タグとはこんな言葉
タグは、2つの意味をもつカタカナ語です。ひとつ目の意味は「付け札、ラベル」。もうひとつは、コンピュータに人が書く文章の構造を理解させるための、「命令文」という意味です。
「付け札、ラベル」のほうの意味のタグは、タッグという場合もあります。
タグを英語で表すときには「tag」を使います。
タグについて、くわしくみてみましょう。
タグには2つの意味がある
タグには「付け札、ラベル」と「命令文」という2つの意味があります。それぞれ、使い方が異なる意味なので、しっかり区別できるようになりましょう。
「付け札、ラベル」という意味のタグ
「付け札、ラベル」という意味のタグは、「荷札や商品に付ける値札」「ものを分類するために付ける札」のこと。
「目印やメモなどのために貼り付ける付箋紙」のこともタグといいます。
「命令文」という意味のタグ
コンピュータに人が書く文章の構造を理解させるための、「命令文」をタグと呼びます。
例えば、インターネットで「bouteX」というサイトの、「タグ」の記事をみる場合を考えてみましょう。
パソコン(コンピュータ)は、「bouteX」の運営サイトから「タグ」の記事の情報をもらってきて、その情報をもとに記事をパソコン画面に表示します。
しかし、パソコンにとって、人間が書いた文章の構造は理解不能。
いちいち「ここはタイトル」「これは画像」「ここは大見出し」「ここは本文」「ここで改行」などの指示を与えないと、サイトを作った人の意図通りの見た目で情報を再現することはできません。
サイト制作者の意図通りに正しく情報を表示できるように、パソコンに指示を出す、この一つひとつの命令文がタグです。
「命令文」のタグの例
コンピュータへの「命令文」のタグは、「<〇〇>~~~</〇〇>」のような形で表されます。
「〇〇」の部分に命令ごとに決められている英数字が入り、「~~~」には、その命令を実行してほしい対象の文章などが入ります。
例えば、ホームページを作るときに使用する「htmlタグ」の場合、次のような「タグ」があります。
タグ | 意味 |
<title> | タイトル |
<img> | 画像 |
<h1> | 大見出し |
<h2> | 小見出し |
<p> | 本文 |
<br> | 改行 |
<strong> | テキストを強調 |
<link> | リンク |
パソコンは、このようなタグを目印にして人間が書いた文章の構造を把握し、見た目を整えていきます。
そのおかげで、画像があったり、リンクが貼ってあったりする複雑な情報が詰まった、ホームページをきれいに表示させることができるようになるのです。
「命令文」のタグの種類
ホームページを作成するときに使う「命令文」のタグは、前の見出しで紹介した「htmlタグ」だけではありません。
タグは、役割によって3つに分けることができ、「htmlタグ」のほかにも「コンバージョンタグ」や、「ツール用制御タグ」と呼ばれるものがあります。
htmlタグ
htmlタグは、ホームページの見た目について指示を出すタグです。
文字のフォントやサイズ、画像、リンクなど、「何を」「どこに」「どのように」表示するか、表示方法に関する命令を出します。
コンバージョンタグ
コンバージョンタグはホームページの広告経由で、ユーザーが商品購入やお問い合わせ、資料請求、メルマガ登録など、設定されたアクションをしたときに、その回数を計測するために設置するタグ。
広告の効果を知るために必要で、広告媒体ごとにタグの設置が必要です。
ツール制御用タグ
ツール制御用タグはGoogle Analytics、ヒートマップツール、ABテストツールなど、ウェブサイトの分析をするツールを使用するために、設置するタグです。
タグの管理にタグマネージャーが便利
ホームページは、ものすごくたくさんのタグで構成されていて、タグは正しい位置に正しい順序で設置しないと正しく働いてくれません。
ホームページは一度作って終わりではなくタグを変更したり、付け足したり、削除したり、管理が必要です。しかし、たくさんのタグを一つひとつ変更していくのはとても大変。
タグマネージャーは、ホームページに設置した数多のタグを一括で管理できるツールです。タグの数が少ないうちからタグマネージャーを導入することで、後々のタグの管理が楽になります。
Yahoo!のサービスでタグ管理ができるYahoo!タグマネージャーや、Googleのサービスでタグ管理ができるGoogleタグマネージャーが有名です。
タグの類語はタッグ
「タグ(付け札、ラベル)」は、タッグといわれることもあります。
・鬼ごっこ。鬼ごっこでタッチすること
・プロレスのタッグマッチの略
・特定の目的を達成するために、複数のグループが混生して作られたチーム
タッグは、「付け札、ラベル」のほかにも意味がある言葉です。
「タッグを組む(協力する)」のように、タグとは違う意味で使われる場合もあるので注意しましょう。
タグの英語は「tag」
タグを意味する英単語は「tag」です。
・(服・リボンなどの)たれ飾り
・ひも先の金具
・(ジッパーなどの)つまみ
・毛の房
・コンピュータに命令するタグ
・コンピュータのファイル管理のタグ
・鬼ごっこ、鬼ごっこでタッチする
「tag」の「鬼ごっこ」という意味でピンと来た人もいるかもしてませんが、カタカナ語の「タグ」と「タッグ」は、英語だとどちらも「tag」で表すことができます。
「tag team」でプロレスのタッグチームや、2人以上のチームという意味になります。
タグには関連語がたくさんある
「付け札、ラベル」という意味のタグには、関連語がいくつもあります。
どんな言葉がどのような意味で使われているのか、おさえておきましょう。
クレームタグ:飛行機に乗るときに預けた荷物の引替証
ハッシュタグ:SNSの投稿に「#○○○」の形でタグ(ラベルの意味)を付けておくことで、その言葉のタグが付いている投降をまとめて検索できるようにする機能
タグ付け:SNSに投稿した写真やテキストの内容に関係している人物のユーザー名のタグ(名札の意味)を付けることで、その人が関係している投降だと示す機能
ブックマークタグ:ブックマークを分類、整理するためのタグ(ラベルの意味)を付ける機能
タグ未設定:情報の分類に役立つタグ(ラベル)が設定されていない状態のこと
タグラグビー:プレイヤーの腰に「タグベルト」と呼ばれる、取り外しできるひらひらしたタグを付けて行う、ラグビーのようなスポーツ。タックルの代わりにタグベルトを奪う
タグの使い方を例文で学ぼう!
タグの意味がわかったら、次はビジネス会話での使い方を例文でイメージしてみましょう。
・安心機能が充実した紛失防止用のタグを開発した
・強調したい文言にstrongタグを設置する
・ハッシュタグを広告に利用する
タグの意味を読み取ろう
タグには、「付け札、ラベル」と、コンピュータへの「命令文」という2つの意味があります。
インターネット関連の話題でなければ、タグ=「付け札、ラベル」の解釈で間違いありません。
しかし、インターネット関連の話題のときには、「付け札、ラベル」なのか、コンピュータへの「命令文」なのか、タグが意味することを文脈から判断する必要があります。
タグの意味を理解し、どちらのニュアンスで使われているか、読み取れるようになりましょう。