インテグリティとは「誠実」のこと
インテグリティとは、ビジネスの現場でも登場することがある言葉です。意味は「誠実」であり、経営者やリーダーが持っていることが望ましい価値観として位置づけられています。
似ている言葉としてはコンプライアンスが挙げられますが、ニュアンスには違いがあります。
この記事では、インテグリティの意味や使い方についてわかりやすく解説します。ビジネスシーンで登場した際にも意味をキャッチできるように確認しておきましょう。
インテグリティの意味
インテグリティは、もともと欧米の企業でよく用いられていた言葉です。英語では「integrity」と表記します。近年は日本にも浸透してきており、日本語の意味は次の通りです。
・誠実
・真摯
・高潔
・正直
「現代の経営」の著書、ピーター・ドラッガー氏も経営に知識と魅力があってもインテグリティが欠けると組織は腐敗すると述べています。経営者や組織のリーダーに必要な資質としてインテグリティが注目を集めているのです。
インテグリティの類語
インテグリティと似た意味を持つ言葉に「コンプライアンス」があります。コンプライアンスは「法令遵守」の意味を持ち、法律、就業規則、企業倫理、社会規範などを守ることなどが該当します。
インテグリティとコンプライアンスの違いは次の通りです。
インテグリティ
個人が持つ自律的な規範、価値観
コンプライアンス
社会や会社などで設ける他律的なルール
上記以外にも、インテグリティは誠実に真摯に有ろうとするポジティブな考えが根幹にある一方で、コンプライアンスはルール違反をしないという意識がベースとなる点に違いがあります。
インテグリティの関連用語
インテグリティという言葉は多方面で使われるようになってきています。ここではスポーツと研究の分野におけるインテグリティについて確認します。いずれの分野でもやはり「誠実性」の意味からはかけ離れない使い方をします。
スポーツ・インテグリティ
「スポーツがさまざまな脅威により欠けるところなく、価値ある高潔な状態」と定義されています。「脅威」の例としては、ドーピング、暴力、差別、違法賭博、違法薬物などが挙げられます。スポーツの世界では、こうした脅威の事案が発生している背景があり、インテグリティ(高潔性、健全性)が必要であるとされています。
研究インテグリティ
研究の「健全性」や「公正性」のこと。従来より、捏造や改ざん、盗用、二重投稿などの不正行為については対応が求められてきた背景があります。
それに加えて、研究の国際化、オープン化が進み、新しいリスクに対しても健全性や公正性を守ることが求められるようになりました。利益や責務違反、技術や情報の流出を防ぐことの重要性などが盛り込まれています。
バスケの世界ではインテグリティの精神に則った「クリーンバスケット、クリーンザゲーム 暴力暴言根絶」を推進しています。
インテグリティの使い方・例文
・A社ではインテグリティを強化するために新しい手法を構築した。
・さまざまな分野において利益だけでなくインテグリティが求められる時代になった。
インテグリティのある行動を
成果や利益があればOKという考え方から、インテグリティの確保を重視する風潮も広がってきています。
正義感を持ち、不正には厳しい考えを持ち、自分だけではなく組織にとってプラスになることを考えられる。そして、取引先のことも尊重できる。そんなインテグリティのある行動が求められるようになっています。