「代替え」とはどんな言葉?
「代替え」の意味は、「それに見合うほかのもので代わりにすること」です。
類語は、「代理」「代用」「振替」。
英語で表すときは、「substitute」「alternative」を使います。
「代替え」とはどんな意味?読み方は?
「代替え」の読み方は「だいがえ」。次の意味をもつ言葉です。
「代替え」は間違いといわれることもあります。それは、「代替え」が「代替(だいたい)」から変化した言葉で、もともとは間違いだったため。
「代替」の正しい読み方は「だいたい」です。しかし、それなりに長い年月多くの人々が「代替(だいがえ)」と読んだり「代替え」と書いたりしたことで、「代替」の「だいがえ」読みや「代替え」の表記が日本語として一般に広く浸透したとみなされ、これらを使っても間違いではないと考えられるようになってきました。
「代替え」が使われるようになった理由①
「代替え」という言葉が生まれたのは、口頭で「代替(だいたい)」と読むと音が同じ「大体(だいたい)」などの言葉と区別するのが難しく、解釈を間違える場合が多いためといわれています。
例えば、「だいたいあんがでそろった」と聞いたときに、「代替案が出揃った」なのか「大体案が出揃った」なのか、音だけで判断するのは困難ですよね。「だいたいあんをもってきました」といったときに、「大体案をもってきました」と変換されてしまい、「まとまり切っていない案を持ってくるな」と怒られてしまうこともあり得るのです。
トラブルを避けるため、「代替」の「代(だい)」を音読み、「替(がえ)」を訓読みにした重箱読みの「代替え」が使われるようになったと考えられています。
「代替え」が使われるようになった理由②
「代替え」が使われるようになった理由として、「代替(だいたい)」のように「替」を「たい」と読んで用いる日本語が非常に少ないことを挙げる人もいます。
数少ない「替(たい)」と読む言葉も、「献替(けんたい)」や「造替(ぞうたい)」などの日常生活でほとんど使用しない言葉や、「交替・交代(こうたい)」のように表記が二通りあり、「代」の字を使うケースのほうが多い言葉がほとんど。
「替」を「たい」と読むのは多くの人にとってなじみが薄いため、「代替」を「だいがえ」と読む人が増えたのではないかというのがこの説です。
複合語は「代替」と書くほうが一般的
「代替」を「代替え」と書いても間違いではないですが、ほかの言葉と組み合わせた複合語は「代替」を使って書くのが一般的です。
・代替品
・代替肉
・代替文字情報
※代替日・代替え日のようにどちらの表記も使われている言葉もあります。
また、複合語の「代替」は「だいたい」と読むことが多いです。「代替案」のように解釈を間違えると不都合がある場合は除き、「だいたいひん」や「だいたいにく」などのように読むことをおすすめします。
代替文字情報とは:電子証明書に記載する氏名や住所に、一般的なパソコンなどで取扱いできない漢字が使われていたときに、不具合が発生しないよう一般的な漢字に置き換えた情報
「代替え」の使い方を例文で学ぼう
「代替え」の意味や読み方についてわかったら、次は言葉としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・危険な作業を代替えするロボットを開発する。
・この薬には代替えがない。
「代替え」の類語・言い換え表現
「代替え」の類語は、「代理」「代用」「振替」です。それぞれの意味や使い方を頭に入れておきましょう。
他人に代わってこと(とくに職務)を処理すること。その人
【例文】
体調を崩した同僚の代理として会議に参加することになった。
ある事物の代わりにほかの事物を使って間に合わせること
【例文】
バターの代用としてマーガリンを使って調理した。
一時、あるものをほかのものと取り替えること。流用すること
【例文】
事故のためバスによる振替輸送を行う。
「代替え」は英語だと?
「代替え」を英訳するときは、「substitute」「alternative」を使います。
alternative:どちらかを選ぶべき、二者択一の、代わりの、慣習的方法をとらない、新しい
「substitute」は、本当はもともとのものを使いたいけれど、それがもう使用できないから代替えになったというニュアンスのときに用います。
「alternative」は、何らかの理由でもともとのものを使いたくないため、代替えになったという意味合いのときに使用する単語です。
例えば、「代替案」は「alternative」を用いて「alternative plan」のように訳します。
「代替え」をうまく使おう
「代替え」の意味は「それに見合うほかのもので代わりにすること」です。
本来の言葉は「代替(だいたい)」のため、言葉遣いに厳しい人には間違っているといわれてしまうことがあるかもしれません。
しかし、「大体」など同音異義語と区別する必要があるときには、あえて「代替え」を使うことで話がスムーズに進む場合もあります。
「代替え」は相手や状況をよく見極めて上手に使用するようにしましょう。