「伺わせていただきます」の意味とは?正しい敬語なの?言い換え表現も解説

「伺わせていただきます」とはどんな言葉?

「伺わせていただきます」は、「行く・訪ねる」「聞く」「尋ねる」を丁寧なニュアンスで表現する言葉として使われていますが、実は間違った敬語。正しい言い方は「伺います」です。

類語は、「伺いたく存じます」「寄らせていただきます」「承ります」「お尋ねします」。

英語で表すときは、「visit」「hear」「ask」を使用します。

「伺わせていただきます」とはどんな意味?読み方は?

「伺わせていただきます」の読み方は、「うかがわせていただきます」です。次の意味をもつ言葉として使われています。

伺わせていただきます
・行きます。訪ねます
・聞きます
・尋ねます

「伺わせていただきます」は実は間違った敬語です。正しい言い方の「伺います」に言い換えて使用するようにしましょう。

「伺わせていただきます」は二重敬語

「伺わせていただきます」が間違っているのは、二重敬語だからです。

二重敬語とは、ひとつの言葉に同じ種類の敬語を2つ以上重ねた表現のこと。

「伺わせていただきます」は、「行く・訪ねる」「聞く」「尋ねる」の謙譲語「伺う」に、「させてもらう」の謙譲語「させていただく」と丁寧語の「ます」をつなげた言葉です。謙譲語が2つ重なっているので二重敬語ですね。

面接やビジネス会話、メールなどで用いてしまうと、敬語を正しく使えない人と思われてしまうため、うっかり使用しないように気をつけてください。

「お伺いさせていただきます」も間違い

「お伺いさせていただきます」も、「伺わせていただきます」と同じく二重敬語のため間違った言い方です。

「お伺いさせていただきます」は謙譲語の「伺う」に、「する・為す」という意味を表す謙譲語の「お〜する」と謙譲語の「させていただく」、丁寧語の「ます」をつなげて言葉が作られています。

謙譲語が3つも重なっているので、かなり大げさな印象を受けます。

「伺わせていただきます」の使い方は?

「伺わせていただきます」は間違った言い方なので、正しい敬語の「伺います」に言い換えて使います。正しい言い方を例文でイメージしてみましょう。

例文1
(間違い)来週お店に伺わせていただきます
(正しい敬語)来週にお店に伺います。
例文2
(間違い)一人ひとり順番にお話を伺わせていただきます
(正しい敬語)一人ひとり順番にお話を伺います。
例文3
(間違い)弊社の商品に関するご意見やご要望を伺わせていただきます
(正しい敬語)弊社の商品に関するご意見やご要望を伺います。

「伺わせていただきます」の類語・言い換え表現

「伺わせていただきます」の類語は、「伺いたく存じます」「寄らせていただきます」「承ります」「お尋ねします」です。それぞれの意味や使い方をおさえておきましょう。

伺いたく存じます
【意味】
・訪問したいと思う
・質問したいと思う

【例文】
この件について皆さまの考えを伺いたく存じます。

寄らせていただきます
【意味】
相手先を訪問する

【例文】
今度は家内も一緒に寄らせていただきますね。

承ります
【意味】
・受ける
・聞く
・承諾する

【例文】
オーダーも承りますのでお気軽にお声がけください。

お尋ねします
【意味】
問う。質問する

【例文】
普段の食生活についてお尋ねします。

このほかに、「お伺いします」「お伺いいたします」「お伺い申し上げます」も、「伺わせていただきます」の言い換え語として使えます。

「お伺いします」「お伺いいたします」「お伺い申し上げます」は、「伺わせていただきます」と同じ二重敬語です。しかし、すでに多くの人が用いており、日本語に定着していると認められている言葉のため、使用しても間違いにはなりません。

「伺わせていただきます」は英語だと?

「伺わせていただきます」は、「行く・訪ねる」「聞く」「尋ねる」の異なる意味をもつ言葉のため、すべての意味を一語で表せる英単語はありません。

英訳するときは、「visit」「hear」「ask」を使います。

「伺わせていただきます」の英語
visit:訪問する。訪れる。客として滞在する
hear:聞こえる。聞く。聞き知る
ask:尋ねる。質問する。依頼する

伝えたいニュアンスに近い単語を選んで使用してください。

「伺わせていただきます」は言い換えて使おう

二重敬語の「伺わせていただきます」は、間違った日本語です。

ビジネスでは正しい日本語を使うことが求められるので、正しい敬語の「伺います」や紹介した類語に言い換えて使用するようにしましょう。