アサップとはどんな言葉?
アサップの意味は、「できるだけ早く」「可能な限り早く」「可及的速やかに」です。
類語は、「至急」「大急ぎで」「早急に」「急ピッチで」。対義語は、「ゆっくり」「手隙」です。
英語で表すときは、「ASAP」「as soon as possible」「at your earliest convenience」を使います。
アサップとはどんな意味?
アサップは、次の意味をもつカタカナ語です。
アサップは、日本語だと「なるはや」や「ちょっぱや」のような言い方になる砕けた言葉です。
アサップの語源
アサップは、英語の「as soon as possible(できるだけ早く)」の頭文字をとって作られた略語です。英語では「ASAP」「asap」「A.S.A.P.」などと表記されます。アサップのほかに、「エイサップ」や「エーエスエーピー」といわれることもあります。
アサップは、アメリカの軍隊で使われ始めた言葉といわれています。もともと軍事用語であったため、上から下に向けて命令するニュアンスがあるので、使うときには注意しましょう。
アサップは目上の相手や改まったシーンには使えない
アサップは、上から目線な言葉であるだけでなく、略語のためカジュアルなニュアンスももっています。
そのため、上司や取引先の人、お客様など目上の相手には使用できません。うっかり使うと、失礼な物言いになってしまいます。
重要な会議、プレゼンテーション、会見などの改まったシーンや、公式な書類などにも向かない言葉です。
アサップは、同じ部署の同僚や部下との形式ばらずにやり取りできる、軽いメールや打ち合わせなどで用いる言葉だと思っておきましょう。
アサップは多用しない
アサップを頻繁に使用していると、アサップの効果が薄れてしまいます。
例えば、誰かに仕事を依頼するたびにいつもアサップといっていたら、依頼する相手に本当に急ぎの要件なのか疑わしいと思われて、後回しにされかねません。
また、いつも急ぎの仕事ばかり依頼してくるけれど、何でもっと計画的に仕事を回さないのだろうと、不満を抱かれることもあります。
アサップの多用は避け、本当に急がなければならない場合のみ使うようにしましょう。
アサップは期限がはっきりしない言い方
アサップ(できるだけ早く)といった場合、どのくらい早くしないといけないのか、受け取り方は人それぞれです。
「今手掛けている仕事をすべて中断して、今すぐ頼まれた仕事をしないといけない」と考える人もいれば、「今の仕事が終わってから頼まれごとに取り掛かればいいだろう」と考える人もいます。
依頼する側が「今すぐしてほしい」と考えていたのに、受ける側が「今忙しいから手が空いてから取り掛かろう」と判断していたら、依頼する側の当てが外れて困った事態になってしまいます。
期限をはっきりさせるほうが安全
自分の思っている期限内にどうしても終わらせてほしい仕事を依頼する場合は、アサップではなく「今日中に終わらせてほしい」など、明確な期限を指定した言い方をするほうが確実です。
逆に、誰かからアサップといわれて仕事を依頼されたときは、期限を確認することでトラブルを避けられます。いま受け持っている仕事との兼ね合いも考慮したうえで、いつ頼まれた仕事に取り掛かれるかを考えてみましょう。
「今作業している仕事が今日中に終わる予定です。依頼された仕事は明日の朝から開始して、夕方5時ころに完了できると思います。それで問題ありませんか?」のように確認すると、相手から具体的な返答を得られます。
アサップの使い方を例文で学ぼう
アサップの意味や使うときの注意点がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・納期が迫っているので、アサップでよろしくお願いします。
・アサップで確認するので、少し時間をください。
アサップは、急ぎの仕事を依頼するときだけでなく、自分が「なるべく早くその仕事をするよ」ということを相手に伝えるときにも使用されます。
アサップの類語・言い換え表現
アサップの類語は、「至急」「大急ぎで」「早急に」「急ピッチで」です。それぞれの意味と使い方を頭に入れておきましょう。
非常に急ぐこと
【例文】
機械トラブルが発生しました。至急対応してください。
たいへん急いで
【例文】
今、大急ぎで準備しています。
非常に急いで
【例文】
この件について調査し、早急に報告してくれ。
進行を早めるさま、急いで行うさま
【例文】
オープンに間に合うよう、急ピッチで準備を進めています。
アサップの対義語
アサップの対義語は、「ゆっくり」「手隙」です。
・動作が遅いさま
・時間的にゆとりがあるさま
・気持ちにゆとりのあるさま
【例文】
慣れるまではゆっくりでいいから、慎重に作業しよう。
することがなくて暇なこと。手のあいていること
【例文】
お手隙のときに資料に目を通しておいてください。
「ASAP」の英語での使い方
「ASAP」は、英語でも目上の相手には使えません。
同僚や部下に用いる場合も、「ASAP」の上から目線なニュアンスを和らげるよう、言い回しに配慮する必要があります。
「ASAP」を少し丁寧な言い方に聞こえる「as soon as possible」に言い換えたり、相手に配慮した言い方になる「at your earliest convenience(あなたの最も都合のいい早いときに、なるべく早めに)」を使うのがおすすめです。
また、上記で紹介した表現と次のような表現と組み合わせると、より丁寧な言い回しにできます。
Sorry to trouble you:お忙しいなか申し訳ございません
ちなみに、英語では「ASAP」を「アサップ」と読まず、「エーエスエーピー」のようにアルファベットをひとつずつ読むのが一般的です。
アサップは相手や状況を選んで使おう
アサップの意味は、「できるだけ早く」「可能な限り早く」「可及的速やかに」です。
カジュアルな印象に聞こえる略語なうえに、上から下に向けて命令するニュアンスがある言葉のため、目上の相手やフォーマルなシチュエーションには使えません。
アサップの使い方とあわせて、アサップが使用できないときに備えて紹介した言い換え語も頭に入れておき、うまく使い分けできるようになりましょう。