「ご理解ください」とはどんな意味をもつ敬語?使い方、言い換え表現、英語も紹介

「ご理解ください」は「わかってください」とお願いする言葉

「ご理解ください」は、相手に「わかってください」と丁寧いお願いする際に使う言葉です。しかし、相手や状況次第では、上から目線に思われることがあるので、表現方法に工夫が必要です

本記事では「ご理解ください」の正しい意味や使い方のほか、言い換え表現、英語表現などについてもわかりやすく解説します。

「ご理解ください」の意味

「理解」は、説明しなくてもなんとなくニュアンスはつかめると思いますが、改めて意味を確認しておきましょう。

「理解」の意味
・物事の筋道が正しくわかること。
・わけを知ること。
・人の気持ちや立場を察すること。

「理解」に「ご」をつけると、相手に敬意を示す尊敬語となり、それに何かをお願いするための補助動詞である「ください」をつけることで、「理解してください」「わかってください」「察してください」という意味になります。

「ご理解ください」は敬語でも命令形なので注意!

「~ください」は、相手に何かをお願いする際の丁寧語ではあっても命令形です。そのため、敬語にあたる「ご理解ください」という表現は、上から目線に感じる人もいるので、使い方や使う相手には注意が必要です。

「ご理解ください」の使い方・例文

「ご理解ください」をそのまま使うのであれば、前にクッション言葉である「なにとぞ」「恐れ入りますが」「大変恐縮ですが」をつけると、表現がやわらかくなります

例文
なにとぞご理解ください
恐れ入りますがご理解ください
大変恐縮ですがご理解ください
また、「ご理解ください」のあとに言葉をつけ足すと、丁寧さが増すので、次の表現も覚えておきましょう。

例文
・ご理解くださいませ
・ご理解くださいますようお願い申し上げます

「ご理解ください」「ご理解下さい」の違い

「~ください」も「~下さい」も意味に違いはありません。しかし、なにかをしてほしい場合や、お願いをする場合の「ください」はひらがな表記するという法則があるため、この場合は「ご理解ください」と表記するのが正しいといえます。

「ご理解ください」の言い換え表現

「ご理解ください」をそのまま使うと、上から目線に思われることもあるため、次のような言い換え表現を使うのが賢明です。

・ご理解をお願いいたします
・ご理解いただきたく存じます
・ご理解いただけると幸いです
・ご理解のほどお願い申し上げます

「ご理解ください」の類語

「ご理解ください」と似た意味をもつ言葉はほかにもあります。多少意味合いが違いますが、状況に応じて類語としての利用が可能です。

ご了承ください

「了承(りょうしょう)」には「引き受けること」「納得すること」の意味があり、「ご了承ください」で、相手に「引き受けてください」「納得してください」とお願いする言葉です。

「ご理解ください」よりも、納得して受け入れてほしいというニュアンスが強くなります。

例文
来週の月曜日は施設点検のため定休日とさせていただきます。なにとぞご了承くださいますようお願い申し上げます。

ご容赦ください

「容赦(ようしゃ)」には、「許すこと」「控えめにすること」の意味があり、「ご容赦ください」で、「どうか許してください」というお詫びの言葉になります。

相手の要望に応えられないときや、前もってお断りをしておく際に使われますが、本当にお詫びをするときの言葉には適さないので注意が必要です。

例文
店舗内の人数によっては入場制限をさせていただく場合がございます。なにとぞご容赦くださいますようお願い申し上げます。

ご承知おきください

「承知(しょうち)」には、「事情を理解して許すこと」「事情を知ること」、「~おき」は「事前に何かをしておく」という意味があります。つまり、「ご承知おきください」は、「前もって事情を知っておいてください」の丁寧な表現ということになります。

例文
本日はノー残業デーで、この会議室は17時までしか使えませんのでご承知おきくださいますようお願いいたします。

「ご理解ください」の英語表現

「ご理解ください」をそのまま英語で表現する場合は「Please understand」です。しかし、相手に伝える場合はより丁寧な表現が適切といえます。

・Kindly, please understand.
(なにとぞご理解ください。)
・I appreciate your understanding.
(ご理解に感謝いたします。)
・Thank you for understandhing.
(理解してくださりありがとうございます。)

「ご理解ください」の意味を理解し正しく使おう!

相手に「わかってください」とお願いする場面は、ビジネスシーンでは多いですが、お客様を相手にする仕事の場合は特に頻繁にあります。

しかし、状況によっては「ご容赦ください」「ご承知おきください」などの言い換え表現のほうが適している場合もあるので、それぞれの意味を正しく理解し、使い分けができるようになってください。