「ジョブホッパー」とは「短期間で転職を繰り返す人」のこと
一つの会社が長続きせず、1~3年以内と、短期間で転職を繰り返している人がいますが、このような人のことを「ジョブホッパー」といいます。多くの場合、「長続きしない」「忍耐力がない」など、ネガティブなイメージをもたれやすいです。しかし、多くの企業を渡り歩くことで、たくさんの知識を身に付けている人がいるのも事実です。そこで、本記事では、「ジョブホッパー」の正しい意味やおおまかな定義のほか、メリット・デメリットなどもわかりやすく紹介します。
「ジョブホッパー」の英語は「job hopper」
「ジョブホッパー」を英語で表すと「job hopper」で、「職を転々と替える人」という意味をもつ英熟語として海外でも使われています。それぞれの単語の意味は「job=仕事」「hopper=跳ぶ人(もの)、跳ねる人(もの)」で、今の仕事から次の仕事へぴょんぴょんと跳んで行くイメージから「job hopper」と呼ぶようになったといわれています。
I think he is a job hopper.
(彼はジョブホッパーだと思います。)
日本においての「ジョブホッパー」の意味・定義
日本でいわれる「ジョブホッパー」は、明確な目的がなく、「思っていたのと違う」「嫌になった」「やっぱり違う仕事がしたい」などの理由で転職を繰り返す人を指す言葉として広く使われています。通常は、「忍耐力がない」「根気がない」「人間性に問題があるのでは?」といったように、ネガティブなイメージをもたれやすいです。しかし、これは日本に限ったことではなく、海外でもいい印象は与えない傾向にあります。
ジョブホッパーの定義は?
結論からいうと、ジョブホッパーに明確な定義はなく、相手の感じ方次第というところがあります。
たとえば、半年や一年での転職を繰り返していても、直近の職場で5年以上働いていればジョブホッパーとは見られにくいです。また、転職の回数が多くても、一社の勤務期間が5年以上になればジョブホッパーと呼ばれることはまずありません。しかし、新卒や第二新卒である20代で、3回以上の転職経験がある場合は、ジョブホッパーと認識されやすいです。
【ジョブホッパーに見られない例】
・20歳で就職 →27歳で転職 →33歳で転職 →40歳で転職
・20歳で就職 →22歳で転職 →25歳で転職 →35歳で転職 →42歳で転職
【ジョブホッパーと認識される例】
20歳で就職 →21歳で転職 →23歳で転職 →25歳で転職
「ジョブホッパー」になる人の特徴
「ジョブホッパー」になる人にはある共通点があるといわれています。では、どんなタイプの人がそうなりやすいのでしょうか。
行動力がある
「これがやりたい」と思っても、なかなか行動に起こせない人も多い中、ジョブホッパーになるような人は、やろうと思ったことに対し、実際に行動を起こせる実行力をもっている傾向にあります。
好奇心が旺盛である
いろいろなものに興味をもっても、「自分にできるかな?」「なにから始めればいいんだろ?」などと考えて実行に移さない人もいるでしょう。しかし、ジョブホッパーになるような人は、行動力があることが多いため、一つの仕事に満足し、興味のある仕事がほかに出てきた場合はすぐに今の仕事から離れることができます。
自分に自信をもっている
「ジョブホッパー」になる人は、自分に自信をもっている人が多い傾向にあります。「自分にはできる」という自信があるからこそ、どんどんいろんなことにチャレンジしていくのです。
強い信念をもっている
自分が「こうだ!」と思っていることは、周りに何を言われても流されません。また、目標も明確なので、入った会社が理想と異なっていると、自分の信念が曲げられず、転職を考えるようになります。
「ジョブホッパー」のメリット・デメリット
日本に限らず、海外でも、ジョブホッパーは「仕事が続かない」「忍耐力がない」など、ネガティブなイメージがもたれることがあります。しかし、ジョブホッパーをメリットに変えることもできるんです。
メリット
ただ、「嫌になったから」「飽きたから」といった理由でジョブホッパーになる人も多いので、ネガティブなイメージがありますが、仕事をいろいろと替えることがメリットになる場合もあります。
・知識や技術がたくさん身に付けられる。
・人や会社事情を見抜く力がアップする。
・転職を繰り返すうちに希望の仕事が見つかる可能性が高い。
デメリット
前述した、ジョブホッパーになる人の特徴やメリットが逆にデメリットになることがあります。
・自信があるだけでなく、自信過剰になりやすい。
・飽き性な性格なため、忍耐力がないと思われやすい。
・強い信念があるため、協調性がないと思われやすい。
「ジョブホッパー」の使い方・例文
「ジョブホッパー」の意味がわかれば使い方は難しくないですが、参考までに会話での使い方の例を紹介しておきます。
・Aさん、辞めたの?経歴聞いてジョブホッパーじゃないの?と思ってたけど、やっぱりそうだったのね。
・どうしてジョブホッパーなんて採用するんだ?!って思ってたけど、Bくん、かなり優秀だったね。
・そのような経歴だとジョブホッパーのように感じるのですが、転職の理由を聞かせてください。
「ジョブホッパー」が多い業種はある?
どのような業種でもジョブホッパーが存在する可能性はありますが、特に多いのはIT業界と外資系企業だといわれています。
IT業界にジョブホッパーが多い理由
プログラマーやエンジニアといった専門知識が必要とされるIT業界では、常にスキルアップを目指している人が評価されやすい傾向にあります。ですので、多くのスキルを身に付けるために仕事を転々としている人が多いです。また、IT関連業務は、プログラム、デザイン、ITビジネスなど、仕事の種類も幅広いため、さまざまな知識を習得している人が転職しやすいともいわれています。
外資系企業にジョブホッパーが多い理由
海外でもジョブホッパーはネガティブなイメージがあるのは事実ですが、日本ほど一つの会社での勤務歴は重要視されません。そのため、短期間での転職であっても、目的が明確であればポジティブに捉えてもらいやすいです。
「ジョブホッパー」の類語・言い換え
日本語での言い換え表現としては、「転職組」「転職経験者」が使えますが、カタカナ用語の類語には「キャリアビルダー」があります。
「ジョブホッパー」と「キャリアビルダー」の違い
「キャリアビルダー」とは、転職をステップアップの手法と考え、計画的に仕事を替えていく人のことをいいます。転職の度にキャリアを積み重ねていくので、役職や収入があがることが多いです。
ジョブホッパーの中でもスキルアップが目的の人であれば類語ですが、ジョブホッパーのデメリットとされている「忍耐力がない」「飽き性」「協調性がない」といった特徴は兼ね備えていません。
「ジョブホッパーの何が悪い?」といえるすごいスキルを身に付けよう
「嫌だから」「飽きたから」という理由での転職は、向上心が感じられず、相手にネガティブなイメージを与えますが、「キャリアアップをしたい」という理由の転職は認められることが多いので、面接の際は本記事で紹介したようなメリットを強調してみましょう。
しかし、スキルアップのため転職を繰り返したといっても、職種がバラバラの場合は「ただ長続きしない」と思われることも多いので注意してください。