「此方」の読み方や意味は？「彼方」との使い方、言い換え、対義語、英語も解説

「此方」とは「こちら」という意味

「此方」は、「あちら」「そこ」などの指示代名詞と同じく、「こちら」「こっち」を意味する、近称の指示代名詞になります。ですので、対義語は、「あなた」「あちら」などの意味をもつ「彼方」です。しかし、「此方」という漢字にはなじみがなく、目にしただけでは意味がわからない人も多いのではないでしょうか。本記事では、意味、読み方のほか、使い方などについてもわかりやすく解説します。

「此方」の読み方・意味

「此方」には、実はいくつもの読み方があります。

一番古い読み方は、「こなた」で、近称の指示代名詞になるのですが、詳しい意味は複数あります。ですので、何を指すかは文脈で判断しなければなりません。

いずれも「近いところにある」というニュアンスのため、現代では「こちら」「こっち」「こち」という読み方が生まれ、どれも間違いではないとされています。

「此方」の使い方・例文

「此方」は広い意味では「こちら」で、読み方も複数ですが、使い方には一定の決まりがあるので注意が必要です。

「こなた」と読む場合

「こちら」のほかにも「あなた」「わたくし」の意味があるので、文脈によって判断する必要があります。しかし、現代では日常会話の中で使われることはほとんどないです。

「こちら」と読む場合

「こちら」と読むのは、「私」「第三者」など、話し手に近い場所や方向を指す場合が多く、現代のビジネスシーンでもよく使われます。ただし、第三者を指す場合は、話し手より目上の人か、同等の人に限ります。

「こち」と読む場合

「こち」と読むときは、「こちらへ」と「私/私ども」を指す場合に使いますが、古い言い方なので現代ではほとんど使われていません。

「こっち」と読む場合

「こっち」は「こち」が変化したもので、「私/私ども」の意味がありますが、「ある時点から現在まで」を指す場合もあります。

「此方」の類語・言い換え表現

「此方」をほかの言葉に言い換える場合は、次のような言葉があります。

「此方」の対義語は「彼方」

「彼方」は、遠称の指示代名詞で、「あちら」「あなた」「あっち」など、複数の読み方があり、「あなた」「あちら」は二人称、三人称で使うほかに、「今よりも以前のこと」を指す場合もあります。

「彼方此方」という表現もある

「彼方此方」は四字熟語で、「あちらこちら」と読み、一つの場所に定まらず色々な場所や方向を指示する場合に使われます。

「此方」の英語表現

「此方」には多くの意味があるため、「ここ/こちら＝here」「私＝I」「これ＝this」と英語表現もさまざまです。そのほか、自分の隣にいる男性を指す場合は「He is～」、女性の場合は「She is～」など、状況に応じて、何を指すのかはっきりと示しましょう。

「此方」の意味を理解し正しく使おう！

「此方」は広い意味では「こちら」ですが、読み方や状況によって指すものが異なります。古い言い回しもありますが、正しい意味はきちんと覚えておくことをおすすめします。