルは、4つの要素に分割して構築していくため、トラブル発生時に見直しやすいというメリットがあります。ターゲットにしたいた顧客層の需要が減ってきたなら、商品やターゲット層を見直すといった対処をしなければなりません。
「ビジネスモデル」の使い方・例文
言葉の意味がわかれば使い方は難しくありませんが、念のために例文を使ってチェックしておきましょう。
・定番商品の売れ行きが悪くなってきたのでビジネスモデルを再構築が必要だと考えている。
・もっと顧客目線になってビジネスモデル考えなければ収益を上げるのは難しいのではないか?
・ビジネスモデルを見直してから、収益が倍になった。
「ビジネスモデル」の作り方
ビジネスモデルの作り方に、特に決まったものはありませんが、おおまかな流れやポイントはある程度のパターンがあります。
・進出しようとしている業界のビジネスモデルを参考にする。
・複数のビジネスモデルを作り、そこから価値が低いものを外していく。
・競合他社が真似しにくい分野を探し、ビジネスモデルとして組み込んでいく。
そのほか、「ビジネスモデル テンプレート」で検索すると、無料で公開されているものがたくさん表示されるので、それらを使う方法も簡単でおすすめです。
「ビジネスモデルキャンバス」を利用する方法もある
ビジネスモデルを作るためのフレームワークの一つとして「ビジネスモデルキャンバス」があり、「顧客」「顧客との関係」「チャネル」「価値」「パートナー」「主要活動」「資源」「コスト構造」「収益」の9要素を記入していくだけのテンプレートになっています。
ビジネスモデルのテンプレートと同じく、無料で公開されている「ビジネスモデルキャンバス」があるので、それらを利用すると簡単です。
優位性がもてる「ビジネスモデル特許」とは?
「ビジネスモデル」そのものを特許にしてしまうと、同じモデルを考え付いたとしても使えないため、その市場は活性化しません。そのため、「ビジネスモデル特許」とは、そのビジネスモデルを遂行するために使用する技術や機能の特許を指します。「ビジネスモデル」そのものについての特許ではないので、勘違いしないようにしましょう。
「ビジネスモデル」の類語・言い換え
「ビジネスモデル」を日本語で言い換えたい場合、次のような言葉が使えます。
・戦法
・経営手法
・商法
・収益モデル
・販売手法 など
自社にあった「ビジネスモデル」を作成し事業を成功させよう
インターネットが普及している現代においては、無料公開されているテンプレートも多く、BtoB、BtoCの事業が成功した企業のビジネスモデルの情報も入手しやすい世の中です。基本的なポイントをおさえてオリジナルで作成するのもちろんいいですが、成功した企業のモデルを参考にするのもおすすめの方法です。ビジネスモデル作成の際は作成方法についてもいろいろと検討してみましょう。