スペシャルサンクスとは?映画、CDなどでの使い方、英語、言い換えも紹介

「スペシャルサンクス」は「特別な感謝」のこと

テレビドラマや映画のエンドロールなどでよく目にする「スペシャルサンクス」ですが、この言葉には「特別な感謝」という意味があります。しかし、テレビドラマや映画での専門用語ではないため、制作関連の仕事に携わっている人であれば使う機会が比較的多いです。本記事では、業界ごとの「スペシャルサンクス」、表記方法、使い方、言い換え表現などについてもわかりやすく紹介します。

「スペシャルサンクス」の英語は「Special Thanks」

「スペシャルサンクス」は英語でも感謝の気持ちを伝える際に使いますが、「Special thanks to~」で表し、「~」の部分に感謝を伝えたい人の名前などを入れることが多いです。

Special thanks to my family.
(家族に特別な感謝を)
・We extend our Special thanks to all of you for your cooperation.
(皆様のご協力に心から感謝いたします。)

日本語においての「スペシャルサンクス」とは

広く知られているのは、ドラマや映画などの映像作品で、主要な出演者以外の人に対して感謝を伝えたい場合に使う「スペシャルサンクス」です。しかし、そのほかにも一般の人が参加するイベントなどで、スタッフや観客の人たちに対して使うことがあります

「スペシャルサンクス」の対象になる人は?

「スペシャルサンクス」の対象になる人は、制作物がどんなものかによって異なります。世の中にはさまざまな制作物がありますが、ここでは代表的なものをいくつかピックアップして解説します。

ドラマ・映画でのスペシャルサンクス

通常は、撮影に協力してくれた団体、施設、特別に協力してくれた人などが対象となります。メインキャストを含む主要メンバーのほか、カメラマン、照明、音声スタッフといった、制作に関わる人は対象外です。

制作スタッフをスペシャルサンクスにしている作品もある

一般的には、制作スタッフは主要メンバーの一員とされます。しかし、作品によっては、「このようなすばらしい作品が出来上がったのは出演者やスタッフのおかげです」という意味を含め、制作に関わった人全員に対し「スペシャルサンクス」を使う場合があります。

一緒に覚えたい制作関連用語

「スペシャルサンクスが紹介されているのはエンドロール」と認識している人が多いと思います。しかし、ほかにも「スタッフロール」「クレジット」という用語がありますが、どのような違いがあるのかはわかりにくいものです。そこで、以下に「エンドロール」「スタッフロール」「クレジット」の意味をまとめてみたので、これを機に違いを明確にしておきましょう。

「エンドロール」「スタッフロール」「クレジット」の違い

【エンドロール】
ドラマや映画などの終わりに流れる、出演者、制作者、協力者などを記載した字幕のことです。「エンディングロール」と呼ばれることもあり、基本的には「スタッフロール」と「キャストロール」で構成されています。
【スタッフロール】
ドラマや映画などの終わりに流れる字幕で、音声、照明、小道具などの制作スタッフの名前が一覧で記載されており、通常、監督は一番最後に表示されます。なお、出演者の一覧は「キャストロール」といいます。
【クレジット】
ここでの「クレジット」は「クレジットタイトル」の略で、「スタッフロール」と「キャストロール」の一覧を指します。この一覧に掲載されることを「クレジットされる」と表現し、番組の最後に流れると「エンドロール」になるわけです。

音楽CDでのスペシャルサンクス

ソロのアーティストで、作品を作る際、「1曲だけ〇〇さんにコーラスをしてもらった」「この曲のバイオリンは△△さんにお願いした」「来月発売のアルバムはイラストレーターのAさんが描いてくれた」など、メインの制作スタッフ以外に協力者がいる場合があります。このようなケースでは、協力してくれた人の名前を「スペシャルサンクス」として紹介することが多いです。

漫画でのスペシャルサンクス

医療、航空、宇宙をベースにした漫画やアニメがありますが、こういった専門性の高い分野の話を書く場合は、専門家に取材を行い、実際の現場との食い違いがあまり無いようにしているものです。こういったケースでは、取材協力に応じてくれた人達が「スペシャルサンクス」として紹介されています。

ファンに対するスペシャルサンクス

音楽CDやDVDのジャケットの多くはクレジットが記載されていますが、制作に関わったスタッフのほかに、「応援してくれているファンに感謝!」という意味で「スペシャルサンクス:すべてのファンの皆さん」「Special Thanks:All fan!」の記載をしていることがあります。そのほか、ホールコンサートや演劇などの公演ではパンフレットに書く場合もあるので、機会があればぜひチェックしてみてください。

「スペシャルサンクス」は一般のビジネスで使える?

一般の企業でも、新商品発表などのイベントを開催します。そういったイベントでは、会場や照明、音響などに協力してくれた企業を「スペシャルサンクス」として紹介することもあります

「スペシャルサンクス」の表記方法に決まりはある?

「スペシャルサンクス」の表示形式に決まりはありませんが、通常、メインキャストやスタッフの後に、「スペシャルサンクス:〇〇病院」「スペシャルサンクス:Aさん」と表現することが多いです。

「スペシャルサンクス」の使い方・例文

制作に携わることがない人はあまり使う機会はないと思いますが、会話ではどのように利用されるのか、例文で紹介しておきます。

例文

・会社案内のパンフレットには紹介動画を作成してくれたクリエイターの名前もスペシャルサンクスで入れておいてね。
・友達の自主製作CDの演奏に特別参加したらスペシャルサンクスで紹介された。
・製品紹介動画に、利用者としてコメントをくれたA社の〇〇さんをエンドロールでスペシャルサンクスとして記載した。

「スペシャルサンクス」の類語・言い換え

テレビドラマや映画などでは、メインキャスト以外で出演してくれた人を紹介する際、「スペシャルサンクス」ではなく、「特別出演」「友情出演」と言い換えることができます。広い意味では類語ですが、厳密には違いがあります

「特別出演」と「友情出演」の違い

【特別出演】
本来であれば出演してもらえないような大物俳優が特別に出演してくれた際に用いられます。
【友情出演】
個人的な友情がもとで出演してくれた人に対して用いられます。

また、「スペシャルサンクス」という表現がカジュアルだと感じる場合は「~に捧げる」「特別な感謝」が使えます。

「スペシャルサンクス」の意味を理解し正しく使おう

各分野によって、「スペシャルサンクス」の対象となる人はある程度決まっています。しかし、厳密に定められているものではないので、心からの感謝を伝えたいと思ったときは、「スペシャルサンクス」で気持ちを表現してみましょう。ただし、対象者が多くなりすぎると特別感が薄れるので、厳選して使ってください。