「気付」とは「立ち寄り先に送る」という意味
「気付」は、手紙や宅急便などの宛先を書く際に使われる手法で、「立ち寄り先に送る」とうい意味の言葉です。ビジネスシーンでは、出張先に何かを送ることも多々ありますが、使い方を理解していない人は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、「気付」の意味、読み方、使い方、言い換え表現などについてわかりやすく解説します。
「気付」の読み方・意味
「気付」は、通常「きづけ」と読みますが、「きつけ」と読んでも間違いはありません。本来、手紙を送る場合、送る相手の住所と名前を記載しますよね。しかし、送る相手の自宅ではなく、ほかの場所で受け取る場合の宛先に記載するのが「気付」です。
「気付」を使った宛名の書き方
「気付」は、封筒でも宅急便でも使えますが、送る場所によって書き方が異なります。
〒〇〇〇-××××
福岡県福岡市◆◆◆町〇丁目◇番地
★★株式会社気付
◎◎株式会社 □□□□様
〒〇〇〇-××××
福岡県福岡市◆◆◆町〇丁目◇番地
★★ホテル気付
□□□□様
そのほか、出張で滞在する予定のホテルに、前もって送り、現地で自ら受け取る場合には、自分宛になるので「様」は使わず、以下のように「行」を使います。また、よりわかりやすくするために、宿泊予定日を書いておくと親切です。
〒〇〇〇-××××
福岡県福岡市◆◆◆町〇丁目◇番地
★★ホテル フロント気付
□□□□行
(〇月×日~〇月▲日まで宿泊)
そのほか、病院に入院している人にお見舞いの品、手紙、仕事の資料などを送ることがあるでしょう。病院は入れ替わりが激しいので、入院している科と部屋番号を入れると受け取る病院側もわかりやすいです。
〒〇〇〇-××××
福岡県福岡市◆◆◆町〇丁目◇番地
★★総合病院整形外科101号室気付
□□□□様
「気付」で送る場合の注意点
「気付」で手紙や物を送る場合、いくつか注意しておかなければならないことがあります。
個人宅の場合は「気付」ではなく「様方」
「気付」は、送る相手の自宅ではない場所に送るときに使いますが、個人宅に滞在している場合は「様方(さまがた)」を使います。
〒〇〇〇-××××
福岡県福岡市◆◆◆町〇丁目◇番地
〇〇〇〇様方
□□□□様
「気付」は住所の一部
手紙の宛先を書く際、住所よりも宛名のほうを少し大きな字で書くのが一般的です。「気付」は住所の一部になるので、宛名よりも小さく書きます。
「気付」の使い方・例文
「気付」は、主に何かを送る場合に使いますが、会話の中ではこのように用いられます。
・北海道出張中の部長に資料を送るため、滞在しているホテル宛てに気付で発送した。
・同僚の家に泊めてもらっているのに、頼んだ品物が気付で送られてきて恥ずかしい思いをした。
「気付」の類語・言い換え表現
「気付」と同じ意味合いで使える言葉には「様方」があります。いずれも、送る相手が自宅ではなく、ほかの滞在先にいる場合に使う点では類語です。しかし、前述したように、使い方は異なるので間違わないようにしましょう。
「気付」の英語表現
「気付」を英語で表現する場合、「care of」となりますが、宛先として記載する場合は「c/o」という略語を使います。ただ、日本では、「〇〇株式会社気付▲▲様」となりますが、英語では「Mr.▲▲c/o〇〇Co.Ltd」のように逆になるので注意が必要です。
【番外編】「気付」にはほかにもこんな意味がある
「気付」の漢字に「け」をつけた、「気付け」という言葉があります。これは、「気を失っている人、正気を失っている人に対し、元気を取り戻させる」という意味の言葉です。「気付け薬」の「気付け」はこちらの意味になります。
また、「気付く」になると、「自分で感じ取る」「正気に戻る」の意味です。同じ漢字で違う事柄を指すので勘違いしやすいですが、前後の文脈や話しの内容を注意深く聞いていれば間違うことはありません。
「気付」の意味を理解し正しく使おう!
手紙を発送する機会が減った現代においては、「気付」の漢字を見ると「気付く=感じ取る」を連想しやすいかもしれません。しかし、海外でも「気付」で送る習慣はあるので、正しい使い方は覚えておくと便利です。