「オーソライズ」の意味や正しい使い方は?コンセンサスとの違い、英語、類語も解説

「オーソライズ」とは「正当と認める」という意味

「オーソライズ」とは、「正当と認める」「公認する」「正しいと認める」ことを意味しており、公的機関や企業など、権力をもつ人や組織からの認可を得た・得る物事がある場合に使る言葉です。ただし、承認が得られるすべての状況下で使うものではないため、正しい意味を理解しておかなければなりません。そこで、本記事では英語、言い換え表現なども含めて解説します。
なお、対義語は「非認可」「非公認」があてはまるので、併せて覚えておくようにしましょう。

「オーソライズ」の英語は「authorize」

「オーソライズ」は英語で「authorize」と表記し、「権限を与える」「許可する」の意味をもつ単語として使われています。

authorize payroll reduction from one’s salary.
(給料からの天引きを認める)
authorize a wage increase for employees.
(従業員の賃金引上げを承認する。)

そのほか、英語では「正当性を認める」の意味もありますが、こちらはあまり使われていません。

日本語においての「オーソライズ」とは

日本語での「オーソライズ」は、「authorize」とほぼ同じ意味をもっています。しかし、英語では「権限を与える」「許可する」「承認する」ことを指す動詞ですが、日本語の中では「オーソライズする/される」というように、通常は名詞の形で、「承認」「認可」を指して使われます

また、ビジネスシーンにおいては、特に販売やサービス分野で、公的機関や認定機関などから承認を得ることを意味して使われることが多いです。

「オーソライズ」は人に対しても使える

「authorize」の意味の中に「権限を与える」があり、英語圏ではあまり使われませんが、日本のビジネスシーンでは、上司などから権限を与えられている人を「社内オーソライズ」という言葉で表しています。

・社内オーソライズされる。=社内で権限を与えられている。

「オーソライズ」の使い方・例文

前述したように、日本のビジネスシーンでは「~する」「~された」など、「オーソライズ」は名詞のように使われています

オーソライズされる/する

「~される」「~する」は、「公的に承認を受ける」「正式に認められる」「正式に登録する」などの意味で使われます。

例文①

・無事、本日特許庁からのオーソライズを得ることができた。

・無事、本日特許庁からの認可を得ることができた。

例文②

・ソフトウェアのインストール後、オーソライズをしてください。

・ソフトウェアのインストール後、正式登録を行ってください。

例文③

・機能が多くて使いやすいソフトウェアやアプリはオーソライズを求められる場合が多いので面倒だ。

・機能が多くて使いやすいソフトウェアやアプリは、会員登録を求められる場合が多いので面倒だ。

オーソライズをとる/得る

「~をとる」「~を得る」は、「公認を受ける」「承認を得る」などの意味で使われます。

例文④

・この商品ですが、オーソライズを取る予定ですか?

・この商品ですが、公認を受ける予定ですか?

例文⑤

・この企画書はオーソライズを得ているのか?

・この企画書は、部長(上司)の承認を得ているのか?

「オーソライズドジェネリック」とは?

医薬品の種類で「オーソライズドジェネリック」というものがありますが、これは、「新薬メーカーより承諾を受けたジェネリック医薬品」を指しています。英語では「Authorized Generic」と表記するので、「AG」の略語が使われることも多いです。

なお、「オーソライズジェネリック」といわれる場合もありますが、正しくは「オーソライズ・ジェネリック」が正しいです。どちらでいわれても意味は同じですが、正しい用語を覚えておきましょう。

「ジェネリック」と「オーソライズド・ジェネリック」は別物!

「ジェネリック医薬品」は現代では広く知られていますが、まずは「ジェネリック」の意味を改めて確認しておきましょう。

「ジェネリック」とは?

先発医薬品の特許が切れた後に発売される、先発医薬品と同じ有効成分を含み、同じ効果を示す薬のこと。

そして、「ジェネリック」は、すべてが「オーソライズド・ジェネリック」というわけではなく、このような違いがあります。

「ジェネリック」は、先発医薬品の有効成分を含みながら、飲みやすくなるよう形状や味を変えたり、有効成分の含有量を1㎎、2㎎などの種類を増やしたりするため、添加物が異なる場合が多いです。そのため使われている添加物が体に合わない人もいるといわれています。従って、先発医薬品とまったく同じ内容の薬を希望する場合は、「オーソライズド・ジェネリック」と言わなければなりません。なお、価格は「オーソライズド・ジェネリック」も「ジェネリック」も、先発医薬品よりも安いのが一般的です。

「オーソライズ」の類語・言い換え

「オーソライズ」を日本語で表現したい場合は、次のような言葉が使えます。

「オーソライズ」の言い換え表現

・認可
・認定
・公認
・裁許 など

例文

・新商品のオーソライズを得る。

・新商品の認可を受ける。
・新商品を認定してもらう。

そのほか、カタカナ用語の類語には「コンセンサス」があります。

「オーソライズ」と「コンセンサス」の違い

「コンセンサス」とは、「意見の一致」「合意」の意味をもつ言葉で、次のような状況で使われます。

・関係部署からの合意を得る。
・会議などで全会一致を得たい場合の根回し。

使い方の例

・営業部からのコンセンサスを取る。
・総務のコンセンサスを得ている。
・会議前に部長のコンセンサスを取っておく。

「コンセンサス」は、複数人の合意や同意を得る場合に使いますが、「オーソライズ」は、組織、担当者、権力者による正式な許可や認可を得る場合に使うという点で違いがあります。

「オーソライズ」の意味を理解し、正しく使おう

「オーソライズ」は、「公認する」「正当と認める」など、公的機関・組織など、権力をもつ人による承認を得たり、許可をもらったりする場合に使う言葉です。「参加者からの賛同を得る」「営業部からの承認を得る」というように、複数人からの同意を得る際には「コンセンサス」を使うのが正しいので、状況の応じて使い分けができるようにしておきましょう